さぬき市は、県東部に位置する。北は瀬戸内海に面し、東は東かがわ市に、南は徳島県、西は三木町と牟礼町に接する。小さな岬・半島の岩浜と砂浜が交互に織りなす海岸線を持つ。中央部には高松平野と連なった平野が広がり、大小の溜池が見られる。さぬき市の大部分は津田川と鴨部川の2河川の流域にあたる。津田川が注ぐ津田湾は別名蟹甲湾とも呼ばれる。最高峰の矢筈山は「四国百山」に選ばれている。
 JR高徳線、高松琴平電気鉄道志度線・長尾線、国道11号、377号が通じる。高松自動車道の津田東、津田寒川、志度の各インターチェンジがある。
 津田・志度の町並みは古くから形成されており、津田浦は室町、江戸時代には瀬戸内海沿岸各港を結ぶ物資の集散地として栄えた。さらに、四国霊場八十八ヵ所の志度寺、長尾寺、結願の寺大窪寺があり、古くから門前町として栄えたところでもある。
 農業では稲作と野菜、果樹、畜産を組み合わせた複合経営が営まれ、イチゴ、タマネギ、キャベツ、ブドウ、花卉栽培が盛ん。漁業はハマチ、タイ、カンパチ、カキなどの養殖が行われている。この他、志度地区の臨海工業団地や長尾地区の農産加工工場団地があり、機械、ゴム製品、冷凍食品などの工場がある。
 国の重要文化財の旧恵利家住宅、細川家住宅、富田茶臼山古墳など史跡が多い。四国八十八か所の志度寺、長尾寺、結願寺である大窪寺には巡拝者が集い、「おへんろ交流サロン」や「へんろ資料展示室」もある。なお、大窪寺は女子にも登山が許された女人高野としても信仰を集めている。

観光資源一覧

大窪寺の写真

大窪寺 (香川県 さぬき市 )

四国霊場八十八ケ所第88番札所、四国遍路を締めくくる結願(けちがん)の寺である。縁起によると、717(霊亀3・養老元)年に行基菩薩がこの地を訪れた際に、霊夢を感得し草庵を建て修行をしたことが起源とされる。その後、816(弘仁7)年に唐から帰国した弘法大師が、現在の奥の院近くの胎蔵ヶ峰という岩窟で虚空蔵求聞持法を修法し堂宇を建...

志度寺の写真

写真提供:志度寺

志度寺 (香川県 さぬき市 )

県東部、道路一本隔てて志度湾に接する四国霊場八十八ケ所第86番札所。625(推古天皇33)年の創建と伝わる古刹で、海洋技能集団海人族の凡園子(おおしそのこ)が浦に流れ着いた霊木から十一面観音像を彫り、堂に祀ったのが始まりとされる。681(天武天皇10)年に藤原不比等が堂宇を増築し、「死渡(しど)道場」と名づけ、693(持統天皇7)...