静岡県は、中部地方南東部、太平洋に面し、日本のほぼ中央に位置する。県庁所在地は静岡市。
 東海道新幹線、JR東海道本線、東名高速道路が通じる。太平洋側に国道1号、150号、内陸部では東西に国道362号、南北に国道52号、473号、152号が通り、伊豆半島沿岸部を国道135号、136号、内陸部を414号が通る。この他、JR身延線や私鉄(伊豆急行線、伊豆箱根鉄道、岳南電車、静岡鉄道、大井川鉄道、天竜浜名湖鉄道、遠州鉄道)が走る。
 東海地方東部に位置し、南側は遠州灘・駿河湾・相模灘に沿った約500kmの海岸線、北側は富士山など3000m級の山々からなる北部山岳地帯となり、東西に長い地形を囲む。山地から流れ出た川が天竜川、大井川、富士川となって県土を縦断し、海岸に注ぐ河口部に肥沃な土地を形成している。富士火山帯には富士山、天城山、達磨山などの火山が散在し、温泉が湧く。伊豆半島と御前崎にいだかれて駿河湾があり、御前崎から遠州灘沿いの海岸には砂丘が続き、その内陸に有度山、小笠山、牧之原、三方原、磐田原の洪積台地がある。
 7世紀末に遠江、駿河、伊豆の3国が確定。中世には足利、今川、北条氏などが勢力を争った。江戸時代には幕府の直轄地、旗本の知行地、諸大名の領地などが複雑にいりくんでいた地域で、徳川家康は天下統一後に駿府 (現静岡市) に隠居した。江戸時代には東海道五十三次のうち 22宿が設けられ、新居には関所もおかれた。1871年(明治4) 廃藩置県によって静岡、足柄、堀江のち浜松県(遠江)に区分され,1876年(明治9)に足柄県廃止により伊豆を静岡が編入、さらに浜松と静岡が合併し静岡県となる。1878年(明治11)に伊豆七島を東京府へ移管して現在の県域となる。
 農業では牧之原台地を中心とした茶、山地の斜面を利用したミカン、温暖な気候を利用したイチゴ、メロン、キヌサヤエンドウ、花卉などが代表的な産物。京浜、中京の工業地帯を結ぶ東海工業地域で、岳南地区の製紙、化学、機械、静岡・清水の食品、家具、浜松の楽器、オートバイの生産が盛んだったが、電気機械器具製造業の伸びが著しい。焼津、清水を中心に水産業も活発で、カツオ、マグロなどの遠洋漁業の基地となっている。大井川下流の吉田町付近と浜名湖はウナギの養殖場として有名。
 富士箱根伊豆、南アルプスの両国立公園、天竜奥三河国定公園がある。また、世界遺産として「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」と「明治日本の産業革命遺産」のひとつである韮山反射炉がある。国宝建築の久能山東照宮、国の名勝の富士山、伊豆西南海岸、白糸の滝、日本平、三保の松原などがあるほか、特別天然記念物の湧玉池、狩宿の下馬ザクラ、重要伝統的建造物群保存地区の花沢、特別史跡の遠江国分寺跡、登呂遺跡、新居関跡などのほか、国定公園、県立自然公園や動植物園、海のめぐみをいかした観光施設や景観、多数の火山により湧出する県内各所にある温泉など、多くの観光資源がある。近年は多彩な食材と、自然や景観、歴史、文化等の観光資源を融合させた「ガストロノミーツーリズム」を推進している。

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静岡県内の資源一覧

富士川(山梨・静岡県境周辺)の写真

富士川(山梨・静岡県境周辺) ( 山梨県 富士川町 / 山梨県 身延町 / 山梨県 南部町 / 静岡県 富士宮市 / 静岡県 富士市 )

富士川はその源を山梨県と長野県の県境にある鋸岳(標高2,685m)に発し、北上したのち南東に流れを変え、八ヶ岳裾野の峡谷を左手に七里岩を見ながら甲府盆地に向かって流れ下る。さらに扇状地を形作りながら周辺の山々から流れ落ちる大武川、小武川、御勅使川、塩川など左右から支流を合わせ、甲府盆地西部を南流する。盆地の南端部で、流域...

富士山の写真

富士山 ( 山梨県 富士吉田市 / 静岡県 御殿場市 )

静岡県と山梨県にまたがり、日本でもっとも高い成層(円錐)火山である。富士火山帯の主峰でフォッサマグナ*1上に位置し、ユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレートの三重の会合点にあり、プレートの押し合いでできた割れ目からマグマが噴き上げ形成したといわれている。山域は東西約35km、南北約38kmに及び、山頂には直径約8...

塩見岳の写真

塩見岳 ( 長野県 伊那市 / 静岡県 静岡市 )

南アルプスのほぼ中央、長野県伊那市と静岡県静岡市の県境にあり標高は3,052m、漆黒の山体にずんぐりした頂をのせている。東側には大井川源流の谷が深く切れ込み、北は絶壁、西には天狗岩と呼ぶジャンダルムがあり、近づくとかなりきびしい表情である。  塩見の名前は、山頂から太平洋が見えるからという説もある。しかし塩見岳の山麓に塩...

赤石岳の写真

赤石岳 ( 長野県 大鹿村 / 静岡県 静岡市 )

赤石山脈すなわち南アルプスの南部にあり、赤石山脈の盟主で巨体をすえる。浸食が著しく、険しい尾根を四方に張り重量感があり、その存在感から赤石山脈の名にふさわしい。山名はこの地域の岩石に含まれるラジオラリヤ板岩*が赤紫色からである。山頂は広く、カール状の地形が散見される。  昔の信仰登山のなごりをとどめる石や鉄製の剣が...

荒川三山の写真

荒川三山 ( 長野県 大鹿村 / 静岡県 静岡市 )

塩見岳と赤石岳の間、前岳・中岳・東岳を荒川岳、荒川三山と総称している。南アルプス南部の主要山岳の縦走路の大半は南北方向であるが、この荒川三山は東西方向にならんでいる。前岳(3,068m)・中岳(3,084m)は巨大な一つの山塊だが、標高3,141mの東岳は南アルプスの中でも北岳、間の岳につぐ3番目の高峰。  最高峰の東岳は独立して重厚...

