茨城県は、関東地方の北東に位置し、東は太平洋にのぞみ、北は福島県、西は栃木県、南は千葉県、埼玉県に接している。面積は6,097 km2、32市10町2村から構成され、県庁所在地は水戸市である。県名は県成立時に県庁所在地であった郡名により、「茨城」の由来は『常陸国風土記』に黒坂命が賊を討つため茨で城を築いたという説や、茨で退治したという話がある。
 北部から北西部にかけては、久慈山地・多賀山地の山々と八溝山地の山々が連なり、この間に山田川、里川、久慈川、那珂川とその流域の平地が存在する。中央部から南西部にかけては、関東平野の一部である常総平野が広がり、そのなかを小貝川、鬼怒川が流れ、この両河川を合流して流域面積全国第1の利根川が太平洋に注ぎ込んでいる。南東部は日本第2の湖霞ケ浦及び、北浦を中心とする水郷地帯となっている。東部は、延長170kmに及ぶ海岸線が延びている。気候は太平洋側気候を呈し、多くの地域で冬季は少雨乾燥、夏季は多雨多湿となる。
 茨城県は、筑波山、八溝山等の緑の山野、霞ヶ浦、北浦等の湖沼と利根川に代表される豊かな河川に恵まれているほか、長い海岸線を有している。多種多様な農産物・水産物にも恵まれている。また、歴史的に有力な武将が居を構え、特に江戸時代には、水戸に徳川家の藩が置かれ、政治、経済、文化の中心として栄えた。県内には偕楽園や鹿島神宮などの文化遺産も各地に数多く遺されている。

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茨城県内の資源一覧

筑波山神社の写真

筑波山神社 ( 茨城県 つくば市 )

筑波山の中腹、老杉に包まれた境内に大きな鈴が印象的な拝殿をはじめ境内社が並ぶ。本殿は男体山と女体山の山頂付近にある祠で古代の山岳信仰を今も伝えており、2峰寄り添う姿は男女陰陽・夫婦和合の神にふさわしい。  延喜式内名神大社に数えられた格式ある社だが、平安時代に僧徳一*によって知足院中禅寺が開かれ、筑波の神は筑波両大権...

JAXA筑波宇宙センターの写真

写真提供:JAXA

JAXA筑波宇宙センター ( 茨城県 つくば市 )

日本の宇宙開発の中枢センターとして1972(昭和47)年に開設された。筑波研究学園都市の一角、約53万平方m2の敷地を有し、緑ゆたかな環境のなかに最新の試験設備を備え、宇宙に関する研究・開発に取り組んでいる。このセンターは、主に「人工衛星の開発・運用およびその観測画像の解析」、「国際宇宙ステーション『きぼう』日本実...

ミュージアムパーク茨城県自然博物館の写真

写真提供:ミュージアムパーク茨城県自然博物館

ミュージアムパーク茨城県自然博物館 ( 茨城県 坂東市 )

1994(平成6)年に「茨城の風土に根ざした自然に関する総合的な社会教育機関」として「過去に学び、現在を識り、未来を測る」ことを基本理念に、茨城県最大の自然環境保全地域である菅生沼*の西岸に開設された。16.4万m2という広い敷地ではあるが、隣接する菅生沼との一体的な景観を意図して博物館の建物・施設は設計されている...

国営ひたち海浜公園の写真

写真提供:国営ひたち海浜公園

国営ひたち海浜公園 ( 茨城県 ひたちなか市 )

ひたち海浜公園は「海と空と緑が友達 爽やか健康体験」をテーマに、公園総面積350万m2、公開開園面積約215万m2という極めて広大な国営の公園である。公園があるこの地区は、第2次世界大戦前は旧日本陸軍の用地で、戦後は米軍の射爆撃場として利用されたのち、1973(昭和48)年に返還された。1979(昭和54)年に、この...

笠間稲荷神社の写真

笠間稲荷神社 ( 茨城県 笠間市 )

京都の伏見稲荷や九州の祐徳稲荷、あるいは愛知の豊川稲荷と並び称される稲荷大社。市街の中央に鎮座し、両側にみやげ物店が立ち並ぶ仲見世を抜けると、朱の大鳥居、楼門、拝殿、本殿*と堂々とした建物が並んでいる。  創建は651(白雉2)年と伝えられる。クルミの木の下に小さな祠が祭られたのが始まりといわれ、「胡桃下稲荷」*とも呼...

