福島県は、東北地方の南部を占める県。北部は宮城県と山形県、西部は新潟県、南部は関東地方の茨城・栃木・群馬3県に接し、東部は太平洋に臨む。面積1万3782.76km2は北海道、岩手県に次ぎ全国第3位。平成の大合併後の2018年4月現在13市13郡31町15村あり、県庁所在地は福島市。
 中通り地方はJR東北本線、東北新幹線、国道4号、東北縦貫自動車道が縦断し、福島空港がある。浜通り地方では常磐自動車道、東北中央自動車道が通る。港湾は少ないが、国際貿易港としての小名浜港があり、相馬港は重要港湾である。
 県の中央部を南北に走る奥羽山脈と、それに並走する太平洋岸沿いの阿武隈高地によって、県域は東から「浜通り」、「中通り」、「会津」の3地域に大別される。県域の中央にある奥羽山脈の上には吾妻・安達太良連峰、磐梯山、鎌房山などの火山が噴出。標高は1500~2000mで磐梯朝日国立公園の主要部をなしている。東部には低い丘陵地と平均標高約500mの高原からなる阿武隈高地が南北に走り、高地の所々には残丘の大滝根山などが突出する。西部の新潟県境には飯豊山地、越後山脈が走り、越後山脈は県内最高峰の燧ヶ岳(2356m)があり、越後山脈の一部と田子倉湖周辺は越後三山只見国定公園域に、また燧ヶ岳とその南麓から西方に広がる尾瀬ヶ原・尾瀬沼は尾瀬国立公園に指定されている。平地は太平洋岸に沿う浜通り低地帯、阿武隈川河谷の白河から福島に至る諸盆地と久慈川の谷底平野を含む中通り低地帯、会津平と猪苗代湖をめぐる湖岸平野がある。海岸線は単調だが、北部には砂浜海岸と潟湖の松川浦があり、南部の磐城海岸は小湾入と砂浜海岸が交錯、中部の双葉海岸では海食が進み、急崖をなす。県立自然公園には磐城海岸、奥久慈、霞ヶ城、南湖、霊山、只見柳津、勿来、松川浦、阿武隈高原中部、大川羽鳥、夏井川渓谷がある。
 現在の福島県には幕末に、親藩かつ雄藩だった会津藩(23万石)があったが、他は親藩・譜代・外様の10万石に満たない多数の藩に分かれていた。廃藩置県後の紆余曲折の後、1876年(明治9年)に「会津」の前身にあたる若松県、「中通り」の前身にあたる福島県(1876年以前)、「浜通り」の前身にあたる磐前県の計3県の合併によって当県が成立。県名の福島は3県合併によって県庁所在地となった福島町(現・福島市)からとったもの。また「福島」の名は、福島城として使われたのが最初とされる。なお、「会津地方」の名称は、崇神天皇が北陸道に遣わした大彦命と東海道に遣わした建沼河別命が、日本海側と太平洋側から遠征して出会ったのが相津だったという記述があり、この相津が後に会津と表記されるようになった説が有力。「中通り地方」は中山道に由来し、「浜通り地方」は陸前浜街道に由来する。江戸時代を通じて支配関係が複雑であったことは、県内に一つのまとまった社会と文化の形成を妨げ、その影響は現在にまで及んでいるが、一方で封建領主による支配と規制がたび重なる交替のために十分に徹底せず、近代になってからの産業発達にとって好条件となった側面を持ち合わせている
 特産品として果樹・野菜・工芸作物、肉用牛農家、花卉・花木がある。会津地区の平坦地は稲作中心で、磐梯高原や南会津の高冷地ではダイコン栽培などが盛ん。福島地区の果樹、阿武隈高地中部の葉タバコ、郡山地区南部のキュウリ、白河地区東部久慈川流域のコンニャクイモ栽培等がみられるほか、阿武隈高地や甲子高原では広く畜産がみられる。かつては養蚕が盛んだったが近年急速に衰退。伝統産業は、会津若松市の漆器と清酒、喜多方市や三島町の桐下駄、会津本郷町・相馬市・浪江町の陶器、川俣町・福島市飯野町地区の織物、二本松市の家具などがあげられる。相馬駒焼はいまでも登窯を用いており、伝統を重んじている。ほかに三春人形、白河だるま、土湯こけしなどの民芸品もある。この他、水産業では小名浜港が知られるのみ。鉱業では石灰石鉱山やタングステン鉱山などがわずかに稼働。工業では情報通信機器、電子部品・デバイス、食料品などの工場が稼働している。
 3方部・7つのエリアに分かれ、それぞれに特徴的な文化や風土が魅力。福島県西部一帯を占め、豊かな自然と歴史に抱かれた「会津地方」は、尾瀬国立公園、磐梯朝日国立公園を有する自然豊かなエリア。裏磐梯の湖沼群や福島県のシンボル猪苗代湖と磐梯山、高山植物の宝庫尾瀬など見どころがある他、城下町の会津若松や大内宿に代表される歴史ある街なみも点在する。県中央部、奥羽山脈と阿武隈山地にはさまれた「中通り」は、四季折々の花と果物が魅力「福島の桃源郷」とも呼ばれる花見山や日本三大桜の一つに数えられる三春滝桜など多くの花の名所があり、『花街道』とも称されている。また豊富な湯量の温泉や魅力的な観光スポットが点在し、福島の観光拠点として注目されている。県の東側、太平洋に面した温暖な気候の「浜通り」は、一年を通して温暖な気候が特徴。環境水族館アクアマリンふくしまやスパリゾートハワイアンズなどを有するいわきエリアと、千年以上の歴史を持つ勇壮な祭り・相馬野馬追が見どころの相双エリアがある。また、震災で被害を受けた地域では産業創造を推進する施設が相次いで完成している。

