田村市は、県中東部、阿武隈高地の中央に位置する市。北は二本松市、葛尾村、東は浪江町、大熊町、南は川内村、いわき市、小野町、西は郡山市、三春町に接する。
 JR磐越東線、国道288号、349号、399号が通じ、磐越自動車道の船引三春インターチェンジが設置されている。
 阿武隈山系が南北に走り、日山、童子山、鎌倉岳、大滝根山、高柴山などが連なる。これらの山々を源とした牧野川、高瀬川、大滝根川、移川などが流れている。
 2005年(平成17)4町1村が合併、市制施行して成立。縄文時代の遺跡が多数発見されており、極めて早い時期から人々が定住していたことがうかがえる。常葉町地区は、明治初期に河野広中らが全国に先駆けて民会をつくるなどした福島県の自由民権運動発祥の地。かつては「三春駒」として知られた馬の産地であり、馬市も開かれていた。
 葉タバコの主産地で、肉用牛の飼育や施設園芸なども行われている。
 滝根町地区の大滝根山西麓に広がる仙台平には入水鍾乳洞(国指定天然記念物)、あぶくま洞がある。また、大滝根山や高柴山周辺は阿武隈高原中部県立自然公園に含まれている。堂山王子神社本殿は国指定重要文化財。そのほか、プラネタリウムを併設した「星の村天文台」、カブトムシ自然王国ムシムシランド、アウトドア施設「グリーンパーク都路」などがある。

観光資源一覧

入水鍾乳洞の写真

写真提供:入水鍾乳洞

入水鍾乳洞 (福島県 田村市 )

JR磐越東線菅谷駅の東約2km、仙台平台地西麓の標高540~600mのところに開口する全長約900mの鍾乳洞である。1927~29(昭和2~4)年にかけて発見されたもので、内部は長さ約600mの第1洞、約300mの第2洞に分かれている。この洞は、仙台平上部に散在するドリーネ*から流れこんだ地下水が、石灰岩を浸食しながら形成したもの。洞内の温度は気温1...

あぶくま洞の写真

写真提供:あぶくま洞管理事務所

あぶくま洞 (福島県 田村市 )

JR磐越東線神俣駅から北東へ約3.5kmにあり、1969(昭和44)年に仙台平南麓の石灰石採掘場で発見された鍾乳洞。悠久の時を経て石灰岩と地下水が創り出した洞内は、縦穴、横穴が交錯し合わせて3層の洞穴が重なっており、複雑で立体的な構造をなしている。長さ600mの一般コースとそれに追加の120mほどの探検コースが一般公開されているが、その...