真壁の町並みまかべのまちなみ

つくば市の北にあり、町並みの東側に足尾山と加波山(かばさん)、南側には筑波山が見られる。真壁*は、律令期(7世紀後半~10世紀)から国府(現・石岡市)と東山道をつなぐ要衝の地にあり、中世には真壁氏の支配のもと城下町が形成され、近世には、笠間藩の陣屋を中心に木綿などの物産の集散地として栄えた。このため、真壁の町並みの特徴は、中世城下町と近世陣屋町の遺構を残すとともに、道幅などに木綿などの集散地としての町割りの名残りがあることだ。また、江戸後期の大火からの再建や明治期以降の製糸業の興隆に伴う見世蔵、土蔵、大正昭和に建てられた洋風建築など、多様な建造物が入り混じりながら調和しているのも、この町並みの特徴となっている。現在も約102棟の登録有形文化財をはじめ多数の伝統的な建物が現存し、約17.6万m2が国の重要伝統的建造物群保存地区になっている。2011(平成23)年の東日本大震災により伝統的建造物の9割以上で被害が発生したが、現在は、復元修理が進み、一部を残しほぼ復旧した。
 町の中心、陣屋跡には真壁伝承館があり、観光案内所や歴史資料館*、図書館などの施設となっている。また、町並みの東側には真壁城跡*があり、中世の平城の特徴がよく遺されている土塁や堀などの跡をみることができる。2月4日から3月3日まで、町並みの約160軒が参加する「真壁ひなまつり」*が毎年開催される。家々の土蔵や店先などに、江戸時代から伝わる古いお雛様から、工夫をこらした吊るし雛や新作雛が目を楽しませてくれる。
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みどころ

登録有形文化財などの歴史的な建造物が昔の町割りに沿ってコンパクトに並び、なおかつ、多様な時代の建物が入り交じっているので、充実した町並み歩きが楽しめる。
 「ひなまつり」など、地域住民のおもてなしの意識が高い。
 電線の地中化や真壁の町の起源である真壁城跡の整備がより進めば、さらに魅力的になるだろう。(志賀 典人)
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補足情報

*真壁・真壁城跡:古くから交通の要衝で、8世紀にはすでに白壁郡と呼ばれ、後に真壁郡と改称された。12世紀に入ると常陸平氏の嫡流の一派が真壁氏を名乗りこの地を支配し、15世紀には居館が築かれ、16世紀後半には居城として整備されていた。その後、中世期を一貫して支配した真壁氏は佐竹氏ともに秋田に移り、1606(慶長11)年に浅野長政の領地となった。長政死後、三男の長重により、現在も遺る町割りが完成された。その後、浅野長重の笠間藩への移封に伴い、真壁城は廃城となったが、笠間藩の一部となって、城下中央に真壁陣屋が置かれた。
*歴史資料館:陣屋跡や真壁城跡から発掘された出土品や遺物、その他の史料を展示している。また、町並みの模型、真壁氏の旗「猪」のレプリカなども見ることができる。
*真壁ひなまつり:2003(平成15)年より開催。
関連リンク 桜川市(WEBサイト)
参考文献 桜川市(WEBサイト)
桜井市観光協会(WEBサイト)
真壁パンフレット(桜井市観光協会)(WEBサイト)
パンフレット「真壁伝承館」(桜井市)(WEBサイト)
パンフレット「真壁城跡」

2020年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。