光岳の写真

光岳 ( 長野県 飯田市 / 静岡県 川根本町 / 静岡市 静岡市 )

南アルプス最南端の山、標高2,592mで南西に露出する巨岩が日光を受けて光るのでこの名がある。長野県と静岡県の県境に位置し、長野県の飯田市遠山郷奥の易老渡が主な登山口。  北部のイザルガ岳にかけて平坦地が連なり、お花畑のセンジガ原がある。周囲に群生するハイマツはわが国の南限である。

聖岳の写真

聖岳 ( 長野県 飯田市 / 静岡県 静岡市 )

長野県と静岡県の県境にあり、日本アルプス中で最も南にある3,000m峰である。登山口は長野県側では飯田市の遠山郷奥の易老渡先、便ヶ島からと、静岡県大井川上流の椹島からとがあるが、いずれも山深く3泊は見ておきたい。  宗教的な山名だが、語源はヘズル、肘を曲げたようなうねうねした川のヒジリ沢からか、登山道がまがりくねって登るこ...

牧之原の茶畑の写真

写真提供:島田市

牧之原の茶畑 ( 静岡県 島田市 / 静岡県 牧之原市 / 静岡県 菊川市 )

牧之原は静岡県の中南部、標高100~200mの広大な台地で、延々と茶畑がつづく日本一の茶どころである。島田市金谷地区を軸としてヤツデの葉のような地形が遠州灘に向かって広がり、最南の御前崎までは28kmほどある。年間平均気温14.3℃、雨量も比較的多いという気象条件は茶の栽培に適し、現在、台地全体での茶畑は5千万m2にも及び...

白糸の滝の写真

写真提供:富士宮市観光課

白糸の滝 ( 静岡県 富士宮市 )

JR身延線富士宮駅の北約11km、芝川の上流で、国道139号沿いにある。高さ20m、幅150mの湾曲した絶壁の全面に大小数百の滝が幾筋もの絹糸をたらしたように落ちる優美な滝で、古くからの景勝の地*1であった。水を通さない古富士火山層の上に、水をよく通す新富士火山層の段層があり、その間を富士山の雪どけ水が通り、この地で噴き出したもの。 ...

狩宿の下馬ザクラの写真

狩宿の下馬ザクラ ( 静岡県 富士宮市 )

JR身延線富士宮駅の北9km、国道139号から西に入った、井出館*1の門前にある。富士山の南面の裾野に自生する樹齢800年余りの赤芽白花山桜(アカメシロハナヤマザクラ)*2で、シロハナヤマザクラの変種の巨木。若葉は赤色、花は初め淡紅色、後に白色となる。  源頼朝が富士巻狩*3のとき馬を繋いだと伝えられ、頼朝下馬桜、駒止桜、駒繋桜等の...

富士山本宮浅間大社の写真

富士山本宮浅間大社 ( 静岡県 富士宮市 )

JR身延線富士宮駅の北西500m、市街中心にある。古くから駿河一ノ宮として名高く、全国の浅間神社の総本宮である。富士の山霊を鎮めるために祀られたもので、社記によれば806(大同元)年に社殿*1が造営されたといわれている。富士山表口登山道の入口にあって、富士山信仰の隆盛とともに勢力を誇った。富士山山頂に奥宮*2が祀られている。  ...

大石寺の写真

大石寺 ( 静岡県 富士宮市 )

JR身延線富士宮駅の北約7km、国道139号から西に入ったところにある。富士五山*1の一つで、日蓮正宗の総本山である。日蓮の直弟子である日興*2が身延山を離れ、1290(正応3)年に創建した寺。富士門流の大石寺は、1900(明治33)年日蓮宗富士派として独立し、その後、改名して日蓮正宗となった。  古くからの信徒組織は法華講と呼ばれている...

浜名湖の写真

写真提供:公益財団法人 浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

浜名湖 ( 静岡県 浜松市 / 静岡県 湖西市 )

静岡県南西端に位置し、湖面面積約65km2、周囲114kmで全国10番目の大きさの湖である。古くから「遠淡海(とおつおうみ)」と呼ばれる景勝地*1として知られていた。陸地内部の浸食谷が沈降し海水が浸入したのち、湾口を天竜川の漂砂による砂州でふさがれて湖となった海跡湖である。遠州灘とつなぐ現在の今切の水道は、1498(明応7...

東海道の松並木の写真

東海道の松並木 ( 静岡県 浜松市 / 静岡県 湖西市 )

JR東海道本線舞阪駅から南へ200mほどの旧東海道にある。この松並木は1604(慶長9)年徳川家康の命*1により街道の整備が進み、一里塚や街道筋の両側に松(宿、街道によっては杉、榎など)の植栽が行われたのが始まりと言われている。この舞阪宿でも正徳年間(1711~1716年)には宿場の東はずれ(見付石垣)から東海道を東に向かい、8町40間(...

奥山方広寺の写真

奥山方広寺 ( 静岡県 浜松市 )

天竜浜名湖鉄道気賀駅より北へ約8km、臨済宗方広寺*1派の大本山。1371(応安4)年、当地を支配していた奥山六郎次郎朝藤が後醍醐天皇の皇子無文(むもん)禅師を招き、土地、建物を寄進し創建*2した。このため、同寺の開基は奥山六郎次郎朝藤とし、開山を無文禅師としている。本尊は木造釈迦如来及両脇侍坐像*3。同寺の鎮守である半僧坊大権...

秋葉山本宮秋葉神社の写真

秋葉山本宮秋葉神社 ( 静岡県 浜松市 )

浜松市の中心街から北へ約30km、南アルプスの南端、標高866mの秋葉山山頂に鎮座し、秋葉山を御神体として火之迦具土大神(ひのかぐづちのおおかみ 別称:火産霊神)を祀る。社伝によれば、秋葉の火の神の社として709(和銅2)年の創建*1と伝えられる。中世両部神道*2の影響を受け、秋葉大権現と称し、火防の神の総本宮として名高い。とくに...