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福島県内の資源一覧

飯豊山(飯豊連峰)の写真

飯豊山(飯豊連峰) ( 山形県 小国町 / 福島県 / 新潟県 阿賀町 )

山形、福島、新潟の3県にまたがる飯豊連峰の総称。標高2,128mの大日岳を最高峰に、飯豊本山とも呼ばれる飯豊山(標高2,105m)など、2,000m級の山々*が約20kmにわたって連なる。花崗岩と中古生層から成る褶曲山地で、氷河地形、周氷河地形及び雪食地形*が見られ、稜線の東西で地形が大きく異なる非対称山稜を形成している。植生も雪田群落な...

燧ヶ岳の写真

写真提供:尾瀬檜枝岐温泉観光協会 

燧ヶ岳 ( 福島県 檜枝岐村 )

尾瀬沼の北にそびえる山で、尾瀬ヶ原・尾瀬沼の原型をつくり出した火山である。花崗岩を基盤として北は成層火山、南は小さい火口湖を抱く鐘状火山の様相を示しており、山頂は三角点のある爼嵓(まないたぐら)、最高峰(標高2,356m)の柴安嵓(しばやすぐら)、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5峰からなっている。  登山道はブナ・オオシ...

会津駒ケ岳の写真

写真提供:尾瀬檜枝岐温泉観光協会 

会津駒ケ岳 ( 福島県 檜枝岐村 )

檜枝岐村の北西にある会津駒ケ岳*は標高2,133m。隆起平原が浸食されて生成された山なので、麓から尾根に向かい急坂が続くが、山頂部や尾根筋は平たん部も多く残されている。雪解け後には山頂付近に駒ノ大池が現れ、中門岳に伸びる稜線には池塘が点在し、7月上~中旬にかけハクサンコザクラなどの高山植物が咲く。頂上付近には北方的なオオシ...

平滑ノ滝の写真

写真提供:尾瀬檜枝岐温泉観光協会 

平滑ノ滝 ( 福島県 檜枝岐村 )

只見川にかかる長さ500mほどの花崗岩の岩盤を滑り流れる滝で、滝というよりも長尺な早瀬とも見える。滝の展望台は高い位置にあるため、全体像はとらえにくい。  滝の展望台へは、尾瀬ヶ原の東端、燧ヶ岳の裾にある見晴から湿原と針葉樹林の森を出入りしながら木道を進み赤田代分岐へ、さらに赤田代を経て広葉樹の森の中を下れば展望台。見...

三条ノ滝の写真

写真提供:尾瀬檜枝岐温泉観光協会 

三条ノ滝 ( 福島県 檜枝岐村 )

平滑ノ滝の約1km下流にある。檜枝岐側の御池からは上田代、兎田代分岐を経て展望台まで7kmあまり。尾瀬ケ原を流れるヨッピ川、沼尻川などを集めた只見川の上流にある。豊富な水を、高さ100m、幅30mで一気に落とし込む豪壮な滝である。水量が減少する時期には三筋に分かれて落下するのでこの名がある。滝は登山道から少し下ったところにある展...

柳津七日堂裸詣りの写真

写真提供:柳津観光協会

柳津七日堂裸詣り ( 福島県 柳津町 )

毎年正月7日午後8時30分*、一番鐘を合図に、福満虚空蔵尊(圓藏寺)の菊光堂(当日は七日堂と呼ぶ)を目指し下帯姿の男衆が石段を駆け上がり、手水鉢の水で身を浄め、先を争って堂内に下げられた金属製の音響具「鰐口(わにぐち)」の5mほどの太い打ち綱をよじ登る祭り。正式には牛王祭と呼ぶ。  宝珠を奪おうとした只見川の龍神を村人が...

桧原湖の写真

桧原湖 ( 福島県 北塩原村 )

猪苗代湖の北、会津若松の市街の北東に聳える磐梯山の北麓には、磐梯高原あるいは裏磐梯と呼ばれる高原地帯におよそ300の湖沼群が点在する。そのなかで最大の湖が、周囲約37.5kmの桧原湖で、水面標高は819m、最大深度は約31m。湖岸線は複雑に入り組み、南北約18km、東西約1kmの細長い形をしている。1888(明治21)年の噴火*によって磐梯山の...

