森町は、県西部にある。北東は島田市、南東は掛川市、南は袋井市、北西は浜松市、南西は磐田市と接している。
 天竜浜名湖鉄道が通じるほか、新東名高速道路森掛川インターチェンジ、遠州森町スマートインターチェンジがある。
 町域の北、東、西の三方を春野山地が囲み、中央部を太田川が南流し、このほかに8本の二級河川と18本の準用河川が流れており、町の北西部を流れる河川の一部が天竜川流域となっているほかは、大半が太田川流域に含まれる。中部の太田川沿いには市街地、平野、丘陵地が形成されており、平坦地には水田等が、傾斜が緩やかな山地や丘陵地の一部には茶畑が分布している。樹林地はスギ、ヒノキ、アカマツ等の植林地が大部分を占め、広葉樹林が、三倉川や吉川流域の狭い谷底低地と崖錘がある中小起伏山地の北部に点在している。
 1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)4村、1956年(昭和31)三倉村と原泉村の一部を編入。中心の森地区は江戸時代には信州街道と秋葉神社への表街道の宿場町として繁栄。また、近世には大石屋や山中屋をはじめとする数十軒の古着を扱う商家があり、古着の町として全国古着市場の相場を左右していたといわれ、当時の商圏は東北地方へも及んだ。大正時代に本町を訪れた地理学者の志賀重昴は当町を「小京都」と称し、以来、遠州の小京都とよばれるようになった。
 後背の山間部から産出する木材、薪炭、シイタケ、茶などの集散地で、とくに茶は「遠州森の銘茶」で知られる。また、次郎ガキ発祥の地で、カキ・メロン栽培や、水田裏作のレタス生産が盛ん。在来の遠州瓦、森山焼などのほかに計器・刃物工業の進出も目立つ。1995年(平成7)には森北戸綿工業団地が完成した。
 陶芸や和紙づくりなどが体験できる「森町体験の里アクティ森」、塩の道を整備した「戦国夢街道ハイキングコース」、旧郡役所の建物を利用した歴史民俗資料館がある。亀久保の友田家住宅は国指定重要文化財。「遠江森町の舞楽」は国の重要無形民俗文化財、次郎ガキ原木は県天然記念物。このほか、小国神社、浪曲で有名な「森の石松」の墓がある大洞院などがある。

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小國神社の写真

写真提供:小國神社

小國神社 (静岡県 森町 )

天竜浜名湖鉄道遠江一宮駅から北へ4km、森町の西南部、宮川を遡った比較的開けた谷あいにある。『延喜式』にその名はあり、遠江国一宮である。創祀*1は不詳だが、1680(延宝8)年の社記によれば、555(欽明天皇16)年に、現在の本殿より6kmほど北にある本宮峯(本宮山)*2に神霊を奉斎し、後に勅命により現在地に社殿が造営されたとしている...