龍潭寺の写真

龍潭寺 ( 静岡県 浜松市 )

天竜浜名湖鉄道金指駅から北西へ約2.5kmにある井伊家*1のゆかりの古刹。臨済宗妙心寺派。  寺伝には行基の開山と伝えられており、古くから地蔵寺と称し信仰の場となっていた。中世には井伊家の祖、井伊共保(1010~1093年)の法名にちなみ自浄院と号し井伊家の菩提寺になったという。また、江戸中期の「遠江国風土記伝」では、宗良親王*2の...

浜松凧あげの写真

写真提供:公益財団法人 浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

浜松凧あげ ( 静岡県 浜松市 )

例年5月3~5日の3日間、浜松まつりの中心行事として中田島凧揚げ会場で行われる。大凧揚げの起源*1は定かではないが、遠州地方は季節風の「遠州の空っ風」や遠州灘からの風もあり古くから凧あげが盛んで、各家の長男が誕生すると、最初の端午の節句に縁戚者から祝い凧が贈られ、村の若衆によって揚げられる風習があったという。明治中期に至...

はままつフラワーパークの写真

写真提供:はままつフラワーパーク

はままつフラワーパーク ( 静岡県 浜松市 )

浜松市制60周年を記念して1970(昭和45)年に開園された植物公園。JR東海道本線・東海道新幹線浜松駅から北西に約13km、浜名湖東岸、庄内半島の付け根にあり、舘山寺温泉にも近い。浜名湖畔の自然の地形や樹木を生かした造園で、面積は31.9万m2に及ぶ。  園内には「桜とチューリップの庭園」をはじめ、噴水池を囲む幾何学模様の...

浜松のうなぎ料理の写真

浜松のうなぎ料理 ( 静岡県 浜松市 )

浜名湖では江戸時代*1から良質の天然ウナギが獲れたが、養殖ウナギは、東京のウナギ業者服部倉次郎が1900(明治33)年に舞阪に移転し、湖内の細ウナギの育成に成功したのが始まりである。昭和初期にはシラスウナギ*2からの育成が可能になり、昭和40年代に至ると、飼料の開発や加温施設の普及が進み、南岸一帯に養鰻池*3の造成が急速に拡大し...

MOA美術館の写真

写真提供:MOA美術館

MOA美術館 ( 静岡県 熱海市 )

JR東海道本線・東海道新幹線熱海駅の北約2kmの丘陵地に建つ。1957(昭和32)年に開館した熱海美術館を前身としている。  1982(昭和57)年、創立者岡田茂吉*1の生誕100年を記念して、日本美術を中心とした美術品の展示、能や茶の湯などの推進、日本文化の情報発信などを目的とし、地上3階、地下1階、延べ床面積1万7,000m2の近代...

熱海温泉の写真

熱海温泉 ( 静岡県 熱海市 )

丘陵の中腹にあるJR東海道本線・東海道新幹線熱海駅から、相模湾に向いた傾斜地や海岸沿いの平坦地に、旅館やホテル、土産物店や飲食店などが所狭しと建ち並ぶ。熱海駅から海岸沿いの左手には、熱海温泉に隣接して「走り湯」で知られる伊豆山温泉*1もある。                                       ...

伊豆山神社の写真

伊豆山神社 ( 静岡県 熱海市 )

JR東海道本線・東海道新幹線熱海駅の東北約1.5㎞、小高い山の中腹にあり、境内は歌枕にもなった伊豆の御山「こごい(古々比)の森」*¹の一部で約13万2千㎡の広さがある。本殿は、「伊豆山神社前」バス停近く逢初橋の北側から石段の参道を登った鬱蒼とした巨木のなか標高170mのところに建ち、前面には相模湾が広がる。本殿は度重なる火災など...

熱海梅園の写真

写真提供:熱海市

熱海梅園 ( 静岡県 熱海市 )

JR東海道本線・東海道新幹線熱海駅から西へ約2km、丹那トンネル熱海口近くのゆるやかな山間に位置し、広さは44,000m2。1886(明治19)年、横浜の豪商茂木惣兵衛の出資により造られた歴史ある梅園で、現在は熱海市が管理している。  初川の渓流をはさんで、樹齢100年を越える古木を含め、60品種・469本の梅が咲き誇り、そのなか...

南伊豆の海岸(石廊崎~波勝崎)の写真

南伊豆の海岸(石廊崎~波勝崎) ( 静岡県 南伊豆町 )

伊豆急行線伊豆急下田駅から国道136号線、県道16号を経て南西へ18kmほどのところに石廊崎がある。その石廊崎から波勝崎までの海岸線は、多数の岩脈の上に海底火山から噴出した溶岩や火山灰などの火山性堆積物が地層を形成し、さらには陸上側の火山が載る形となっているため、複雑多様な地質・地形となっている。それを太平洋の波浪が浸食した...

天城山の写真

天城山 ( 静岡県 東伊豆町 / 静岡県 伊豆市 / 静岡県 伊東市 / 静岡県 河津町 )

伊豆半島の中央部に位置する富士火山帯の連山で、伊豆半島を北の口伊豆(北伊豆)と南の奥伊豆(南伊豆)に分ける。噴出した溶岩流や火山灰が堆積してできたいわゆる成層火山で、火口は東南側が欠けた直径6.5kmの爆発カルデラをなし、外輪山は最高峰の万三郎岳(1,406m)、その東の万二郎岳(1,300m)、箒木山(1,024m)、南の三筋山(822m)...

