中之条町は、群馬県の北西部に位置し、北は長野県山ノ内町、栄村及び新潟県湯沢町、西は長野県高山村に接する。北部には三国山系の高峰がそびえ、町域の一部は上信越高原国立公園に指定されている。四万川が町の西部を北から南に流れ、吾妻川に合流する。吾妻川は南部を西から東へ流れている。中之条の市街地は吾妻川北岸の河岸段丘に形成されている。
 中心集落の中之条は、谷口集落として発達。1と6の日を市日とする六斎市が開設され、米、生糸、薪炭などの取り引きで繁栄した。近代以降も製材関連の中小工場が立地している。農業は、米、花き、こんにゃく、野菜、果樹の栽培のほか、酪農も行われている。
 観光面では、特に野反湖は、特別地域および自然休養林に指定され、初夏から初秋にかけてはシラネアオイやレンゲツツジ、ノゾリキスゲなど300種以上の高山植物を見ることができる。18世紀末に建てられた大型の養蚕農家「富沢家住宅」、中世に行われた闘茶(茶勝負)の形式を残す「白久保のお茶講」などの行事がある。また、四万・沢渡、尻焼・応徳などの豊富な温泉に恵まれており、多くの観光客が訪れる。

観光資源一覧

四万温泉の写真

写真提供:一般社団法人 四万温泉協会

四万温泉 (群馬県 中之条町 )

中之条町北東部、四万川上流の三方を山に囲まれた渓流沿いの標高700mの高地にある。四万温泉の名前は、四万の湯が『四万(よんまん)の病を癒す霊泉』であるとする伝説*がある。また古文書によると1600年代初期の江戸時代には温泉宿があり、 湯治客は江戸からも来遊があったと記されている。  源泉は全42ヶ所で、3ヶ所が堀さく源泉、39ヶ...

尻焼温泉の写真

尻焼温泉 (群馬県 中之条町 )

長野原草津口から白砂川沿いに上流に向かい約16km、長笹川渓流沿いの山峡にある尻焼温泉の「川の湯」は、川そのものが大きな露天風呂となっている。痔の治療に特効があるといわれ、かつては、河原に穴を掘って臀部だけ湯につかる入浴療法や、温まった石の上に腰かける治療が行われていたため、「尻焼」と名付けられたという。現在は川をせき...

野反湖の写真

野反湖 (群馬県 中之条町 )

群馬、新潟、長野の県境に位置し、周囲10km、標高1,513mにある山上の人造湖で、湖水は越後の魚野川、信濃川へそそいでいる。発電用に作られた人造湖。  外周には弁天山・八間山・高沢山などの山々がゆったりとそびえ、なだらかな草原状の裾野が乳緑色の湖面に落ち、明るく開けた高原地帯となっている。  6月にはレンゲツツジ、7月にはノ...

芳ケ平の写真

芳ケ平 (群馬県 中之条町 )

2015(平成27)年5月にラムサール条約*に登録された、中之条町と草津町にまたがる「芳ヶ平湿地群」の中でも中心となる湿原。草津白根山中腹の標高約1,800mに広がり、白根山の荒涼とした景観とは対照的に、高山植物が豊富に生育する緑豊かな湿地帯である。  江戸時代、草津から善光寺に抜ける街道の裏道を通り、わざわざ芳ヶ平、渋峠を経由...

チャツボミゴケ公園の写真

チャツボミゴケ公園 (群馬県 中之条町 )

中之条町の最奥部、入山地区の西端に位置している。穴地獄と呼ばれている泉から湧き出る暖かめの鉱泉が強酸性のため、こうした環境を好んで生育するチャツボミゴケ*が群生したものである。  入山地区はかって群馬鉄山と呼ばれ、国内第2位の生産量の鉱山として栄えた歴史がある。この地から鉄鉱石が索道と吾妻線経由で高崎へと運ばれていた...

白砂山の写真

白砂山 (長野県 栄村 / 群馬県 中之条町 / 新潟県 湯沢町 )

白砂山は、長野県・新潟県・群馬県の3県の境にそびえる奥深い山で、標高2,140m。かつては秘境の名峰として知られていたが、野反湖周辺が開発され、登山道*が整備されてからは登りやすくなった。距離が長く、アップダウンを繰り返すため体力に自信のある人向け。山頂までは片道4時間を要する。