小野川湖の写真

小野川湖 ( 福島県 北塩原村 )

猪苗代湖の北、会津若松の市街の北東に聳える磐梯山の北麓には、磐梯高原あるいは裏磐梯と呼ばれる高原地帯におよそ300の湖沼群が点在する。そのなかで3番目の大きさの湖が小野川湖である。東側に桧原湖、西側に秋元湖があり、水面標高794m、周囲約9.8km、最大深度約22m、北東から南西に約4kmと細長い形をしている。  小野川湖は、1888(明...

秋元湖の写真

秋元湖 ( 福島県 北塩原村 )

猪苗代湖の北、会津若松の市街の北東に聳える磐梯山の北麓には、磐梯高原あるいは裏磐梯と呼ばれる高原地帯におよそ300の湖沼群が点在する。そのなかで秋元湖は周囲約19.8kmと2番目の大きさの湖。水面標高736m、最大深度約34mで東西に細長い形をしている。秋元湖は、1888(明治21)年の噴火*で小磐梯という磐梯山の北側の山が山体崩壊し、吾...

野口英世記念館の写真

写真提供:公益財団法人野口英世記念会

野口英世記念館 ( 福島県 猪苗代町 )

JR磐越西線猪苗代駅から南西に約3.5km、猪苗代湖北岸に近い国道49号線沿いにある。世界的な医学者野口英世*の偉業を記念してその生誕地に設けられたもので、生家と記念館が建っている。生家は1823(文政6)年に建てられたもので、野口英世は16歳まで過ごした。  野口英世の死後の1929(昭和4)年に、保存、公開が決定し、現在は大きな覆屋...

吾妻連峰の写真

写真提供:福島市商工観光部観光交流推進室

吾妻連峰 ( 福島県 北塩原村 / 山形県 米沢市 )

福島市の西部から山形県境に広がる山塊で、最高峰2,035mの西吾妻山(にしあづまやま)をもつ西吾妻と、東大巓などの中吾妻、いまだに噴煙をあげる一切経山(いつさいきようざん)を含む東吾妻に大別され、火山群としても東吾妻火山、中吾妻火山、西吾妻火山の3つにくくることができ、東西20km、南北12kmの200km2を超える広大な面...

雄国沼湿原の写真

雄国沼湿原 ( 福島県 北塩原村 )

磐梯山の西にそびえる猫魔ガ岳(標高1,404m)・厩岳山(同1,261m)・古城ガ峰(同1,288m)・雄国山(同1,271m)など、猫魔火山の外輪山に囲まれて雄国沼*があり、沼の西岸から南岸にかけては、周囲の山からの流水、湧水によって、排水の悪い緩傾斜に谷湿原が発達している。これが雄国沼湿原である。とくに南岸は水辺から500~600mの幅で広が...

五色沼の写真

五色沼 ( 福島県 北塩原村 )

桧原湖南端のバス停磐梯高原駅から秋元湖寄りの裏磐梯ビジターセンター*(バス停五色沼入口)までの3.6kmの探勝路周辺に散在する大小30余りの沼を総称して五色沼湖沼群という。探勝路からは10数個の湖沼が観察できる。  この湖沼群は1888(明治21)年の噴火*で磐梯山北側の山、小磐梯の山体崩壊により、岩屑雪崩が生じ、長瀬川とその支流...

花見山公園の写真

写真提供:一般社団法人 福島市観光コンベンション協会

花見山公園 ( 福島県 福島市 )

JR東北本線・東北新幹線福島駅から東南へ直線距離で約3.4km、標高180mほどの山を花木で埋め尽くした個人所有の公園。  この公園は、1935(昭和10)年ごろから山の所有者である阿部家が開墾し、出荷用の花卉(かき)生産のためにウメやサクラなどの花木を植えたことに始まる。その後も家族で営々と花木を植え育て続け、山全体が花の山となっ...

高湯温泉の写真

写真提供:高湯温泉観光協会

高湯温泉 ( 福島県 福島市 )

JR東北本線・東北新幹線福島駅から西へ約16km、吾妻山の北東山腹、標高750mにあり、磐梯吾妻スカイライン北入口にあたる。9つの源泉を引き湯した6軒ほどの旅館が、道路沿いに緑に埋もれるように点在する。  開湯は江戸時代初期慶長年間(1596~1615年)*といわれ、古くから湯治場として知られてきた。現在も自然湧出している源泉をアカマ...

史跡慧日寺跡の写真

史跡慧日寺跡 ( 福島県 磐梯町 )

JR磐越西線磐梯町駅北約1.5km、磐梯山へ連なる山並みの山裾にある。平安時代初期に徳一*が開いた慧日寺は、江戸後期の『新編会津風土記』によると、「徳一當寺ニスミセシヨリ以來相續テ寺門益繁榮シ子院モ三千八百坊ニ及ヒ數里ノ間ハ堂塔軒ヲ比シ」たという。徳一は南都仏教の法相宗の出身だが、同寺は山岳信仰と密接な関係があり、磐梯山を...