稲取温泉の写真

稲取温泉 ( 静岡県 東伊豆町 )

伊豆急行線伊豆稲取駅の南、相模湾にせり出す稲取岬に1956(昭和31)年に湧出した温泉。伊東と下田のほぼ中間にあたり、伊豆最大の漁港である稲取港*1を中心に、古くから伊豆東海岸の交通・経済の要地として栄えた。  1961(昭和36)年に伊豆急行線が開通し、首都圏などからの交通の便が改善されると、一挙に温泉地としても知られるように...

智満寺の写真

智満寺 ( 静岡県 島田市 )

JR東海道本線島田駅の北約10km、標高478mの千葉山中腹にあり、奈良時代末の創建*1といわれる古刹。宗派は天台宗。  鬱蒼とした杉木立に埋もれて、天正年間(1573~1593年)に徳川家康が再建造営した仁王門・中門・本堂・薬師堂などが点在している。なかでも1589(天正17)年に建立された本堂は、間口・奥行き5間、木割(原木から切り出した...

大井川鐵道のSL列車の写真

写真提供:大井川鐵道

大井川鐵道のSL列車 ( 静岡県 島田市 )

大井川鐵道*1は、JR東海道本線と接続する金谷駅から井川線への接続駅となる千頭駅までの本線39.5kmと、千頭駅から井川駅までの井川線*2(南アルプスあぷとライン)25.5kmの2路線を運行している。  SLは、始発の金谷駅から一つ先の新金谷駅と本線の終点千頭駅間で、年間を通して多くの日に運行されている。同社が運行しているSLは、C11形が2...

蓬莱橋の写真

蓬莱橋 ( 静岡県 島田市 )

JR東海道本線島田駅から南東に約1.5km、大井川にかかる蓬莱橋は、全長897.4m、通行幅2.4mの木造歩道橋。  江戸幕府最後の将軍徳川慶喜が1869年(明治2)年に静岡へ移住した際、付き従ってきた旧幕臣たちが大井川右岸の牧之原に茶畑を開拓するために入植した。この橋は、その旧幕臣たちが島田の市街との往来を確保するために、1879(明治12...

可睡斎の写真

可睡斎 ( 静岡県 袋井市 )

JR東海道本線袋井駅の北約4kmにある曹洞宗の巨刹。輪蔵や山門が建つ本堂前広場を本堂、禅堂、書院などがコの字状に囲み、その東側に萬松閣、瑞龍閣などが並ぶ。広い境内には古松・老杉が茂る。ただ、江戸期から明治初期にかけ、たびたび火災などに遭い、現在の堂宇は明治以降に再建されたものである。  同寺は、1401(応永8)年に道元禅師7...

法多山尊永寺の写真

写真提供:法多山尊永寺

法多山尊永寺 ( 静岡県 袋井市 )

JR東海道本線袋井駅から東南に約5km。寺号の尊永寺というより山号の「法多山」*1の名で古くから知られている。本尊は厄除観音として広く信仰されている。境内は広く、1640(寛永17)年建立の仁王門*2をくぐると右側に杉並木がつづく長い参道があり、その参道を抜けた先にある約250段の階段を上がった場所に1983(昭和58)年落慶の本堂が建ち、...

油山寺の写真

油山寺 ( 静岡県 袋井市 )

JR東海道本線袋井駅から北へ約6km入った山あいにある。山門を入ると正面の石段の上に書院、方丈があり、参道を左にとると三重塔*1・薬師堂*2がある山腹に至る。山腹に向かう途中は切通しや渓流、「るりの滝」があり、苔むした石段と鬱蒼とした杉の林がつづく。油山寺の名は、かつて「るりの滝」で油が湧出し「油の滝」とも称され、同山が「あ...

寸又峡の写真

寸又峡 ( 静岡県 川根本町 )

大井川の支流、寸又川の中流域に位置します。標高は約550m。寸又峡は寸又川が曲流しながら下方浸食作用を進め穿入蛇行(せんにゅうだこう)*1した峡谷。上流域では、深く刻まれ谷の両岸の絶壁から大小無数の滝が落ち込み、清流が奔流している。  電源開発も古くから行われ、寸又川に沿いダムが点在する。渓谷の奥には寸又峡温泉*2があり、...

日本平の写真

日本平 ( 静岡県 静岡市 )

静岡市の中南部、駿河湾に面する丘陵が標高 307mの有度山、その山頂付近が日本平公園となっている。公園は、富士山や清水港、三保松原の眺望で知られる。公園内の山頂付近にレストランやお土産ショップと展望施設の「日本平夢テラス」*1が建ち、山頂直下の平原ゾーンには大芝生広場、富士見の散策ガーデン、茶畑*2などが広がり、平原ゾーンの...

大井川の写真

大井川 ( 静岡県 静岡市 / 静岡県 島田市 / 静岡県 藤枝市 / 静岡県 大井川町 / 静岡県 吉田町 )

静岡・山梨・長野3県の県境にある南アルプス間ノ岳(3,189m)に源を発し、静岡県中部を縦断し駿河湾に注ぐ全長約168kmの川。 上流では切り立った深い峡谷を利用して、畑薙・井川など多くのダムが造られ電源開発がなされてきた。山岳景観に優れるとともに、接阻峡*1や寸又峡などの渓谷の景勝地も多い。  中流の川根地方は、大井川が「鵜山...

三保松原の写真

写真提供:公益財団法人するが企画観光局

三保松原 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線清水駅から南へ約6kmの駒越を基点に、東北方向へ約5kmに及ぶ砂嘴*1が駿河湾に突出している。この砂嘴の内側には清水港を抱え、駿河湾に面した外側に白砂と松の緑が連なる浜があり、これが三保松原である。  松原の東北端の鎌ガ崎付近は海越しの富士山の眺望がよく、『万葉集』以来の歌枕*2として親しまれ、江戸時代には浮世絵*...

特別史跡 登呂遺跡の写真

写真提供:静岡市立登呂博物館

特別史跡 登呂遺跡 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅から南に約3kmにある。登呂遺跡公園として整備され、静岡市立登呂博物館*1が隣接している。 1943(昭和18)年、プロペラ工場の建設のために水田が掘り起こされた際、地下1mあたりから広範囲にわたって約1900~2000年前の弥生時代の遺跡が発見された。第2次世界大戦後、1947(昭和22)年から4年間をかけて発...

