静岡県
印刷する東海道新幹線、JR東海道本線、東名高速道路が通じる。太平洋側に国道1号、150号、内陸部では東西に国道362号、南北に国道52号、473号、152号が通り、伊豆半島沿岸部を国道135号、136号、内陸部を414号が通る。この他、JR身延線や私鉄(伊豆急行線、伊豆箱根鉄道、岳南電車、静岡鉄道、大井川鉄道、天竜浜名湖鉄道、遠州鉄道)が走る。
東海地方東部に位置し、南側は遠州灘・駿河湾・相模灘に沿った約500kmの海岸線、北側は富士山など3000m級の山々からなる北部山岳地帯となり、東西に長い地形を囲む。山地から流れ出た川が天竜川、大井川、富士川となって県土を縦断し、海岸に注ぐ河口部に肥沃な土地を形成している。富士火山帯には富士山、天城山、達磨山などの火山が散在し、温泉が湧く。伊豆半島と御前崎にいだかれて駿河湾があり、御前崎から遠州灘沿いの海岸には砂丘が続き、その内陸に有度山、小笠山、牧之原、三方原、磐田原の洪積台地がある。
7世紀末に遠江、駿河、伊豆の3国が確定。中世には足利、今川、北条氏などが勢力を争った。江戸時代には幕府の直轄地、旗本の知行地、諸大名の領地などが複雑にいりくんでいた地域で、徳川家康は天下統一後に駿府 (現静岡市) に隠居した。江戸時代には東海道五十三次のうち 22宿が設けられ、新居には関所もおかれた。1871年(明治4) 廃藩置県によって静岡、足柄、堀江のち浜松県(遠江)に区分され,1876年(明治9)に足柄県廃止により伊豆を静岡が編入、さらに浜松と静岡が合併し静岡県となる。1878年(明治11)に伊豆七島を東京府へ移管して現在の県域となる。
農業では牧之原台地を中心とした茶、山地の斜面を利用したミカン、温暖な気候を利用したイチゴ、メロン、キヌサヤエンドウ、花卉などが代表的な産物。京浜、中京の工業地帯を結ぶ東海工業地域で、岳南地区の製紙、化学、機械、静岡・清水の食品、家具、浜松の楽器、オートバイの生産が盛んだったが、電気機械器具製造業の伸びが著しい。焼津、清水を中心に水産業も活発で、カツオ、マグロなどの遠洋漁業の基地となっている。大井川下流の吉田町付近と浜名湖はウナギの養殖場として有名。
富士箱根伊豆、南アルプスの両国立公園、天竜奥三河国定公園がある。また、世界遺産として「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」と「明治日本の産業革命遺産」のひとつである韮山反射炉がある。国宝建築の久能山東照宮、国の名勝の富士山、伊豆西南海岸、白糸の滝、日本平、三保の松原などがあるほか、特別天然記念物の湧玉池、狩宿の下馬ザクラ、重要伝統的建造物群保存地区の花沢、特別史跡の遠江国分寺跡、登呂遺跡、新居関跡などのほか、国定公園、県立自然公園や動植物園、海のめぐみをいかした観光施設や景観、多数の火山により湧出する県内各所にある温泉など、多くの観光資源がある。近年は多彩な食材と、自然や景観、歴史、文化等の観光資源を融合させた「ガストロノミーツーリズム」を推進している。