白河関跡の写真

写真提供:白河市役所

白河関跡 ( 福島県 白河市 )

白河関跡は、JR東北本線白河駅から南へ約12kmの山間に位置している。栃木県境からは約3km北の地点に、南北約300m、東西250mほどの小高い丘があり、丘の上にはこんもりとした木立の中に白河神社が鎮座し、周囲には中世に城館として使われた際のものと考えられる空堀や土塁がみられる。  古代の白河は、陸奥国の南端に位置し、南側は下野国・...

小峰城跡の写真

写真提供:白河市役所

小峰城跡 ( 福島県 白河市 )

JR東北本線白河駅の北側約500mに位置する。小峰ヶ岡と呼ばれる標高約370m、東西約450m、南北約80mの丘陵を利用した悌郭式平山城(ていかくしきひらやまじろ)である。丘陵の西端に本丸を設け、本丸の東側と南側に二之丸や三之丸などの曲輪を階段状に配置する。曲輪の周囲には石垣や堀が設けられ、全体としては五角形のような形状をした城郭...

南湖公園の写真

写真提供:白河市役所

南湖公園 ( 福島県 白河市 )

南湖公園は、JR東北本線白河駅の南2.5kmにある。南湖は、天明の飢饉ののち、白河藩主松平定信*が1801(享和元)年に完成させた周囲約2kmの湖で、湖畔にサクラ・カエデ・マツなどを植え、「士民共楽」という理念のもと身分を問わず親しめる場所とした。文化年間(1804~1818年)には、「関の湖」、「共楽亭」、「千代松原」など南湖十七景*...

二本松城跡(福島県立霞ヶ城公園)の写真

二本松城跡(福島県立霞ヶ城公園) ( 福島県 二本松市 )

JR東北本線二本松駅の北約2km、安達太良山系の裾野に位置する白旗ケ峰(標高345m)の頂上から麓にかけて城跡が残っている。霞ヶ城とも呼ばれる。南・西・北は丘陵に囲まれ、東に向け少し開けた地形となっている。  1414(応永21)年に奥州管領畠山国氏の孫満泰が、この地を本拠地としたのが始まりとされ、1586(天正14)年まで畠山氏の居城...

二本松の提灯祭りの写真

二本松の提灯祭り ( 福島県 二本松市 )

JR東北本線二本松駅の北へ100mほどのところにある二本松神社*の秋の例大祭。現在は、10月第1土曜日から3日間*行われる。  初日の宵祭りは、氏子七町(若宮、松岡、本町、亀谷、竹田、根崎、郭内)から提灯を満艦飾につけた7台の太鼓台が繰り出し、二本松神社の御神火が紅提灯に移されるところからはじまる。太鼓台は、町組よって多少異な...

田代山湿原の写真

写真提供:南会津町

田代山湿原 ( 福島県 南会津町 )

田代山は福島県南部、栃木県境にある標高1,926mの山で、台地状の頂上部に湿原が広がる。田代山は数百万年前に生成された火砕流台地*といわれている。台地面は南西から北東に向け長い楕円形をしており、その直径は長い方が約800m、短い方が約350mである。  湿原の標高は約1,920~1,970mであり、北東方向に緩く傾いた傾斜湿原となっている。...

田島衹園祭の写真

写真提供:南会津町

田島衹園祭 ( 福島県 南会津町 )

会津鉄道会津田島駅から北へ約500mにある田出宇賀(たでうが)*、熊野両神社の例大祭で、毎年7月22日、23日、24日の3日間開催される。  田島衹園祭の淵源については、この地方が文治年間(1185~1190年)頃から下野に本拠地を置く長沼氏の支配下に入り、その長沼氏の守護神が牛頭天王(衹園信仰)だったため居城の鴫山城の守護神として祀...

前沢の町並みの写真

前沢の町並み ( 福島県 南会津町 )

会津鉄道会津高原尾瀬口駅から国道352号線を西に向かって約22kmのところにある。前沢集落は、現在の金山町横田(JR只見線会津横田駅付近)に本拠地があった山内氏勝が1590(天正18)年に伊達政宗勢との戦い敗れ越後に去ったのに伴い、その家臣であった小勝入道沢西が文禄年間(1592~1595年)にこの地に移り住んだのが始まりという。このため...

檜枝岐歌舞伎の写真

写真提供:尾瀬檜枝岐温泉観光協会 

檜枝岐歌舞伎 ( 福島県 檜枝岐村 )

 檜枝岐での歌舞伎興行は、1743(寛保3)年に購入された浄瑠璃本が残されており、1810(文化7)年の絵図に舞台が描き込まれ、1846(弘化3)年に歌舞伎衣装の借用の記録があるため、江戸後期から盛んになったとされる。現在も、地元民が伝統を継承するため「千葉之家花駒座」*の名で伝承、上演活動を行っている。  檜枝岐の舞台での歌舞伎...