久能山東照宮の写真

久能山東照宮 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅から南東へ約7.5km、有度山の南に位置する久能山の山頂(標高216m)に鎮座する。東照宮へは、久能山山麓からは16折、1,159段の急な石段*1を登るか、あるいは日本平からのロープウェイを利用する。社殿をはじめ楼門・鼓楼・神楽殿・神庫・玉垣・渡廊などの建築物は、山頂付近の傾斜を利用して巧みに配置され...

静岡浅間神社の写真

静岡浅間神社 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅の北西に約2km、静岡の名のもとになった賎機山(しずはたやま 標高171m)を背にして鎮座する。約4.5万m2の境内に、神部(かんべ)神社・浅間(あさま)神社・大歳御祖(おおとしみおや)神社の3本社*1と、麓山(はやま)神社・八千戈(やちほこ)神社・少彦名(すくなひこな)神社・玉鉾(たま...

駿府城跡(駿府城公園)の写真

駿府城跡(駿府城公園) ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅の北700mにある平城の城跡で、明治以降は石垣と堀を残すのみだったが、1989(平成元)年に静岡市市制100周年を記念して巽櫓*1が復元され、現在は駿府城公園として市民に親しまれている。  駿府城は今川氏*2・武田氏のあと駿府を治めた徳川家康*3が1585~1590(天正13~18)年に築いた城で、三河・駿河・遠...

静岡市立芹沢銈介美術館の写真

写真提供:静岡市立芹沢銈介美術館

静岡市立芹沢銈介美術館 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道線・東海道新幹線静岡駅から南に3km、登呂公園内に建つ市立美術館で、1981(昭和56)年に開館。静岡市出身の染色家で人間国宝である芹沢銈介*1の作品と収集品を収蔵、展示している。  収蔵品は芹沢銈介が型絵染の技法で制作した着物・帯・のれん・夜具地・壁掛・屏風・装幀本など約1,300点と、芹沢銈介の収集した染織品・木工品・...

丸子のとろろ汁の写真

写真提供:丁子屋

丸子のとろろ汁 ( 静岡県 静岡市 )

丸子の宿はJR東海道本線・東海道新幹線静岡駅の西南7km、国道1号に沿った地域で東海道五十三次の宿駅があったところ。鞠子とも書いた。とろろ汁の丸子として古くから*1知られ、『東海道中膝栗毛』*2の中では弥次さん、喜多さんが立ち寄り、歌川広重は『東海道五十三次』の画題として取り上げ、芭蕉の句*3にも詠み込まれている。  これらの...

臨済寺の写真

写真提供:臨済寺

臨済寺 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅から北へ約3km、静岡浅間神社からは約1kmの賎機山(しずはたやま)東麓にある。臨済宗妙心寺派。山門につづく境内は築地塀・石段・踏み石が直線的に整然と配され、禅寺にふさわしい厳粛な雰囲気が漂う。1536(天文5)年に今川義元*1が兄氏輝の菩提寺として、妙心寺の住持などを歴任した大休宗休に請い、開闢...

堂ヶ島海岸の写真

堂ヶ島海岸 ( 静岡県 西伊豆町 )

伊豆西海岸のほぼ中央、堂ヶ島の瀬浜から安城岬(あじょうみさき)にかけての2kmほどの海岸線。海上に白色の安山岩質凝灰岩からなる大小の波食群島を浮かべ、島には松が茂り、松島に似た風景を造っている。これらは海底に堆積した火山物質が、いったん隆起したのち沈降して多島海となったもので、島の表面に風波の浸食によって斜交層理と呼ば...

堂ヶ島温泉の写真

堂ヶ島温泉 ( 静岡県 西伊豆町 )

堂ヶ島は、江戸後期編纂で明治期に増訂された『豆州志稿』にも「絶勝ノ地ナリ」と記されているほど古くからの景勝地とされており、1962(昭和37)年に温泉掘削が行われ、良質な源泉を掘り当てたことから堂ケ島温泉としても知られるようになった。  その後、旅館の自家源泉、町営源泉なども掘削され、現在は温泉旅館6軒、町営共同浴場*4軒な...

柿田川の湧水の写真

柿田川の湧水 ( 静岡県 清水町 )

JR東海道本線・東海道新幹線三島駅から南西に約2.5kmの場所に柿田川の湧水群がある。周囲は柿田川公園*1として整備されている。狩野川の支流柿田川は全長1.2kmで、富士山周辺に降った雨や雪が11000~8000年前の富士山噴火により流出した三島溶岩流の中を通り、この地で湧出した水源によって形成されている清流である。地質鉱物が学術上貴重で...

富士サファリパークの写真

写真提供:富士サファリパーク

富士サファリパーク ( 静岡県 裾野市 )

JR御殿場線御殿場駅から西へ約14km、富士山の南東麓、十里木高原の雄大な自然を生かした敷地面積74万m2にも及ぶ動物公園である。  一周4.5kmのサファリゾーンには、クマ・ライオン・トラ・チーター・ゾウ・一般草食動物・山岳草食動物の7つのゾーンが設けられており、マイカーまたはジャングルバス、ナビゲーションカーなどの車...

藤守の田遊びの写真

写真提供:焼津市

藤守の田遊び ( 静岡県 焼津市 )

JR東海道本線藤枝駅から南東に約7kmのところにある、大井八幡宮で例年3月17日に行われる民俗芸能。大井八幡宮*1は、延暦年間(782~806年)の創祀当初は川除と平安豊饒の祈願所だったといわれ、985(寛和元)年には山王権現の大井川宮として社殿も建立された。その後、大井川の川筋の変化もあり、1205(元久2)年に社殿が再建され、同時に大...

