四国村ミウゼアム(四国民家博物館)
屋島山麓にある四国村ミウゼアム(四国民家博物館)は、四国地方の伝統的な古民家や歴史的建造物を移築復原した野外博物館である。豊かな自然に囲まれた約5万m2の敷地に、江戸から大正期にかけての地方色豊かな建物が30棟あまり*配置されている。四国各地の民家、砂糖・和紙・醤油づくりなどに使用されていた伝統産業施設、農村歌舞伎舞台や茶堂などの村の共同施設、灯台退息所が復原されており、それぞれの建造物には、当時の生活の様子がうかがえるよう、たくさんの民具も展示されている。季節ごとに節句や正月の飾りつけをして、地域に伝わる風習や文化の紹介もしている。また、香川県が石の産地であることから、彫刻家・流政之の作品を配置している。
2002(平成14)年に建てられた安藤忠雄氏設計の「四国村ギャラリー」には、ピカソやボナールなどの絵画や彫刻、オリエントの美術品などを収蔵している。美術館のバルコニーからは立地を生かして造成された水景庭園とともに讃岐平野が見渡せる。博物館の入口には、茅葺きの古民家を改装した手打ちうどん店、神戸の異人館を移築したカフェを併設している。
2002(平成14)年に建てられた安藤忠雄氏設計の「四国村ギャラリー」には、ピカソやボナールなどの絵画や彫刻、オリエントの美術品などを収蔵している。美術館のバルコニーからは立地を生かして造成された水景庭園とともに讃岐平野が見渡せる。博物館の入口には、茅葺きの古民家を改装した手打ちうどん店、神戸の異人館を移築したカフェを併設している。
みどころ
史跡天然記念物の屋島の山麓の斜面を生かした園内はかなり広く、石畳や階段もあり、周囲を森に囲まれ鳥や虫も多く見られる。遊歩道や植栽はよく手入れされているが、履きなれた靴と動きやすい服装で、軽い山歩きくらいの心づもりで行くのがよい。建造物だけでなく、石の芸術作品や季節の花々など盛りだくさんの見どころが凝縮しており、全体をじっくり回ると2時間くらいかかる。
「村」に入るとまず、池に架かる少し小さめの「祖谷のかずら橋」があり、本物のような高さはないものの、スリルを味わうことができる(う回路あり)。建築物の復原にあたっては、移築前の様子を忠実に再現しようとしている。建物の裏手側まで手入れが行き届いており、維持管理のための設備も整えられている。それぞれの建物は自由に中に入ることができ、民具もすぐそばで見ることができる。古民家は季節の飾りや生け花で彩られ、週末にはボランティアの手によって囲炉裏に火が入れられていることもある。伝統的建造物のなかでは、讃岐特産の和三盆糖の原料であるサトウキビを絞る「砂糖しめ小屋」*がユニーク。日本建築には珍しい円形の小屋で、内部には柱がなく、牛が石臼を回していた。とんがり帽子のような茅葺き屋根のてっぺんに、サトウキビの搾り汁を貯める甕(かめ)が被せられていてかわいらしい。「村内」は梅、水仙、桜、チューリップ、あじさい、しゃくなげ、山茶花など季節の花を相当数まとめて植えており、開花の時季は見事である。農村歌舞伎舞台や神戸から移築した異人館(カフェ)は演劇の公演やコンサートにも利用されている。(勝田 真由美)
「村」に入るとまず、池に架かる少し小さめの「祖谷のかずら橋」があり、本物のような高さはないものの、スリルを味わうことができる(う回路あり)。建築物の復原にあたっては、移築前の様子を忠実に再現しようとしている。建物の裏手側まで手入れが行き届いており、維持管理のための設備も整えられている。それぞれの建物は自由に中に入ることができ、民具もすぐそばで見ることができる。古民家は季節の飾りや生け花で彩られ、週末にはボランティアの手によって囲炉裏に火が入れられていることもある。伝統的建造物のなかでは、讃岐特産の和三盆糖の原料であるサトウキビを絞る「砂糖しめ小屋」*がユニーク。日本建築には珍しい円形の小屋で、内部には柱がなく、牛が石臼を回していた。とんがり帽子のような茅葺き屋根のてっぺんに、サトウキビの搾り汁を貯める甕(かめ)が被せられていてかわいらしい。「村内」は梅、水仙、桜、チューリップ、あじさい、しゃくなげ、山茶花など季節の花を相当数まとめて植えており、開花の時季は見事である。農村歌舞伎舞台や神戸から移築した異人館(カフェ)は演劇の公演やコンサートにも利用されている。(勝田 真由美)
補足情報
*1976(昭和51)年の開設後も建造物が追加されており、灯台と灯台守の住宅である「退息所」は平成に入ってから移築・公開された。
*円形のものは、四国村にある2棟しか現存しない。内部中央に置かれた石臼に取り付けられた腕木を牛が引いてまわし、回転する石臼の間にサトウキビを差し込んで汁をしぼっていた。かつて讃岐平野にこのような小屋がぽつんぽつんと建っていたと香川県出身の画家・猪熊弦一郎が、「四国村」のオープン時に寄せた文章のなかで述べている。
*円形のものは、四国村にある2棟しか現存しない。内部中央に置かれた石臼に取り付けられた腕木を牛が引いてまわし、回転する石臼の間にサトウキビを差し込んで汁をしぼっていた。かつて讃岐平野にこのような小屋がぽつんぽつんと建っていたと香川県出身の画家・猪熊弦一郎が、「四国村」のオープン時に寄せた文章のなかで述べている。
関連リンク | SHIKOKUMURAミウゼアム(WEBサイト) |
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参考文献 |
SHIKOKUMURAミウゼアム(WEBサイト) うどん県旅ネット(公益社団法人香川県観光協会)(WEBサイト) 『香川県の歴史散歩』山川出版社 |
2022年11月現在
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