木賊温泉の写真

写真提供:南会津町

木賊温泉 ( 福島県 南会津町 )

会津鉄道会津高原尾瀬口駅から桧枝岐方面に向かい約30km、西根川の渓谷に数軒の宿泊施設*と共同浴場がある。標高は900mほどあり、湯治のほか渓流釣り、登山基地として利用されている。  共同浴場の露天「岩風呂」*は、道路面から急坂の小道を西根川の渓流に下った河原にへばりつくようにある。湯船は2つあり、大きな岩盤をくり抜いて造っ...

駒止湿原の写真

写真提供:南会津町

駒止湿原 ( 福島県 昭和村 / 福島県 南会津町 )

会津鉄道会津田島駅から国道289号線で西へ約10kmの針生地区から町道に入り、さらに北西に7kmほど進むと、福島県大沼郡と南会津郡の郡境が接する分水嶺地域に広がっている。標高1,135mの駒止峠の北側一帯の沢には寒地性の低層・中間・高層の3段階の湿原群*が発達し、学術的に貴重なものとされている。国の天然記念物指定保護区域で面積はおよ...

入水鍾乳洞の写真

写真提供:入水鍾乳洞

入水鍾乳洞 ( 福島県 田村市 )

JR磐越東線菅谷駅の東約2km、仙台平台地西麓の標高540~600mのところに開口する全長約900mの鍾乳洞である。1927~29(昭和2~4)年にかけて発見されたもので、内部は長さ約600mの第1洞、約300mの第2洞に分かれている。この洞は、仙台平上部に散在するドリーネ*から流れこんだ地下水が、石灰岩を浸食しながら形成したもの。洞内の温度は気温1...

あぶくま洞の写真

写真提供:あぶくま洞管理事務所

あぶくま洞 ( 福島県 田村市 )

JR磐越東線神俣駅から北東へ約3.5kmにあり、1969(昭和44)年に仙台平南麓の石灰石採掘場で発見された鍾乳洞。悠久の時を経て石灰岩と地下水が創り出した洞内は、縦穴、横穴が交錯し合わせて3層の洞穴が重なっており、複雑で立体的な構造をなしている。長さ600mの一般コースとそれに追加の120mほどの探検コースが一般公開されているが、その...

磐梯山の写真

磐梯山 ( 福島県 猪苗代町 / 福島県 磐梯町 / 福島県 北塩原村 )

福島県の中央部、猪苗代湖の北に位置する磐梯山*は、主峰の大磐梯(標高1,816m)、櫛ガ峰(標高1,636m)、赤埴山(標高1,430m)の3つの山体から成る成層火山。山頂部では櫛ヶ峰、赤埴山そして大磐梯に囲まれた標高約1,400mのところに、長径500mほどの低地沼ノ平を抱える。  磐梯山の火山活動の歴史は、約70万年前から開始されたと思われ、...

安達太良連峰の写真

写真提供:二本松市観光連盟

安達太良連峰 ( 福島県 二本松市 / 福島県 猪苗代町 )

二本松市街の西約15kmに位置する安達太良連峰は、吾妻山と土湯峠で分かれて南へ9kmにわたって延びる火山連峰である。乳首山と呼ばれる標高1,700mの安達太良山*を主峰に、南端の和尚山(標高1,601m)、主峰から北に向かって鉄山(標高1,709m)、箕輪山(標高1,728m)、鬼面山(標高1,482m)など200~500mの円錐形をした火山が連なり、主峰の...

天鏡閣の写真

写真提供:国指定重要文化財 天鏡閣 

天鏡閣 ( 福島県 猪苗代町 )

猪苗代湖の北西岸、長浜を見下ろす丘陵に立つ故有栖川宮威仁親王の旧別邸で、八角塔屋(展望室)付ルネッサンス様式風の和洋折衷の2階建洋館。1908(明治41)年の建築。建物の規模は建築面積492m2 、延床面積927m2 、総高17.9mである。皇太子であった嘉仁親王(のちの大正天皇)が「天鏡閣」と命名*した。  各部屋...

只見川の写真

只見川 ( 福島県 只見町 / 福島県 檜枝岐村 / 福島県 三島町 / 福島県 柳津町 / 福島県 会津坂下町 )

福島・群馬県境の尾瀬沼、尾瀬ヶ原に源を発し、山間部を一旦北に流れ、福島県西部では北東に向かい、途中伊南川、野尻川などを合わせ、喜多方市で猪苗代湖から来る日橋川と合流して阿賀川となる全長137kmの川。阿賀川は新潟県に入ると阿賀野川と名を変え日本海に注ぐ。  只見川の上・中流部は深い山間部で上流部の只見町までの 50kmは会津...

相馬野馬追の写真

写真提供:相馬野馬追執行委員会

相馬野馬追 ( 福島県 相馬市 / 福島県 南相馬市 )

「相馬流れ山、習いたかござれ。五月中申(なかのさる)、アノサお野馬追」と民謡「相馬流れ山」にうたわれる相馬地方最大の相馬野馬追は、現在は7月の最終土、日、月曜日に行われる。  起源は平将門*が野馬を狩って妙見宮に献じていたという故事によるといわれ、将門の末裔と伝えられる相馬氏が、1323(元亨3)年に、すでに源頼朝から所領と...