千本松原の写真

千本松原 ( 静岡県 沼津市 )

狩野川河口の西、千本浜公園から駿河湾に面し、緩やかな弧を描くように田子の浦港近くまで延長約15km、幅100~200mほど続くマツ林。クロマツを中心とした造林地で、本数は10数万本に及ぶともいわれている。千本浜公園へは東海道本線沼津駅から南約1.6km。また、同線片浜駅や東田子の浦駅からもマツ林や浜に近い。             ...

小國神社の写真

写真提供:小國神社

小國神社 ( 静岡県 森町 )

天竜浜名湖鉄道遠江一宮駅から北へ4km、森町の西南部、宮川を遡った比較的開けた谷あいにある。『延喜式』にその名はあり、遠江国一宮である。創祀*1は不詳だが、1680(延宝8)年の社記によれば、555(欽明天皇16)年に、現在の本殿より6kmほど北にある本宮峯(本宮山)*2に神霊を奉斎し、後に勅命により現在地に社殿が造営されたとしている...

三嶋大社の写真

三嶋大社 ( 静岡県 三島市 )

JR東海道本線・新幹線三島駅の南東約1km、木立に囲まれた広い神域をもつ。延喜式にもその名があるものの詳しい縁起は不詳*1であるが、古くから伊豆一宮として広く崇敬を集めた。源頼朝も源氏再興を祈願したといい、頼朝腰掛け石がある。鎌倉期以後、「三嶋大明神」として崇敬された。  本殿・幣殿・拝殿は、1854(嘉永7)年の東海地震で被...

三島のウナギの写真

写真提供:三島市

三島のウナギ ( 静岡県 三島市 )

三島は、富士山の伏流水、湧水や狩野川支流など豊富な良水に恵まれ、古くからウナギの棲息が確認されてきた。三嶋大社の境内の神池に大量のウナギが棲んでいたともいわれる。  江戸期の俳人上島鬼貫の『鬼貫句選』では、「眞砂はその白玉にうるほひ、御池は水の面青み立て、底おぼつかなくすごし。雜『 ちはやぶる苔のはへたる神鱣(ウナギ...

駒門風穴の写真

駒門風穴 ( 静岡県 御殿場市 )

JR御殿場線富士岡駅の西南約1kmにある。富士山東南麓にある、約1万年前に富士山頂の火口から噴出した三島溶岩流の中に形づくられた溶岩洞穴*1の一つ。富士山周辺で発見されている溶岩洞窟としては、もっとも古く規模が大きい。  内部は横穴で途中から2道に分かれ、本穴は243m、枝穴は105mで入口部分の天井高は20mほど、洞穴内でも3m以上の...

浜岡砂丘の写真

写真提供:御前崎市

浜岡砂丘 ( 静岡県 御前崎市 )

御前崎から天竜川の河口まで約30kmにおよぶ遠州灘沿いの海岸線は南遠大砂丘と呼ばれ、そのなかで代表的な砂丘の1つが浜岡砂丘である。この砂丘ができたのは今から3,000~4,000年前、天竜川から吐き出されたおびただしい流砂が遠州灘の荒波によって運ばれ、さらに強い季節風によって陸地に吹き上げられたためという。  砂の色は白に近く、...

新居関跡の写真

新居関跡 ( 静岡県 湖西市 )

JR東海道本線新居町駅から西へ800mのところにある。箱根の関とともに東海道の重要な関所であり、当時の建物が現存する全国唯一の関所跡である。1600(慶長5)年に徳川家康により設置され、当初は今切(遠州灘の浜名湖開口部)近くにあったため、今切関*1と呼ばれ、1707(宝永4)年の大地震の翌年に二度目の移転で現在地へ移った。関所の敷地...

掛川城の写真

掛川城 ( 静岡県 掛川市 )

JR東海道本線・東海道新幹線掛川駅の北700mにある。もともとの城は、15世紀の終わりごろに今川家の重臣朝比奈泰熈によって、現在の掛川*1城跡から北東500mほどにある掛川古城に築かれたが、16世紀の初め頃*2、現在地に移り、築城した。   1569(永禄12)年に武田信玄に追われた今川氏真が朝比奈氏を頼り掛川城に立てこもったものの、包囲...

掛川大祭の写真

写真提供:掛川市

掛川大祭 ( 静岡県 掛川市 )

3年に1度*1、干支の丑、辰、未、戌にあたる年の10月上旬に4日間にわたり行われる。掛川市内にある7神社(龍尾神社、神明宮、利神社、池辺神社、白山神社、津島神社、貴船神社)の氏子41町が参加する合同祭礼大祭で、約40の山車と龍尾神社の神輿渡御の露払いを務める瓦町の獅子舞「かんからまち」*2、仁藤町の「大獅子」*3、掛川宿当時を偲ぶ...

三熊野神社大祭の写真

写真提供:掛川市

三熊野神社大祭 ( 静岡県 掛川市 )

JR東海道本線・東海道新幹線掛川駅から南へ約10km、江戸時代は横須賀藩の城下町だった横須賀に三熊野神社*1がある。三熊野神社の創建は701(大宝元)年といわれ、神事祭礼は熊野信仰にしたがって行われてきた。  江戸時代に入り、踊りを中心とした祭礼も始まったといわれるが、現在の形式の原型が生まれたのは享保年間(1716~1735年)頃だ...

加茂荘花鳥園の写真

写真提供:加茂荘花鳥園

加茂荘花鳥園 ( 静岡県 掛川市 )

掛川市街の西郊、天竜浜名湖鉄道原田駅から東へ1.5kmにある。江戸時代からの古い庄屋屋敷*1が里山を背に白い土塀に囲まれて立ち、この屋敷の前庭の約1万m2の敷地には、ハナショウブ他、ハスやサイレンなどが栽培されている。  同屋敷では、花菖蒲は古くから厄除けとして作られていたと伝えられ、明治初期には門前に拡張して花菖...

