熱海梅園あたみばいえん

JR東海道本線・東海道新幹線熱海駅から西へ約2km、丹那トンネル熱海口近くのゆるやかな山間に位置し、広さは44,000m2。1886(明治19)年、横浜の豪商茂木惣兵衛の出資により造られた歴史ある梅園で、現在は熱海市が管理している。
 初川の渓流をはさんで、樹齢100年を越える古木を含め、60品種・469本の梅が咲き誇り、そのなかには、年末から咲き始め、梅まつり期間に見ごろを迎える早咲きの梅もある。梅以外にカエデ類約380本、松をはじめ、ツツジ、マンサク、ヒメサザンカ、カンツバキなど多種多様な植物が植えられ、園内には梅見の滝、韓国庭園、澤田政廣記念美術館*1、中山晋平記念館*2もある。
 1月上旬から3月上旬には梅まつり*3、11月上旬から12月上旬にはもみじ祭りが開催される。
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みどころ

1906(明治39)年に出版された『静岡県名勝誌』では「熱海八景」のひとつとして「梅園の春暁」が紹介され、「土地幽邃苔青ふして、路滑かなり、梅樹数百株を栽ゆ花時に至れは百花妍を争ふ然れとも淑々として騒がず徐に、幽香を発つ、一たび樹下を過れば、衣袖悉く馨しくさらんと欲するも去るを能はず、恍乎として止まるもの之を久ふす、庭上飛泉あり花卉を以て彩す」と賞賛している。2007年よりリニューアルを行い、梅園の活性化を目指し、歩きやすく、観賞しやすい庭園づくりに努めている。
 当地が温暖な気候であるためか、12月に入っても紅葉を楽しむことができる。また、毎年11月下旬から12月上旬、早ければ11月上旬頃に早咲きの梅の初開花を皮切りに、中咲き、遅咲きと順番に開花していくことで、長期間梅の花を楽しむこともできる。紅葉から梅への移り変わりが、熱海に春を告げてくれる。
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補足情報

*1 澤田政廣記念美術館:熱海出身の彫刻家澤田政廣の彫刻、絵画、コレクションなどが展示されている。澤田政廣は文化勲章受章者。高村光雲の高弟山本瑞雲(やまもとずいうん)に師事した。生没年は1894(明治27)~1988(昭和63)年。
*2 中山晋平記念館:大正初期から昭和前半期にかけ大衆音楽の普及に貢献した作曲家中山晋平の別荘を市内西山町より移築し、一般公開している。館内には作曲に使用したピアノや直筆の譜面、当時のレコードなどが展示されている。中山晋平は1944(昭和19)年、東京都中野区より熱海市に移住し、亡くなるまで居住していた。生没年は1887(明治20)年~1952(昭和27)年。作品には「ゴンドラの唄」「兎のダンス」「証城寺の狸囃子」「雨降りお月さん」などがある。
*3 梅まつり期間中の入園は有料。

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