相馬民謡全国大会の写真

写真提供:相馬市ホームページ

相馬民謡全国大会 ( 福島県 相馬市 )

毎年秋に、相馬民謡振興会、相馬市の主催のもと開催されている。  相馬地方の民謡は、藩主相馬氏の影響を受けた勇壮なものと、民謡本来の農民の生活に根ざしたものに分けられる。野馬追の騎馬武者が唄う『相馬流れ山』が前者の代表なら、後者には明るい『相馬盆唄』、哀調を帯びた『新相馬節』がある。関東・東北両方の影響を受け、それを...

須賀川牡丹園の写真

写真提供:公益財団法人須賀川牡丹園保勝会

須賀川牡丹園 ( 福島県 須賀川市 )

JR東北本線須賀川駅の南東3.5kmの国道118号沿いにあり、1766(明和3)年、須賀川の薬種問屋「和泉屋」(伊藤祐倫)が牡丹の根を薬用にするため摂津国(兵庫県)から取り寄せ栽培したのが始まりだといわれる。約10万m2の敷地*はマツ林やケヤキ林に囲まれ、大池、上の池の2つの池があり、その周囲に290種、約7,000株のボタンが植え...

須賀川松明あかしの写真

須賀川松明あかし ( 福島県 須賀川市 )

JR東北本線須賀川駅から南へ約1.2kmの中心街松明通りと隣接する翠ケ丘公園*を中心に、毎年11月第2土曜日に開催される火祭り。  由来について現在は、この地を文安年間(1444~1449年)から統治していた須賀川二階堂氏(行光の系統)の居城須賀川城が、1589(天正17)年、伊達政宗に攻め落とされた際の故事による。江戸後期の『白河風土記...

三春滝ザクラの写真

写真提供:福島県三春町

三春滝ザクラ ( 福島県 三春町 )

JR磐越東線三春駅から南へ約6km、町の中心から南へ4km、滝集落はずれの丘陵の傾斜面に立っている。高さ13.5m、根元回り11.3m、目通り周囲は9.5m、枝の広がりは東西に約25m、南北に約20mに及ぶシダレザクラ*の巨木で、樹齢は1000年以上と推定されている。  開花期は例年4月上旬~中旬で、この期間には夜ザクラのライトアップもある。滝ザ...

越代のサクラの写真

写真提供:古殿町役場

越代のサクラ ( 福島県 古殿町 )

いわき市の西隣、古殿町*の東部、越代地区にあるヤマザクラ。樹齢約400年といわれ、高さ20m、幹周り7.2mもある大木。県道135号沿いの小高い斜面に立ち、大きな枝ぶりを見上げる形になる。花と若葉が同時に開き、花自体は、淡紅色であるが、花柄や葉柄に赤みがあるため、全体としてはソメイヨシノなどにくらべ赤みは強い。  開花期は4月下...

猪苗代湖の写真

猪苗代湖 ( 福島県 郡山市 / 福島県 猪苗代町 / 福島県 会津若松市 )

福島県のほぼ中央部にあり、日本第4位の面積(103.3km2)をもつ淡水湖*で「天鏡湖」とも呼ばれる。磐梯山の麓のおだやかな湖面には、小さな岬や湾入はあるが大きな屈曲はなく、形は卵形に近い。湖に長瀬川が流入する北東部から北岸一帯がやや開けるほかは、山が湖岸に迫っている。北西部から流れ出る日橋川(にっぱしがわ)の水...

うねめまつりの写真

うねめまつり ( 福島県 郡山市 )

毎年8月第1木・金・土の3日間開催される。初日は、市内片平町のうねめ神社で開催される「采女供養祭」や市内西部プラザでは「ちびっこうねめまつり」が実施される。2日目・3日目は郡山駅前で「ミスうねめパレード」や学校や市民団体による「パフォーマンスステージ」、「商店街イベント」などが開催され、多くの市民が訪れる。祭のメインイ...

新宮熊野神社(長床)の写真

新宮熊野神社(長床) ( 福島県 喜多方市 )

JR磐越西線喜多方駅の南西約4kmにある。社伝によると、1055(天喜3)年源頼義、義家*親子が「前九年の役」*で陸奥征討の途中、現在の会津若松市河東町に熊野三社を勧請して創建し、「後三年の役」*で再訪した義家が現在地での造営を命じ、1089(寛治3)年に遷座したと伝えられる。  大イチョウを前にした拝殿は長床*と称し、棟高11.3m...

喜多方蔵のまち並みの写真

写真提供:(一社)喜多方観光物産協会

喜多方蔵のまち並み ( 福島県 喜多方市 )

喜多方市は会津盆地の北部に位置し、豊かな地下水に恵まれ良質な米の産地で、近世以降、酒・味噌・醤油などの醸造業が盛んであった。さらに、漆器などの産地でもあり、定期市が開かれ物産の集散地として栄えた。このため市の中心部を南北に流れる田付川両岸の中心街から山間に至るまで粗(あら)壁・白壁・黒漆喰(しつくい)・煉瓦造などの...