笠間焼の写真

笠間焼 ( 茨城県 笠間市 )

手作りの素朴な味わいが身上の笠間焼は安永年間(1772~1781年)、近江信楽から陶工を招いたのが起こりで、笠間藩から保護され、主に日用雑器が作られた。幕末から明治時代にかけては江戸・東京の近郊である立地を生かし、大量生産により、とくに厨房用粗陶品の産地として全国に知られるようになった。しかし、第2次世界大戦後、プラスチック...

袋田の滝の写真

写真提供:大子町観光協会

袋田の滝 ( 茨城県 大子町 )

福島県から茨城県へと流れる久慈川*の支流滝川にかかる滝。滝は4段から成り、高さ120m、幅73m。成因は、1,500万年前に形成された火山角礫岩層の硬い岩石に対し、滝の上下が浸食されやすい凝灰質の砂岩や頁岩だったため、硬質の火山岩が残り、節理と断層面が浸食され段差が生まれたと、考えられている。滝の途中に四本の大きな節理があり、4...

古河公方公園(古河総合公園)の写真

古河公方公園(古河総合公園) ( 茨城県 古河市 )

JR東北本線古河駅より南へ約2km、渡良瀬川の東岸にある。  1972(昭和47)年に「古河公方館跡*を中心に残されている美しい自然を保存し市民のレクリエーションの場所」とするという構想案がまとまり、1975(昭和50)年、古河総合公園として、一部開園。その後、桃林*、大賀ハスの移植、御所沼の復元*や管理棟・カフェテラスなどの整備を...

古河堤灯竿もみまつりの写真

写真提供:古河市役所

古河堤灯竿もみまつり ( 茨城県 古河市 )

毎年12月の第一土曜日、JR宇都宮線古河駅前に高さ約10mの矢来を組んだ会場を設け、市内の自治会などのグループがそれぞれ20m近い竹竿の先に提灯をつけ集まり、激しく揉み合い相手の提灯の火を消し合う祭り。  この祭りの起源は、江戸時代は古河藩領であった野木神社(現在は栃木県野木町)*の神官が、神鉾を奉じ11月27日から神領である八...

楽法寺(雨引観音)の写真

楽法寺(雨引観音) ( 茨城県 桜川市 )

坂東三十三ケ所第24番札所。加波山の尾根続きになる雨引山の中腹斜面に真壁城の薬医門を移築した黒門をはじめ、仁王門*、本堂、鐘楼堂、多宝塔、本坊、客殿など多数の堂宇が甍を並べ、仁王門の脇には城郭を思わせる大石垣がそびえる荘厳な寺である。  587(用明天皇2)年中国の帰化僧法輪独守の創建と伝え、その後、勅願寺として朝廷や真...

真壁の町並みの写真

真壁の町並み ( 茨城県 桜川市 )

つくば市の北にあり、町並みの東側に足尾山と加波山(かばさん)、南側には筑波山が見られる。真壁*は、律令期(7世紀後半~10世紀)から国府(現・石岡市)と東山道をつなぐ要衝の地にあり、中世には真壁氏の支配のもと城下町が形成され、近世には、笠間藩の陣屋を中心に木綿などの物産の集散地として栄えた。このため、真壁の町並みの特徴...

鹿島神宮の写真

写真提供:鹿島神宮

鹿島神宮 ( 茨城県 鹿嶋市 )

JR鹿島線鹿島神宮駅の南東に、約70万m2の広大な樹叢*を有し、その中に社殿が建つ。創建については不明な点も多いが、すでに4~5世紀、大和政権が東国に進出をしていく過程における、いわゆる「東征」の重要拠点であり、祭祀も行われたのではないかといわれている。そのため、創建神話として、神武天皇が「東征」の折、武甕槌大神...

鹿島神宮祭頭祭の写真

写真提供:鹿島神宮

鹿島神宮祭頭祭 ( 茨城県 鹿嶋市 )

祭頭祭は毎年、3月9日に執り行われる*。起源は、奈良時代あるいは平安時代ともいわれているが、近世までは、その囃し言葉*から窺えるように「五穀豊穣」を主に祈る祭りであったり、神仏習合の影響を受け、釈迦入滅の「常楽会」(涅槃会)ともされ、幕末までは鹿島神宮と神宮寺*が習合して執り行っていた。昭和初期には、軍国化の時流の中...

