芳ケ平よしがだいら

2015(平成27)年5月にラムサール条約*に登録された、中之条町と草津町にまたがる「芳ヶ平湿地群」の中でも中心となる湿原。草津白根山中腹の標高約1,800mに広がり、白根山の荒涼とした景観とは対照的に、高山植物が豊富に生育する緑豊かな湿地帯である。
 江戸時代、草津から善光寺に抜ける街道の裏道を通り、わざわざ芳ヶ平、渋峠を経由したという記録があり、また当時草津温泉に湯治に来た人や地元の人たちが遊びに訪れたという記録も残る。
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みどころ

白根山の荒涼とした風景とは対照的に、池塘の周囲にワタスゲやヒオウギアヤメ、リンドウなどの高山植物が自生する柔らかな風景が展開する。また湿原の中心部に芳ヶ平ヒュッテがあり、緑の湿原と山小屋の赤い屋根のコントラスト、紅葉時のナナカマドの赤い実の群落などの景観が楽しめる。
 国道292号「日本国道最高地点」石碑のある駐車スペースから、眼下の針葉樹林の中に丸く広がる高層湿原*が俯瞰でき、快適な山岳ドライブルートの一部となっている。
 横手山渋峠から下りの登山道1時間程度で到達でき、気軽にトレッキングができる。芳ヶ平から草津白根レストハウス(2020(令和2)年6月現在立ち入り禁止)、チャツボミゴケ公園*や草津温泉へとつながる登山道の組み合わせができ、快適なルートを構成している。(林 清)
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補足情報

*ラムサール条約:1971(昭和46)年にイランのラムサールで開催された国際会議で採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。重要な湿地の「保全・再生」「賢明な利用」「交流・学習」を目的としている。
*高層湿原:低温・過湿で塩類の乏しい貧栄養の所にできる湿原。ミズゴケが多く、泥炭化が進んで盛り上がった所ができる。高山や高緯度地方に多い。
*チャツボミゴケ:苔類ツボミゴケの一種。ツボミゴケは湿った土上、岩上や水中などに生育し花は口が狭く、つぼみ状。チャツボゴケは温泉の付近に多く、硫黄を含んだ水中に黄緑色~赤褐色の大群落をつくる。
関連リンク 一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
参考文献 一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
中之条町(WEBサイト)
パンフレット「大自然が育む恵みの湿原、幻想的な別天地へようこそ」(中之条町・草津町)

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。