高松市は、香川県ほぼ中央部に位置し、瀬戸内海に面した港湾都市で、県庁所在地。東に屋島、庵治、牟礼、西に五色台を擁し、南は緩やかな勾配をたどりながら讃岐山脈に連なる。 市域の大部分は沖積平野。高松平野と呼ばれ、新川、春日川、詰田川、香東川、本津川などが瀬戸内海に注ぐ。南から北へ山地、丘陵地及び平野の順に分けられ、山地及び丘陵地の標高は100m~1,000mとなっている。
 JR予讃線、高徳線の他、高松琴平電気鉄道の志度線、長尾線、琴平線が通じる。1988(昭和63)年に瀬戸大橋が開通。高松空港からは国際便が就航する。その他、岡山宇野港、神戸港等を結ぶ旅客船もある。
 1588(天正16)~1590(天正18)年に築城された高松城は讃岐のほぼ中央にある全国でも珍しい水城で三重の堀がある。城下町として栄え、明治維新の廃藩置県後に香川県の県庁所在地となった。四国の中枢管理都市として発展してきたが、昭和~平成にかけての瀬戸大橋開通、新高松空港開港、四国横断自動車道延伸等により中核市に移行した。
 第二次世界大戦後に中央官庁の出先機関が置かれて以降、大企業の四国支店が進出し四国全体の中枢管理都市に発展。在来工業として製紙業と漆器工業があり、蒟醤(きんま)などの香川漆器は伝統的工芸品に指定されている。旧高松空港跡のインテリジェントパークには県立図書館や公・民の研究施設が集中、総合コンベンション施設のサンメッセ香川がある。
 高松城跡(国指定史跡)、北之丸月見櫓(国指定重要文化財)、小比賀家住宅(国指定重要文化財)、特別名勝栗林公園、石清尾山一帯の積石塚古墳群(国史跡)、源平の合戦で名高い屋島(国指定史跡・天然記念物)には四国民家博物館(四国村)がある他、県立讃岐民芸館、県立ミュージアム等がある。屋島、五色台、男木島、女木島などは瀬戸内海国立公園域。

観光資源一覧

四国八十八ヶ所・お接待の写真

四国八十八ヶ所・お接待 (徳島県 徳島市 / 香川県 高松市 / 愛媛県 松山市 / 高知県 高知市 )

四国八十八ケ所めぐりは弘法大師信仰の一つといわれる。  古代・中世の四国は、遍歴や巡礼を重ねる僧侶が修行を行う地であった。そのことは「今昔物語」(11世紀末から12世紀前半の成立)や歌謡集「梁塵秘抄」(12世紀後半に成立)に記されている。四国が修行の地であったのは、四国が仏教の後進地域であったため仏教を根付かせる必要性が...

屋島の写真

屋島 (香川県 高松市 )

瀬戸内海に突き出た標高292m、南北約5km、東西3kmのテーブル状の高地で、大きな屋根のように見えるため屋島と呼ばれている。約1400万年前に噴出した山上の讃岐岩質安山岩が他の岩石よりも硬く、その後の浸食で取り残され、頂上部が平らになった。典型的な「メサ」と呼ばれる地形であり、南嶺(292m)と北嶺(282m)の2つのピークがある。かつ...

屋島寺の写真

屋島寺 (香川県 高松市 )

屋島の南嶺(標高293m)にある天平勝宝年間(749~757年)の創建とされる古刹で、四国霊場八十八ケ所第84番札所。朝廷に招かれた鑑真が唐から当時の都、奈良に向かう途中、屋島に立ち寄り、北嶺*の霊地に普賢堂を建てたのがはじまりとされる。815(弘仁6)年には弘法大師が嵯峨天皇の勅願により、北嶺にあった伽藍を南嶺に移し、第84番の霊...

高松城の写真

高松城 (香川県 高松市 )

JR高松駅前にある高松城は、別名を玉藻城*といい、讃岐国領主・生駒家、高松藩主・松平家の居城であった。  1587(天正15)年、豊臣秀吉に讃岐一国を与えられ引田城(現、東かがわ市)に入った生駒親正が、1588(天正16)年瀬戸内海に面した港町に建設を開始した城で、3年後の1590(天正18)年に完成した。北を瀬戸内海に面し、内堀・中堀...

栗林公園の写真

栗林公園 (香川県 高松市 )

高松駅から南へ3km、紫雲山(しうんざん)*東麓にある、面積約75haにも及ぶ広大な庭園。紫雲山を背景に6つの池と13の築山で構成され、1000本を超える手入れ松や多彩な石組を配した園内は変化に富み、歩みを進めるごとに風景が変わる「一歩一景」と称される。南庭と北庭とに分かれ、南庭は池泉回遊式大名庭園として優れた地割りや石組みを有...

四国村ミウゼアム(四国民家博物館)の写真

四国村ミウゼアム(四国民家博物館) (香川県 高松市 )

屋島山麓にある四国村ミウゼアム(四国民家博物館)は、四国地方の伝統的な古民家や歴史的建造物を移築復原した野外博物館である。豊かな自然に囲まれた約5万m2の敷地に、江戸から大正期にかけての地方色豊かな建物が30棟あまり*配置されている。四国各地の民家、砂糖・和紙・醤油づくりなどに使用されていた伝統産業施設、農村...

八栗寺の写真

写真提供:八栗寺

八栗寺 (香川県 高松市 )

高松市の東方、源平の古戦場、壇ノ浦を挟んで屋島と向かい合う五剣山(標高375m)の中腹にある、四国霊場第85番札所。五剣山にはもともと5つの峰があったが、江戸時代の1706年(宝永3)の大地震で東の峰が一部崩落した。  寺伝によれば、空海がこの地で修行中、天から降ってきた五本の剣を五つの峰に埋め、大日如来の像を刻み鎮護としたこ...

屋嶋城の写真

屋嶋城 (香川県 高松市 )

663(天智天皇2)年の白村江の戦い*を契機として、中大兄皇子が唐と新羅の侵攻に備え、対馬、九州から瀬戸内海沿岸にかけて築かせた山城の一つ。667(天智天皇6)年に築かれたことが「日本書紀」に記されている*。屋島はもともと陸地から切り離された島で、海上交通における要所にあり、メサ地形特有の断崖絶壁が発達し、眺望が利く場所も...

男木島の町並みの写真

男木島の町並み (香川県 高松市 )

男木島は高松港の北方約10km、フェリーで約40分のところにある。周囲約5km、面積1.37km2、海に浮かぶ独立峰のような島で、島の最高地点は標高213mのコミ山。島の北端にある男木島灯台は、灯台守を主人公とした映画「喜びも悲しみも幾歳月」*のロケ地として有名である。古くから漁業の島として知られ、現在もサワラやタコなどを漁...

ベネッセアートサイト直島の写真

写真提供:©YAYOI KUSAMA

ベネッセアートサイト直島 (香川県 直島町 / 香川県 土庄町 / 香川県 小豆島町 / 香川県 高松市 / 岡山県 岡山市 )

ベネッセアートサイト直島は岡山市に本拠を置く、通信教育などで知られる、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が瀬戸内海の直島、豊島、犬島などで展開する現代アートに関わるさまざまな活動である。美術館、宿泊事業、集落の古民家などを使ったインスタレーション*のほか、刊行物やシンポジウムなどの情報発信も行っ...