松崎町のなまこ壁と鏝絵の写真

松崎町のなまこ壁と鏝絵 ( 静岡県 松崎町 )

伊豆西海岸の南部に位置し、駿河湾に面している松崎町*1は、古くから松崎港を中心に栄えていたといわれる。明治期に入ると、繭が早い時期からとれる温暖な土地柄であることから養蚕業が盛んになり、富裕層も増え、瓦葺きの堅牢な建物が求められるようになった。  冬の松崎は駿河湾からの西風が強く防火が欠かせなかったため、壁面に四角い...

河津ザクラの写真

写真提供:河津町

河津ザクラ ( 静岡県 河津町 )

伊豆急行河津駅から南西に約250m、河津川沿いの約3kmの両岸に850本ほどの河津ザクラの並木が続く。河津町全体では約8,000本の河津ザクラが植えられている。  河津ザクラは早咲きサクラで、花は直径約3cm、淡紅色で、葉が展開する前に咲く。果実は径1cmほどの黒紫色の球形。河津ザクラは早咲きオオシマザクラ系とヒカンザクラ系の自然交配種...

爪木崎のスイセンの写真

爪木崎のスイセン ( 静岡県 下田市 )

伊豆急行下田駅から東南へ約6km、須崎半島の東南端に爪木崎がある。須崎半島は長い歴史の中で隆起と海食を繰り返し、4段の隆起海岸段丘となっている。爪木崎付近では、1段目は浜に続く段丘が池の段と呼ばれ、2段目は白い灯台のある台地、3段目が須崎半島自体、4段目は下田市街の東にある寝姿山へと続く。  その爪木崎の先端、2段目の燈台下...

下田公園のアジサイの写真

下田公園のアジサイ ( 静岡県 下田市 )

下田公園は伊豆急下田駅から南へ約1km、小田原北条氏が築城した下田城址*1にある。下田港に臨む小高い丘が自然公園となっており、マツ・サクラ・アジサイ・ツバキ・ツツジの中を散策路が通じている。  とくに6月には園内の斜面に300万輪のアジサイが咲き、「クロジクセイヨウアジサイ」「ウズアジサイ」など100種以上を見ることができる。...

了仙寺の写真

写真提供:了仙寺

了仙寺 ( 静岡県 下田市 )

伊豆急行線伊豆急下田駅から南へ約800mのところにある。開国を求め来航したアメリカのペリー提督との交渉により、1854(嘉永7)年3月に日米和親条約が横浜で締結された。  その後、下田の了仙寺で細則につき折衝がつづき、1854年6月、日米和親条約付録協定として下田条約13カ条が結ばれた。同寺はその後も同条約に基づいて玉泉寺とともに米...

玉泉寺の写真

玉泉寺 ( 静岡県 下田市 )

伊豆急行線伊豆急下田駅から東へ約2km、須崎半島の根元、下田港に面した海岸線から少し入った高台にある。玉泉寺は、1854(嘉永7)年の日米和親条約付録13ヶ条により米国黒船乗員の休息所・埋葬所に指定され、同年、日露和親条約の交渉の場ともなった。  1856(安政3)年には米国使節タウンゼント・ハリスが江戸幕府との折衝の末、通訳官ヒ...

伊豆下田河内温泉の写真

伊豆下田河内温泉 ( 静岡県 下田市 )

伊豆急行線蓮台寺駅から稲生沢川を渡って250mほど、金谷山の麓にある一軒宿の温泉。稲生沢川とすぐ下流で合流する蓮台寺川沿いにある蓮台寺温泉にもほど近い。  一軒宿の「金谷旅館」は1867(慶応3)年の開業*1で、本館は1929(昭和4)年建築の数寄屋造り。天城山の木材を使用した柱など素朴で昔ながらの宿屋建築。大浴場は1915(大正4)年...

修禅寺の写真

修禅寺 ( 静岡県 伊豆市 )

伊豆箱根鉄道修善寺駅から西へ約2.7km、虎渓橋前の石段を上った奥に境内がある。平安時代初期の807(大同2)年に、弘法大師が修行した霊跡と伝わり、江戸中期に編纂された日本の高僧の伝記集「本朝高僧伝」では、弘法大師の弟子、杲隣*1が開山したとの記述もある。  鎌倉期の1275(建治元)年には、鎌倉から中国の高僧蘭渓道隆*2が入山し臨...

修善寺温泉の写真

修善寺温泉 ( 静岡県 伊豆市 )

伊豆箱根鉄道の終点、修善寺駅から西へ約2km、左右から山が迫った桂川の両岸に、大小の旅館がぎっしりと軒を連ねて温泉街を形成している。  修善寺温泉は、約50万年前まで噴火をしていた達磨火山の麓の谷あいを流れる桂川が、達磨火山の下にあった海底火山噴出物の地層に達するまで浸食し、この地層から湧出したものである。このため、温泉...

浄蓮の滝の写真

浄蓮の滝 ( 静岡県 伊豆市 )

伊豆急行線河津駅から国道414号線経由で北西に約21km、湯ケ島温泉*1からは南へ2.3km。狩野川の最上流、伊豆東部火山群に属する鉢窪山と丸山が約1万7000年前の噴火でスコリア丘*2として生成され、その際の溶岩流で形成された茅野台地の溶岩末端崖にできたのが浄蓮の滝である。このため、滝脇の溶岩末端崖には溶岩が冷える際に形成された柱状節...

韮山反射炉の写真

写真提供:伊豆の国市

韮山反射炉 ( 静岡県 伊豆の国市 )

伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅から東へ約1.5kmにある。反射炉*1は韮山の代官・江川太郎左衛門英龍*2が、国防上の必要から幕府に建議進言して、1855(安政2)年に築いた金属溶解炉。当初、建設地は下田港近くに予定されていたが、1854(安政元)年、ペリー艦隊の下田入港により当地で混乱が起き、韮山代官所に近い現在地で着工することになった。蘭...

