香川県
印刷する高松を起点とするJR予讃線の他、高松琴平電気鉄道が通じる。また、1988(昭和63)年に完成した瀬戸大橋には本州と四国を結ぶJR瀬戸大橋線と瀬戸中央自動車道、四国横断自動車道の一部である高松自動車道等が通る。海上交通は国道フェリーや多くの離島航路のほか、関西方面を繋ぐ中距離フェリー等がある。高松空港からは国際便も就航している。
平坦地が多く可住地面積率は全国10位。地形は半月型で、南部には讃岐山脈が連なり、北部には1万2千余のため池が点在する讃岐平野が展開。平地に散在する山塊は香川県独特のもの。瀬戸内式気候で四季を通じて温暖少雨。日照時間は全国第1~2位を誇る太陽の県である。
古くは「讃岐ノ国」と呼ばれていた。空海(弘法大師)、円珍(智証大師)などの高僧を輩出していることでも知られる。鎌倉、室町、戦国の群雄割拠の時代を経て、1587(天正15)年に生駒氏が讃岐国に封ぜられ、1588(天正16)年に高松城とその城下町、1597(慶長2)年に丸亀城とその城下町が建設された。廃藩置県後には紆余曲折をへて1888(明治21)年12月に現在の香川県になった。
農産物はレタス、タマネギ、キュウリなどの野菜栽培の他、ミカン、富有(ふゆう)ガキやモモ、ブドウ栽培、茶の栽培なども行われている。水産業ではカタクチイワシとイカナゴが漁獲の二大魚種。また、直島の銅製錬所の他、綿紡績や農機具製造、製紙業等がある。江戸時代からの伝統産業として団扇と漆器、石材加工、しょうゆ、そうめん等があり、明治以後では手袋、ボタン、盆栽等があげられる。
「讃岐の茶堂の習俗」(国の選択無形民俗文化財)、神谷神社本殿、三豊市の本山寺本堂(ともに国宝建造物)、高松城跡(国史跡)、高松藩主の別邸の庭園であった栗林公園(特別名勝)等、島嶼部も含めて多くの重要文化財が残る。また、綾川町「滝宮の念仏踊」(国の重要無形民俗文化財)を代表とする雨乞い行事や、まんのう町の「綾子踊」(国指定重要無形民俗文化財)を代表とする念仏踊りもある。
多くの参詣客を集める金刀比羅宮には表書院、奥書院のほか、障壁画などに国の重要文化財の指定を受けているものが多い。日本最古の芝居小屋である金丸座では毎年江戸歌舞伎公演が行われている。善通寺の金堂と五重塔は国指定重要文化財。多くの寺宝があるが、とくに空海とその母が写したと伝えられる「一字一仏法華経序品」(国宝)は名高い。