弘道館の写真

弘道館 ( 茨城県 水戸市 )

1841(天保12)年、徳川斉昭*が当時、内憂外患だった時勢に対応するために水戸城三の丸に創設*した藩校。ここで尊王攘夷運動に活躍した人材が育成された。『弘道館記』に示されたごとく神儒合一・文武不岐・学問事業の一致を目的に水戸学*の振興・尊王攘夷論が展開された。儒学・武道のほかにも医・薬・天文・地理などの実学も重んじられ...

水戸芸術館の写真

水戸芸術館 ( 茨城県 水戸市 )

市制施行100周年を記念して1990(平成2)年に開館した劇場・コンサートホール・現代美術ギャラリーからなる複合文化施設。12角形のACM*劇場は観客と俳優との一体感を高めるため舞台を中心に囲むように客席を設置。コンサートホールATM*の天井には音響効果を高める音響反射盤を設けている。現代美術ギャラリーでも展示器具等が展示作品に干...

偕楽園の写真

写真提供:茨城県土木部都市整備課

偕楽園 ( 茨城県 水戸市 )

水戸駅の西方に広がる都市公園で、梅の公園としても知られ、金沢の兼六園、岡山の後楽園とともに日本三名園の一つに数えられる。本園と拡張部と合わせ、面積58万m2におよぶ広大な公園*である。本園は1842(天保13)年、徳川斉昭*が造園し、藩主1人が楽しむものではなく、領民と偕(とも)に楽しむという意味から「偕楽園」と名付...

水郷のアヤメの写真

写真提供:潮来市

水郷のアヤメ ( 茨城県 潮来市 )

潮来大橋の東、潮来市内を流れる前川が常陸利根川に注ぐ付近の河畔にある。河原に群生した原種を改良したアヤメ、ハナショウブ*を中心にカキツバタなども含め1.3万m2に約500種100万株が咲き乱れる。かつては潮来市内には3か所のあやめ園があったが、2013(平成25)年に市営水郷潮来あやめ園としてこの地に集約し整備充実させた。...

霞ヶ浦の写真

霞ヶ浦 ( 茨城県 行方市 / 茨城県 土浦市 / 茨城県 他 )

茨城県南部の淡水湖で、琵琶湖に次いで日本第2の面積をもつ。桜川・恋瀬川(こいせがわ)の下流部が沈降したところへ、海水が流れ込んで入江となり、そののち鬼怒川によって運ばれた沖積物が出口をせき止めたためにできた湖だ。香澄ケ浦(かすみがうら)とも書き、北浦に対して西浦とも呼ばれ、広い意味では北浦を含めて霞ケ浦という。北西部...

土浦全国花火競技大会の写真

写真提供:(C)土浦全国花火競技大会

土浦全国花火競技大会 ( 茨城県 土浦市 )

土浦全国花火競技大会は、秋に全国の花火業者が夏場に磨いたその技の粋を凝らして打ち上げるため、規模、技術においてわが国でも最高水準のものである。競技はスターマイン*の部、10号玉*の部、創造花火*の部の3部門で行われ、約100演目、約2万発の花火が打ち上げられ、花火の美しさ、打ち上げの技術、独創性を競う。  この花火大会の歴...

アクアワールド茨城県大洗水族館の写真

写真提供:アクアワールド茨城県大洗水族館

アクアワールド茨城県大洗水族館 ( 茨城県 大洗町 )

2002(平成14)年に旧大洗水族館を建て替え、「地域の自然と世界の水生生物の生態展示を通じ、生物の多様性や自然環境、地球環境を楽しみながら学べる海の総合ミュージアム」を目指し、アクアワールド茨城県大洗水族館として再スタートした。  基本テーマは「茨城の海と自然・世界の海と地球環境」。那珂川と鹿島灘あるいは黒潮と親潮が出...

あんこう鍋の写真

あんこう鍋 ( 茨城県 北茨城市 / 茨城県 日立市 / 茨城県 ひたちなか市 / 茨城県 大洗町 / 茨城県 水戸市/他 )

深海魚でグロテスクな姿をしたアンコウ*は日本の近海の各地で獲れ、現在、水揚げが圧倒的に多いのは山口県の下関港で、茨城県の平潟、大津、久慈、那珂湊などの各港を合わせても及ばない。しかし、栄養たっぷりの黒潮で育ち、冬に南下する冷たい親潮で脂がのった肝が肥大化する常磐沖のアンコウは、絶品だとされる。  日本においてはアン...

