三島市は、県東部、伊豆半島の基部に位置する。北は裾野市、北東は神奈川県箱根町、東から南は函南町、南は裾野市、西は清水町、長泉町と接している。
 JR東海道本線、同新幹線、伊豆箱根鉄道が通じ、国道1号が東西に、伊豆縦貫自動車道、国道136号が南北に通じる。
 箱根を中心とする地域の西入口にあたる地域。市域の北東部は箱根連山の西側斜面にあたり、西部は黄瀬川がながれて市街地が発達、南は田方平野に連なる。富士山噴火で流れ出た溶岩流の最末端にあたり、溶岩流の間を流れ出てくる富士山の伏流水が市内の随所に泉や池をつくり、「東海の水の都」とよばれる。静岡県東部火山帯の中央にあたり、多くの火山が並行し、火山群の間の沖積層を狩野川が流れる。また、箱根火山の噴出物が東部高地でみられるほか、湯河原火山の噴出物が三ツ谷・塚原周辺で、西部の高地では愛鷹火山の噴出物が見られる。1936年(昭和11)、富士箱根国立公園が誕生、1955年(昭和30)これに伊豆半島が加えられ、新たに富士箱根伊豆国立公園となった。
 1941年(昭和16)市制施行。1954年(昭和29)中郷村を編入。古代、伊豆国国府の所在地として地方行政の中心地で、初め国府と称したが、三嶋大社が南伊豆白浜から移ってからは三島とよばれるようになった。中・近世は三嶋大社の門前町、また東海道の宿場町として繁栄。1889年(明治22)鉄道敷設に反対したため、東海道本線が御殿場を通るようになると一時さびれたが、1934年(昭和9)丹那トンネルの開通で三島駅ができるとふたたび活況を取り戻し、東海道新幹線三島駅の設置で名実ともに富士箱根伊豆国立公園の玄関口となった。
 火山灰土壌を生かしてハクサイ・ダイコンなどの栽培や、施設園芸、養豚が盛ん。また化学繊維、電気機器、ゴム、製薬などの工場がある。
 国史跡に錦田一里塚、山中城跡、伊豆国分寺塔跡があり、国天然記念物・名勝に楽寿園がある。三嶋大社には梅蒔絵手箱(国宝)をはじめ国重要文化財が多く、キンモクセイは国の天然記念物。三島市郷土資料館、佐野美術館、県総合健康センター等がある。また、日本大学(国際関係学部)、国立遺伝学研究所等のある文教の都市でもある。

観光資源一覧

三嶋大社の写真

三嶋大社 (静岡県 三島市 )

JR東海道本線・新幹線三島駅の南東約1km、木立に囲まれた広い神域をもつ。延喜式にもその名があるものの詳しい縁起は不詳*1であるが、古くから伊豆一宮として広く崇敬を集めた。源頼朝も源氏再興を祈願したといい、頼朝腰掛け石がある。鎌倉期以後、「三嶋大明神」として崇敬された。  本殿・幣殿・拝殿は、1854(嘉永7)年の東海地震で被...

三島のウナギの写真

写真提供:三島市

三島のウナギ (静岡県 三島市 )

三島は、富士山の伏流水、湧水や狩野川支流など豊富な良水に恵まれ、古くからウナギの棲息が確認されてきた。三嶋大社の境内の神池に大量のウナギが棲んでいたともいわれる。  江戸期の俳人上島鬼貫の『鬼貫句選』では、「眞砂はその白玉にうるほひ、御池は水の面青み立て、底おぼつかなくすごし。雜『 ちはやぶる苔のはへたる神鱣(ウナギ...