日立風流物ひたちふうりゅうもの

高さ15m、重さ5tにも及ぶ巨大な山車。正面は唐破風造、5層からなる城を模し、その背面は大きな山に見立てた裏山と呼ばれる造りである。屋形は中央から割れるように開いて舞台となり、『源平盛衰記』『忠臣蔵』といった人形芝居が催される。それが終わると山車は半回転し、裏山の舞台では『花咲爺』『自雷也』といった伝説・神話などが演じられる。
 起源は1695(元禄8)年、徳川光圀の命により、神峰神社が宮田・助川・会瀬の3村の鎮守になったとき、宮田村の氏子が山車を出し、五穀豊穣などを祈願したという。その後、享保年間に入ると、この山車に人形芝居が組み合わされるようになり、氏子たちの創意工夫でからくりが高度化し、壮大な山車になっていった。現在は日立市宮田町の4つの地区(東町、北町、本町、西町)に山車が継承されている。毎年、日立さくらまつり(4月上旬)には4地区の廻り番で1台を公開しているが、7年に1度、神峰神社の大祭礼で4台が出そろう(次回は2026(令和8)年)。
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みどころ

日立風流物の特徴は、高さ15m、重さ5tの壮大な山車のうえで、綱の操作により人形芝居の場面が次々に転換され、実際に矢をはなったり、紙の小判を撒くなど意表を突く人形の動きにある。また、表山と裏山の転換のために山車が半回転する場面も迫力がある。山車の内部で演奏される囃子がこうした山車の動きや人形芝居を盛り上げる。
 4台の山車が揃うのは7年に1度ではあるが、4月上旬の日立さくらまつりでの各地区廻り番の1台の公開でも十分にその壮麗さを見ることができる。(志賀 典人)
関連リンク 日立市郷土博物館(WEBサイト)
参考文献 日立市郷土博物館(WEBサイト)
日立の観光案内(日立市)(WEBサイト)
文化遺産オンライン(文化庁)(WEBサイト)

2020年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。