いわき市は、県南東部に位置する。面積1232.02km2で全国でも有数の広域都市。北は広野町、楢葉町、川内町、田村町、西は小野町、平田村、古殿町、鮫川村、南は茨城県北茨城市に接する。
 南北方向にJR常磐線、国道6号(陸前浜街道)、常磐自動車道が縦断し、東西方向にJR磐越東線、横断国道49号、磐越自動車道が横断。他に国道289号、349号、399号が通じる。小名浜港は重要港湾に指定されている。
 西部の阿武隈高地東縁の山間部と東部の太平洋岸の低地からなる。主な河川水系として市域北部を東西に貫流する夏井川水系、中央部に藤原川水系、南部地域を横断する鮫川水系からなる。河川数は本支川あわせて 322 本あり、うち 64 本が2級河川に指定されている。山岳地帯には高い山は少なく、市域の約4割が標高 200m 以下の丘陵地と段丘及び主要河谷の谷底平野からなる。海岸線の延長は約60kmに及ぶ。
 1966年(昭和41)5市4町5村の合併によって成立。1999年(平成11)中核市に移行。大畑遺跡群、亀ヶ崎遺跡などからは先土器時代の石器が発見され、縄文時代の貝塚も多い。鎌倉時代は好島荘、菊田荘の地。戦国時代は岩城氏の勢力下にあった。江戸時代は鳥居、内藤、安藤氏らの平藩と内藤氏湯長谷藩、同氏などの泉藩の領有する地が多かった。明治になって一時、平に磐前県の県庁が置かれた。
 農業は米作、野菜栽培が中心で、わずかにイチゴ、ナシの産出がある。水産業は小名浜、四倉などの主要漁港を中心に活発で、カツオ、サバ、イワシなどを水揚げし、かまぼこの生産が多い。林業は阿武隈高地にスギの植林が盛んで、小名浜港への外材(カナダ、ロシアなど)の輸入が多い。かつては常磐炭田の中心だったが、現在は白煉瓦など土石産業に特色がある。
 1160年(永暦1)建立の白水阿弥陀堂(国宝。境域は国指定史跡)、甲塚古墳、中田横穴(ともに国指定史跡)などの文化財、賢沼ウナギ生息地、照島ウ生息地などの国の天然記念物がある。錦地区の熊野神社で7月31日~8月1日の祭礼に行われる御宝殿の稚児田楽・風流は国の重要無形民俗文化財に指定されている。また各地区の「じゃんがら」の念仏踊、泉地区の諏訪神社の棒術、獅子舞などの民俗芸能がある。湯本温泉は炭坑内から引き湯しており、スパリゾートハワイアンズ(旧、常磐ハワイアンセンター)もあってにぎわっている。磐城海岸、夏井川渓谷、勿来、阿武隈高原中部の4つの県立自然公園があり、海岸、渓谷、山岳の各域にわたり多趣に富む。

観光資源一覧

白水阿弥陀堂の写真

白水阿弥陀堂 (福島県 いわき市 )

JR常磐線内郷駅の西へ約2km、経塚山に三方を囲まれ、南に白水川を望んで建つ。阿弥陀堂の前と左右には大きな池が囲い、浄土庭園が広がる。浄土庭園の中島には北岸の阿弥陀堂に渡るため、南北二本の橋が架けられている。  藤原清衡の養娘徳姫(のちに徳尼)が、夫で「海道平氏」と称した岩城則道を弔うため1160(永暦元)年に建てたものと伝...

スパリゾートハワイアンズの写真

スパリゾートハワイアンズ (福島県 いわき市 )

JR常磐線湯本駅から西へ約4km、いわき湯本温泉の奥3kmにある温泉テーマパーク。「ウオーターパーク」*を中心に「江戸情話与市」*「スプリングパーク」*「スパガーデンパレオ」*などの6つのアミューズメントエリアがあり、ホテルなども併設されている。  1966(昭和41)年に常磐炭鉱の地下湧水の豊富な温泉を利用した、日本初のリゾー...

環境水族館アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)の写真

写真提供:環境水族館アクアマリンふくしま

環境水族館アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館) (福島県 いわき市 )

JR常磐線泉駅から東へ約5kmの所にある。2000(平成12)年に開館し、2011(平成23)年には東日本大震災での被災もあったが、復旧、再オープンした。建物はガラスで覆われ、光や風を取り込む構造になっているのが特徴的で、小名浜港の人工的な風景と対比しつつ海の雄大さと自然を感じさせるような設計になっている。  水族館としてのテーマは...