山都そばの写真

写真提供:喜多方市山都総合支所

山都そば ( 福島県 喜多方市 )

JR磐越西線山都駅から北西へ約10km、喜多方市山都町の山懐に入った宮古地区*は古くから良質なソバの産地として知られていた。この良質なソバを活用し、1984(昭和59)年から当時の山都町商工会の主導により「むらおこし」としてブランド化に取り組んだのが「山都そば」である。*  「山都そば」の特色は、製粉の歩溜まりを約70%とし甘皮...

喜多方ラーメンの写真

写真提供:(一社)喜多方観光物産協会

喜多方ラーメン ( 福島県 喜多方市 )

喜多方には良質な水*があり、優良な米作りの地域であることから、古くから酒・味噌・醤油などの醸造業が栄えてきた。喜多方ラーメンは、その良質な水によって麺が作られ、茹でられ、伝統の醤油・味噌などによってラーメンスープの味のベースが作られている。麺の特徴はコシが強い「熟成多加水麺」*の平打ち麺を多くの店が使用している。ス...

若松城(鶴ヶ城)の写真

写真提供:一般財団法人会津若松観光ビューロー

若松城(鶴ヶ城) ( 福島県 会津若松市 )

会津若松駅の南2km、市街地の南にある。芦名直盛*が1384(至徳元)年に築城し、1593(文禄2)年蒲生氏郷*が東日本で初めて水堀や天守閣を備えた本格的な近代城郭を築き「鶴ヶ城」と命名した。東西約2km、南北約1.5kmの外郭と7層の天守閣*をもち、鶴ケ城の名にふさわしい広壮かつ優美な城郭であったという。  藩政時代は会津松平氏*二十...

御薬園(会津松平氏庭園)の写真

写真提供:一般財団法人会津若松観光ビューロー

御薬園(会津松平氏庭園) ( 福島県 会津若松市 )

鶴ケ城の北東1.3kmにある。中世に会津地方を支配していた芦名氏がこの地を霊地として別荘としたが、その後の戦乱で放置された。  会津に入部した会津松平家*初代藩主の保科正之が改めて庭園の整備を行ったといわれている。さらに2代藩主保科正経が貧民救済のため、1670(寛文10)年に園内に薬草園を設け、3代藩主松平正容が引き継ぎ、庭園...

日新館の写真

写真提供:會津藩校日新館

日新館 ( 福島県 会津若松市 )

JR磐越西線広田駅から東北に約1.4km、江戸期の会津藩の藩校であった日新館を1987(昭和62)年に復元したもので、会津若松市街を見下す高塚山にある。かつての藩校*があった場所は鶴ヶ城の西出丸(馬場郭)濠端の米代(よねだい)であるが、現在、その場所には日新館天文台跡を残すのみである。日新館は白虎隊の出身校としても知られる。  ...

大内宿の写真

大内宿 ( 福島県 下郷町 )

会津鉄道湯野上温泉駅から北西3.5km、山間にある会津西街道*の旧宿場。会津西街道は会津藩の廻米*を江戸に送るルートであり、会津盆地との間に標高900mの大内峠があるため、大内宿は荷駄の中継・宿泊地として重用された。1884(明治17)年に大川沿いの国道121号線が開通するまで繁栄した。  現在でも、水路が両端を走る街道沿いに約30戸...

白水阿弥陀堂の写真

白水阿弥陀堂 ( 福島県 いわき市 )

JR常磐線内郷駅の西へ約2km、経塚山に三方を囲まれ、南に白水川を望んで建つ。阿弥陀堂の前と左右には大きな池が囲い、浄土庭園が広がる。浄土庭園の中島には北岸の阿弥陀堂に渡るため、南北二本の橋が架けられている。  藤原清衡の養娘徳姫(のちに徳尼)が、夫で「海道平氏」と称した岩城則道を弔うため1160(永暦元)年に建てたものと伝...

スパリゾートハワイアンズの写真

スパリゾートハワイアンズ ( 福島県 いわき市 )

JR常磐線湯本駅から西へ約4km、いわき湯本温泉の奥3kmにある温泉テーマパーク。「ウオーターパーク」*を中心に「江戸情話与市」*「スプリングパーク」*「スパガーデンパレオ」*などの6つのアミューズメントエリアがあり、ホテルなども併設されている。  1966(昭和41)年に常磐炭鉱の地下湧水の豊富な温泉を利用した、日本初のリゾー...

環境水族館アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)の写真

写真提供:環境水族館アクアマリンふくしま

環境水族館アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館) ( 福島県 いわき市 )

JR常磐線泉駅から東へ約5kmの所にある。2000(平成12)年に開館し、2011(平成23)年には東日本大震災での被災もあったが、復旧、再オープンした。建物はガラスで覆われ、光や風を取り込む構造になっているのが特徴的で、小名浜港の人工的な風景と対比しつつ海の雄大さと自然を感じさせるような設計になっている。  水族館としてのテーマは...

