岩宿遺跡いわじゅくいせき

岩宿駅の北西1kmにある、旧石器時代の遺跡。縄文時代の遺跡は関東ローム層の上に堆積した黒色土層から出土するのに対し、岩宿遺跡では関東ローム層の中から遺物が出土したので、縄文時代以前の旧石器文化が日本にもあったことを裏付けたとされている。
 発見者の相沢忠洋氏*と明治大学考古学研究室による発掘調査個所に岩宿遺跡の碑が立つ。相沢氏が多くの石器を発見した場所には岩宿ドームがあり、内部ではこの遺跡を紹介する映像を見ることができる。また徒歩3分のところには岩宿博物館があり、旧石器時代の暮らしや岩宿遺跡の発掘に関する解説や資料展示がなされている。
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みどころ

地元の考古学者個人が赤土の中から石器を発見したことで、関東ローム層の時代には日本に人間は住める環境になかったと考えられていた常識が根本的に覆された。日本にも縄文時代よりも前に旧石器時代があったことが初めて科学的に証明された、日本史上の重大発見であった。
 岩宿博物館や岩宿ドームで解説を受けることによって、感動がより深いものとなる。(林 清)
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補足情報

*相沢忠洋:1926~1985年。独学で考古学を学び、行商しながら岩宿から石器を見出し、大きな発見となった。こうした実績から、その後考古学を学び実践する一般の人が多くなっていった。
*「きょう一日が早くも暮れようとしていた。私は村々での商いの岐路を急いだ。……くずれかかった崖の断面に、ふと私は吸いよせられた。そこには小さな石片が顔を出しているのに気がついたからであった。私は手をのばして、荒れた赤土の地はだから、石片をひろいあげてみた。長さ3センチばかりの幅1センチほどの小さなその石片は、てのひらのうえで、ガラスのような透明なはだを見せて黒光りしていた。その形は、すすきの葉をきったように両側がカミソリの刃のように鋭かった。」(出典:相沢忠洋『「岩宿」の発見』、1961(昭和36)年)
関連リンク 岩宿博物館(WEBサイト)
参考文献 岩宿博物館(WEBサイト)
岩宿博物館(WEBサイト)
パンフレット「岩宿博物館」
パンフレット「史跡岩宿遺跡遺構保護観察施設見学のしおり」

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。