磯節全国大会の写真

写真提供:一般社団法人水戸観光コンベンション協会

磯節全国大会 ( 茨城県 水戸市 )

「磯で名所は大洗様よ・松が見えますほのぼのと」の名文句と尻あがりの口調で知られる磯節は、その起因は明らかでないが、大洗や那珂湊の漁師たちが舟端をたたきながら、荒海と岩礁と波涛が作りだす景色のおもしろさを唄ったとも伝えられる。明治になって芸者置屋の主人矢吹万作や俳諧宗匠の渡辺竹楽坊が大洗の祝町の芸妓に三味線にのせ唄わせ...

那珂川の写真

那珂川 ( 茨城県 水戸市 / 茨城県 ひたちなか市 / 茨城県 大洗町 / 茨城県 他 )

那須火山の那須岳(標高1,917m)に源を発し、栃木・茨城両県を流れ、ひたちなか市と大洗町の間で太平洋に注ぐ。余笹川、箒川、桜川や河口近くで最後に合流する涸沼川なども含め、196の支流を有する。全長は150km、流域面積は3,270km2。  支流を含め那珂川は、古代から鉄道開通する近代まで舟運が盛んだった。そのため、古くから...

かみね公園・平和通りのサクラの写真

かみね公園・平和通りのサクラ ( 茨城県 日立市 )

平和通りは日立駅中央口から国道6号まで約1km、幅員36mの日立市のメインストリート。1951(昭和26)年から沿道にサクラが植えられはじめ、現在では約120本のサクラが満開時には道路を覆うように咲き誇る。日立さくらまつりの中心会場となり、ユネスコ無形文化遺産である日立風流物(山車)なども披露される。  かねみ公園は日立駅の北方約2...

日立風流物の写真

日立風流物 ( 茨城県 日立市 )

高さ15m、重さ5tにも及ぶ巨大な山車。正面は唐破風造、5層からなる城を模し、その背面は大きな山に見立てた裏山と呼ばれる造りである。屋形は中央から割れるように開いて舞台となり、『源平盛衰記』『忠臣蔵』といった人形芝居が催される。それが終わると山車は半回転し、裏山の舞台では『花咲爺』『自雷也』といった伝説・神話などが演じら...

牛久大仏の写真

牛久大仏 ( 茨城県 牛久市 )

JR常磐線牛久駅から東へ約9km、圏央道阿見東インターチェンジの近くにある。牛久大仏(阿弥陀如来像)は、浅草にある浄土真宗東本願寺派本山東本願寺の関連施設の一部として1992(平成5)年に建立、開園された。  牛久大仏は高さ120m(像高100m、台座20m)あり、青銅(ブロンズ)製仏像の高さとしては世界一ということから、ギネス世界記録...

茨城県天心記念五浦美術館の写真

茨城県天心記念五浦美術館 ( 茨城県 北茨城市 )

日本の芸術・文化に対する評価が国内外で定まらなかった明治期に日本の伝統美術の維持・発展に尽力していた岡倉天心*は日本美術の向上・開発を目指した美術団体、日本美術院を東京に興した。しかし、運営上の行き詰まりから、天心の新しい拠点となった五浦の地に日本画部門を移転することにした。日本美術院に参画していた横山大観、下村観...

日立駅の写真

写真提供:日立市

日立駅 ( 茨城県 日立市 )

日立駅は、1897(明治30)年に開業(当時は助川駅)した。当初は日立鉱山の積み出し駅として、その後は日立製作所に関連する貨物取扱などで重要な役割を果たしてきた。現在は貨物駅も含め縮小されているが、1日の乗降客が1万人を超えるJR常磐線の主要駅のひとつである。  駅は市街地を背に太平洋を前面にして、30mほどの高さの海岸段丘の...

渡良瀬遊水地の写真

写真提供:国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所

渡良瀬遊水地 ( 栃木県 栃木市・小山市・野木町 / 茨城県 古河市 / 群馬県 邑楽郡板倉町 / 埼玉県 加須市 )

栃木、群馬、埼玉、茨城4県の県境にまたがる日本で最大の遊水地であり、渡良瀬川、巴波川、思川に沿って広がり、その洪水流を受け入れることで遊水地周辺の河川水位を下げるとともに、下流へ流す流量を減らし、利根川の氾濫を防止するという治水上の重要な役割を果たしている。  当地は、関東平野で一番の低地で、水がたまりやすい地形であ...