南会津のそば畑みなみあいづのそばばたけ

南会津地方は、昼夜の寒暖の差が大きく水はけの良い土壌など、ソバ栽培の適地が多く、福島県のなかでも、猪苗代、喜多方に並んでソバの栽培が盛んである。なかでも下郷町の猿楽台地と南会津町の会津高原たかつえのソバ畑は、会津の山々に四方を囲まれながら大規模な栽培地が広がる。
 下郷町南西部、会津鉄道養鱒公園駅から南東へ約3kmにある猿楽(さるがく)台地は、昭和40年代(1965~1975年)に国営農地開発事業によりソバ畑が整備され、約40万m2の面積を誇る。見渡す限りのソバ畑は、毎年8月下旬から9月上旬ごろに咲く白いソバの花で隅々まで埋め尽くされる。
 また、南会津町会津高原にあるたかつえのソバ畑は、会津鉄道会津高原尾瀬口駅から西に約17km、七ツ岳の中腹にあり、スキー場に近接して広がる。七ツ岳の山容を背にした12万m2のソバ畑には、シラカバの木が点々と残され高原らしい景観を呈している。ソバ畑は上段と下段の耕地に分かれており作付の時期が異なるため、下段から順次開花していくので長い期間にわたり白いソバの花をみることができる。見ごろは8月上旬から9月中旬で、満開期にはライトアップも実施される。
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みどころ

繊細な白いソバの花が広大な畑に絨緞を敷き詰めたように広がり、その先に会津の山容が雄大に構える。猿楽台地のソバ畑はとにかく広く、ソバの花の海に埋もれそうだ。たかつえのソバ畑は、シラカバの木が素晴らしいオブジェになり、景観に変化をつけてくれる。8月中、下旬から9月上旬の開花期も良いが、収穫後のそば畑に残った茎が紅葉し、鮮やかな紅色に染まる光景も、清涼な高原の空気とともに秋の到来を実感できる。
 たかつえのソバ畑では開花期に合わせライトアップがあり、夕闇に浮き上がる白い花畑とシラカバの木、残照の空、影になりつつある周囲の山々などの光景は幻想的。