那須岳(茶臼岳)なすだけ(ちゃうすだけ)

広大な関東平野の北端に関東と東北とを分けるように連なるのが、那須火山帯に属しその名の起こりとなった那須火山群である。那須岳は、その火山群の主峰茶臼岳をさす場合と、茶臼岳とその左右に連なる三本槍岳・朝日岳・南月山・黒尾谷山など、いわゆる那須五岳をさす場合とがある。
 那須火山群は新生代第三紀から第四紀にかけてできたもので、はじめに三本槍岳、次に南月山が噴出し、最後にそれらの間に茶臼岳が噴出した。茶臼岳の有史以後の噴火は1408(応永15)年~1410(応永17)年、1846(弘化3)年、1881(明治14)年など数回。主に安山岩からなる複式の成層火山で中央火口丘の頂上に直径約100m、深さ約60mのオハチといわれる旧火口がある。その西側に無間地獄という2つの大きな爆裂火口があり、現在も盛んに硫黄・硫化水素・亜硫酸ガスを噴出している。
 茶臼岳は、無間地獄という爆裂火口から今も火山ガスを噴出している活火山であるが、山腹にはロープウェイが架けられ、およそ9合目まで行くことができる。頂上からの眺望は北に磐梯・吾妻連峰、西に帝釈山・日光連山・東に那須野が原や八溝山、南に遠く筑波山を望む。
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みどころ

那須岳(茶臼岳)の頂上からの眺望は、北に磐梯・吾妻連峰、西に帝釈山・日光連山・東に那須野が原や八溝山、南に遠く筑波山を望む。(溝尾 良隆)
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補足情報

*深田久弥は、『日本百名山』で、茶臼岳は那須連山の最高峰でと言っているが、茶臼岳は1,915m、最高峰は三本槍岳の1,917mである。