四万温泉しまおんせん

中之条町北東部、四万川上流の三方を山に囲まれた渓流沿いの標高700mの高地にある。四万温泉の名前は、四万の湯が『四万(よんまん)の病を癒す霊泉』であるとする伝説*がある。また古文書によると1600年代初期の江戸時代には温泉宿があり、 湯治客は江戸からも来遊があったと記されている。
 源泉は全42ヶ所で、3ヶ所が堀さく源泉、39ヶ所は自然湧出。湧出量は、毎分約3,500リットル、PHは平均7.7のナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(2001(平成13)年度)。伊香保・草津とともに上毛三名湯に数えられる温泉で、1954(昭和29)年には国民保養温泉第1号に指定された。
 旅館街は一本道をはさんで細長く延び、スマートボールの遊技場や飲食・土産品店街の落合通りなどのある温泉郷である。共同浴場は3個所、その他飲泉所、足湯が複数ある。
#

みどころ

豊かな緑と渓谷美に恵まれて新緑・紅葉ともによく、夏は避暑地としても快適である。登録文化財に登録されている積善館の1階は鉄筋コンクリート造りの浴場。2・3階は桃山風の木造建築で、川を挟んだ屋根付き廊下風の橋も独特の様式である。
 温泉街は木造建築のレトロな旅館、近代的でデザイン性の高いホテルが建ち並び、細い道で結ばれた旅館・商店街と雰囲気のあるまち歩きが楽しめる。商店街の落合通りにはわが国の温泉街の昔懐かしさを覚えるスマートボール場などもある。
 町中の「河原の湯」は四万川畔の石造りのこじんまりした特徴ある共同浴場、町の奥には1598(慶長3)年に建立された「日向見薬師堂」と共同浴場「御夢想の湯」等魅力あるスポットが数多くある。周辺部には四万湖、奥四万湖、甌穴、滝なども見どころとなっている。
 上毛かるたでは「世のちり洗う 四万温泉」とうたわれている。(林 清)
#

補足情報

*四万温泉の伝説:征夷大将軍として蝦夷征伐に来た坂上田村麻呂がこの地で入浴したことが始まりという伝説と、源頼光の家臣日向守碓氷貞光が夢うつつに神託を聞き、目覚めた後に湧出する温泉を見つけたという伝説がある。
関連リンク 一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
参考文献 一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
一般社団法人中之条観光協会(WEBサイト)
四万温泉観光なび(一般社団法人四万温泉協会)(WEBサイト)
パンフレット「四万さんぽ」(一般社団法人四万温泉協会)
パンフレット「中之条 四万温泉郷 沢渡温泉郷 六合温泉郷」(一般社団法人中之条観光協会)

2020年04月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。