願成就院の写真

願成就院 ( 静岡県 伊豆の国市 )

伊豆箱根鉄道韮山駅から南に約1.5km、国道136号線沿いにある。1189(文治5)年、源頼朝の奥州進攻にあたり戦勝祈願のため北条時政*1が建立したと、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも記載*2がある古刹。鎌倉時代初期の運慶*3作の阿弥陀如来坐像をはじめ、不動明王、毘沙門天などの仏像群*4が開創とともに奉納されたことが『吾妻鏡』に記されてお...

城ヶ崎海岸の写真

城ヶ崎海岸 ( 静岡県 伊東市 )

伊豆半島の東海岸、半島の付け根にあたる熱海から国道135号線で南へ約35km、北は富戸(ふと)集落の払(はらい)から南は八幡野集落まで、全長約9kmの海岸をいう。約4000年前に大室山が噴火した際、東南及び南に流出した溶岩流によって溶岩台地が生成され、相模灘に向けて舌状に突き出した小半島が形成された。その先端部の溶岩崖は、波の浸...

大室山の写真

大室山 ( 静岡県 伊東市 )

JR伊東線伊東駅の南約8kmにある標高580mの火山。天城火山群の北に位置する伊豆東部火山群の中でも最大のスコリア丘*1である。一木もない草山で、頂上には、約4000年前の噴火でできた直径約300m、深さ70mの火口があり、1周約1kmの遊歩道が整備されている。  遊歩道からの展望は広く、南に大島をはじめとする伊豆七島、北に富士山、さらに箱...

桜えびの料理の写真

写真提供:由比港漁協

桜えびの料理 ( 静岡県 静岡市 )

由比港は、東海道本線、国道1号線、東名高速道路などの大動脈が、北側から迫る山と南側の駿河湾に挟まれた狭隘な海岸線に集まるところに、ひっそりとある。駿河湾でしかとれない桜えび*1の存在は、江戸時代*2から知られていたものの、桜えび漁*3が広まったのは、1894(明治27)年に2艘一組でアジの網引き漁をしていた際に、偶然、網が深く入...

浜松市楽器博物館の写真

写真提供:浜松市楽器博物館

浜松市楽器博物館 ( 静岡県 浜松市 )

JR東海道本線・東海道新幹線浜松駅北口から東へ約500mのところにある。浜松市は世界的な楽器メーカーを含め200社以上の楽器関連会社が集まり、ピアノ、電子オルガンや電子ピアノ、管楽器、ギター、ハーモニカなど様々な楽器が生産されている。  このことから、浜松市が「音楽のまちづくり」の一環として1995(平成7)年に設立した市立の博...

摩訶耶寺の写真

摩訶耶寺 ( 静岡県 浜松市 )

天竜浜名湖鉄道三ケ日駅の北約2kmにある。摩訶耶寺の前身*1は、古くは山岳信仰に結びついた真言密教の道場として、愛知県との県境近くの富幕山に開創された新達寺といわれ、平安時代に、現在地近くの千頭ヶ峯の観音岩と呼ばれる場所に移り、寺号を真萱寺と称していた。  平安時代末期に一条天皇の勅願により現在地へと移り、摩訶耶寺の号を...

久留女木の棚田の写真

写真提供:写真集「井の国 棚田と伝承の里」鈴木一記著より

久留女木の棚田 ( 静岡県 浜松市 )

浜松市の中心街から北へ約30km、三遠南信自動車道浜松いなさ北インターチェンジから北東へ約6km、観音山の南西斜面(標高210~290m)に広がる。総面積約7.7万m2、800枚ほどの棚田は、石積みや土坡(どは)で固められた法面によって、小さく曲線的な田から大きく直線的な田まで様々な形状に区切られている。  久留女木*1の棚田の...

竜ヶ岩洞の写真

写真提供:竜ヶ岩洞

竜ヶ岩洞 ( 静岡県 浜松市 )

天竜浜名湖鉄道金指(かなさし)駅から北西約5kmにある鍾乳洞。標高359mの竜ヶ石山の南麓にあり、総全長約1km、そのうち、一般公開しているのは約400m。  2億5千万年前の地層と言われる秩父古生層の石灰岩地帯にあり、1912(大正元)年から1975(昭和50)年までは中断もあるが石灰岩の採石場として操業していた。1978(昭和53)年から学術...

浜名湖ガーデンパークの写真

浜名湖ガーデンパーク ( 静岡県 浜松市 )

JR東海道本線・東海道新幹線浜松駅から西に約14km、浜名湖の東岸、庄内半島の先端にある。湖畔の美しい自然の中、開放感あふれる都市公園。入場無料。  2004年に浜名湖花博の会場となった所で、56万m2の広大な園内には、緑地広場などがある「西側エリア」、水遊び広場や屋外ステージ、展望塔、体験学習館、中央芝生広場などがあ...

安倍の大滝の写真

安倍の大滝 ( 静岡県 静岡市 )

JR東海道本線・東海道新幹線静岡駅から北へ約45kmの梅ケ島温泉*1から3つの吊橋を渡り、沢づたいの山道を約1.2kmたどると目前に現われる。高さは約90m、幅は4mほど。安倍川の源流を構成している沢の上流にあたる。

大谷崩の写真

大谷崩 ( 静岡県 静岡市 )

静岡市の最北、山梨県境にあるのが標高1,999.7mの大谷嶺(おおやれい)。この山の南斜面には山体崩壊で形成された大谷崩れ(おおやくずれ)があり、日本三大崩れ*1のひとつといわれる。  山体崩壊のあった北側尾根上には線状凹地*2が発達し、緩やかな稜線を作っている。この山体崩壊は宝永地震*3(1707年)によってできたと記録されており...

島田大祭(帯まつり)の写真

島田大祭(帯まつり) ( 静岡県 島田市 )

JR東海道本線島田駅から北へ500mほどのところにある大井神社の例祭。3年に1度(干支で寅・巳・申・亥の年)、10月中旬に3日間にわたり開催される。大井神社は大井川鎮護や安産の神として、島田宿で古くから崇敬されている。  1695(元禄8)年から下島にあった元の社地(現在の御仮屋町)*1へ神輿渡御が行われることになり、現在の形式の神...