徳島県
印刷する吉野川流域の徳島平野、勝浦川・那賀川の下流部の沖積平野が主な居住・生産地域。讃岐山脈、剣山地等の山地が全面積のおよそ8割を占め、1,000mを越える山も数多くある。
気象は、四国山地の北側と南側で大きく2つに区分される。北部は典型的な瀬戸内気候に属し、温暖で全国的に見て少雨地域の部類であり、南部は典型的な太平洋気候に属して、四国山地の南東斜面を中心とした山地は 日本でも有数の多雨地域となっている。
歴史は古く、古くは粟国と長国の2国があったといわれ、大化改新(645年)ごろには阿波一国に統一された。徳島の地名は、1585(天正13)年、阿波に入国した蜂須賀家政が翌年渭津(現在の徳島市)に猪山城を築き、渭津を徳島と改めたことに始まる。以降、政治・文化の中心となり、江戸時代は藍・塩・砂糖・葉たばこの専売によって富を築いた。明治時代の廃藩置県で幾度かの編成を経て、1880(明治13)年3月、徳島県が再置されて、今日に至る。
農林業が盛んで、稲作の他、サツマイモ、大根、ニンジン等の栽培の他、白瓜、レンコン、タケノコの生産が全国に知られる。地場産業としては藩政期からの木工業、阿波正藍しじら織、鳴門市の大谷焼、吉野川市の阿波和紙、上板町の和三盆糖、つるぎ町のそうめんなどの伝統的な工芸品がある。
徳島県最大の祭りとして知られる阿波踊を始め、人形芝居等の文化が根付き、「阿波人形浄瑠璃」は国の重要無形民俗文化財。「西祖谷の神代踊」(国の重要無形民俗文化財)、「曽我氏神社神踊」(選択無形民俗文化財)、「宅宮神社神踊」など県下には神踊が分布する。また、四国遍路の接待場所でもある「阿波の辻堂の習俗」は選択無形民俗文化財。国指定天然記念物には、樹齢1000年以上と推定される東みよし町の「加茂の大クス」(特別天然記念物)のほか、「阿波の土柱」(阿波市)、「大浜海岸のウミガメおよびその産卵地」(美波町)などがあり、渦潮で知られる鳴門は国の名勝に指定されている。