河津ザクラかわづざくら

伊豆急行河津駅から南西に約250m、河津川沿いの約3kmの両岸に850本ほどの河津ザクラの並木が続く。河津町全体では約8,000本の河津ザクラが植えられている。
 河津ザクラは早咲きサクラで、花は直径約3cm、淡紅色で、葉が展開する前に咲く。果実は径1cmほどの黒紫色の球形。河津ザクラは早咲きオオシマザクラ系とヒカンザクラ系の自然交配種と推定されている。
 原木*1は1955(昭和30)年頃に河津町田中で発見され、その後、移植し増殖させた。1974(昭和49)年にカワヅザクラ(河津桜)と命名され、1975(昭和50)年には河津町の木に指定された。
 この地が温暖な気候であることから2月上旬頃に開花し1ヶ月ほど咲き誇り、開花期間中には河津桜まつりも開催され、夜桜のライトアップなども行われる。
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みどころ

ソメイヨシノのほんのりとしたピンクの花に対し、くっきりとした淡紅色で、早咲きのサクラとしていかにも春を呼び込む色調だ。3kmに及ぶ河津川河畔は、満開時にはその明るい色調が溢れんばかりで見事。夜桜のライトアップも映える。
 また、「来宮橋」から「荒倉橋」までの川堤「菜の花ロード」にはナノハナが植えられ、河津ザクラの濃いピンクと菜の花の黄色とのコントラストが美しい。
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補足情報

*1 原木:河津駅から天城山に向かって1.2kmほどの個人宅飯田氏邸の前庭に植えられている。樹高約10m、幹周約1.2m。見学可。この原木から増殖させた河津ザクラを町全体に広め、町民の協力のもとサクラの名所として育ててきた。これが全国各地でのサクラ名所づくりによる観光振興の嚆矢となった。