南会津のそば畑の写真

写真提供:南会津町

南会津のそば畑 ( 福島県 南会津町 / 福島県 下郷町 )

南会津地方は、昼夜の寒暖の差が大きく水はけの良い土壌など、ソバ栽培の適地が多く、福島県のなかでも、猪苗代、喜多方に並んでソバの栽培が盛んである。なかでも下郷町の猿楽台地と南会津町の会津高原たかつえのソバ畑は、会津の山々に四方を囲まれながら大規模な栽培地が広がる。  下郷町南西部、会津鉄道養鱒公園駅から南東へ約3kmにあ...

勝常寺の写真

写真提供:湯川村教育委員会

勝常寺 ( 福島県 湯川村 )

JR磐越西線会津若松駅から国道121号線経由で北西に約10km、田園風景が広がる湯川村のこんもりとした木立の中に勝常寺はある。  寺伝によれば、810(弘仁元)年に慧日寺の開祖でもある徳一*が開創したといわれている。中世には一時衰退したが、仁和寺の僧玄海が再興し、会津を支配していた芦名氏の庇護をうけ、七堂伽藍が備わり100ヶ寺ほど...

恵隆寺(立木千手観音)の写真

恵隆寺(立木千手観音) ( 福島県 会津坂下町 )

恵隆寺は、JR只見線塔寺駅から東へ1.5km、会津坂下駅からは北西に約3kmの微高地に建つ。「立木千手観音」は恵隆寺の本尊で、観音堂*に納めれている。恵隆寺の起源は、欽明天皇のころ(540年ごろ)、2.5kmほど西北にある高寺山遺跡の場所に梁国の僧青岩によって開かれ一時は隆盛を誇ったが、慧日寺(磐梯町)との戦いに敗れ荒廃し、1190(建...

沼沢湖の写真

写真提供:金山町観光物産協会

沼沢湖 ( 福島県 金山町 )

JR只見線早戸駅から只見川を渡り、つづら折りを登って約5kmのところにある。湖面標高474m、周囲7.5km、最大水深96mの透明度の高いカルデラ(火口)湖である。沼沢火山は11万年前から活動が始まったといわれているが、このカルデラ湖が生成されたのは約5600万年前の噴火活動によるものとされている。  周囲の外輪山は林野庁の自然観察教育林...

願成寺(会津大仏)の写真

願成寺(会津大仏) ( 福島県 喜多方市 )

JR磐越西線喜多方駅の北6kmほどのところにある。願成寺の始まりは法然の高弟で浄土宗多念義派の祖隆寛が法難に遭い、奥州に配流となったが、途中相模国で遷化したため、1227(嘉禄3)年に意を受けた法弟の實成が遺骨を配所があった加納松原(現在地の南方)に葬り、一宇を建立したことによる。このため、同寺では隆寛を開山、實成を創立とし...

那須岳(茶臼岳)の写真

那須岳(茶臼岳) ( 栃木県 那須町 / 栃木県 那須町 / 福島県 西郷村 )

広大な関東平野の北端に関東と東北とを分けるように連なるのが、那須火山帯に属しその名の起こりとなった那須火山群である。那須岳は、その火山群の主峰茶臼岳をさす場合と、茶臼岳とその左右に連なる三本槍岳・朝日岳・南月山・黒尾谷山など、いわゆる那須五岳をさす場合とがある。  那須火山群は新生代第三紀から第四紀にかけてできたも...

尾瀬ヶ原の写真

尾瀬ヶ原 ( 群馬県 片品村 / 新潟県 魚沼市 / 福島県 檜枝岐村 )

尾瀬沼の西約4km、至仏山・燧ケ岳・景鶴山・アヤメ平など2,000m級の山々に囲まれた盆地状をなす標高1,400m内外の高地に、東西約6km、南北約2kmにわたって広がる本州最大の湿原で、尾瀬を象徴する存在である。牛首と沼尻川を境に、下田代・中田代・上田代に分かれている。尾瀬ヶ原ははじめ燧岳溶岩流が只見川をせき止めてつくった古尾瀬湖とい...

阿賀野川の写真

阿賀野川 ( 新潟県 阿賀町 / 福島県 西会津町 / 新潟県 他 )

阿賀野川は、福島・栃木両県の県境にある荒海山(標高1,581m)に源があり、新潟市北区松浜地先において980mの川幅で日本海へ流れ出る。長さ210kmは日本で10番目であるが、年間の総流出量は142億tで信濃川に次いで多い。阿賀野川という名は新潟県内に限られ、福島県では阿賀川(大川)と呼ばれる。豊富な水を利用して多くの水力発電所が建設...

奥只見湖の写真

奥只見湖 ( 新潟県 魚沼市 / 福島県 桧枝岐村 )

奥只見ダム*によって只見川本流をせき止め、銀の採掘で知られる銀山平*のほとんどを沈めてできた人造湖。新潟県と福島県の県境にあたり、越後の荒沢連峰や会津駒ガ岳をはじめとする会津の山並みにはさまれて、紺碧の湖水が南北、東西に細長くのびる。静かな湖面に残雪や新緑、紅葉を映し、秘境の趣を感じさせる。ことに紅葉時はみごと。 ...