群馬県
印刷する1871(明治4)年7月の廃藩置県の実施により、同年10月28日に、高崎・前橋の大部分を含み栄えていた「群馬郡」の名前をとって県名とし、第1次群馬県が成立した。東毛地区の一部が含まれていなかった第1次群馬県は、1873(明治6)年に埼玉県の一部と合併し熊谷県となった。その後、1876(明治9)年に熊谷県が廃止され、東部3郡(山田郡、新田郡、邑楽郡)が編入されて、現在の群馬県と同じ形の第2次群馬県が成立した。
藤原京(694~710年)の時代の資料によると、現在の群馬県の中に「車評」(評は大宝律令により郡となる)と呼ばれていた地域があった。奈良時代に入り、国・郡・郷名はその土地にあった漢字二文字で表すこととされ、「車郡」は「群馬郡」に改められたとされている。
県域は南東部の利根川沿いの低地を除いては、山地、火山の裾野、扇状地、台地が多い。東部には足尾山地、北部から北西部にかけては三国山脈、南西部に関東山地が連なる。さらに那須火山帯にあり、浅間山、白根山、赤城山、榛名山などの火山が広い裾野を形成している。
気候は内陸性気候の特色を示し、特に冬季は乾燥し、寒さが厳しく「上州おろし」と呼ばれる北西季節風が吹く。山地の降雪量も多い。
2,000m級の山岳、尾瀬などの湿原、多くの湖沼、吾妻峡をはじめとする渓谷や利根の清流など、変化に富む美しい自然に恵まれている。一部は尾瀬国立公園、上信越高原国立公園、日光国立公園に属する。山麓には多数の温泉が湧出し、草津温泉、伊香保温泉をはじめ、多くの温泉地を有する。古くから開け、岩宿遺跡(国指定史跡)や多胡碑(国指定特別史跡)など多くの遺跡や古墳がある。
また、「富岡製糸場(富岡市)」、「田島弥平旧宅(伊勢崎市)」、「高山社跡(藤岡市)」、「荒船風穴(下仁田町)」の4つの資産で構成する「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、世界文化遺産として登録されている。