大浜海岸のアカウミガメおおはまかいがんのあかうみがめ

JR牟岐線日和佐駅から15分にある大浜海岸は、1967(昭和42)年に、日本のウミガメ産卵地の中で最初の国の天然記念物に指定されたアカウミガメ*の産卵地として知られる。大浜海岸は、約500mほど細かい砂粒の美しい砂浜がつづき、5月中旬から8月上旬までの間で、アカウミガメが産卵のために上陸する。カメは夜間の上陸が多く、産卵前のカメは光に非常に敏感である。カメは2時間で100個前後を産み、ひと夏で個体で4~5回産卵する。卵は50~80日で孵化し、子亀は夜にいっせいに砂から這い出して海に向かっていく。
 以前は毎年延べ100回以上もこの砂浜に上陸していたが、1990(平成2)年代から全国的に激減し、2015(平成27)年はわずか15回、2020(令和2)年は3回の上陸であった*。毎年、上陸の時期になると、海岸への立ち入り禁止や光の規制、監視員が1時間ごとに巡回している。
 大浜海岸に世界でも珍しい日和佐うみがめ博物館カレッタがある。「自然と人間の共存」をテーマにできた博物館で、1階には、ウミガメの進化史、世界のウミガメの展示、大浜海岸と世界の主な産卵場を教えてくれる4面マルチ映像、子ガメが泳ぐ水槽などがある。2階では、大浜海岸が一望できる。注目すべきは、屋外に人工ふ化場やアカウミガメの飼育プールがあり、ウミガメ、淡水カメ、リクガメなど約90匹を見ることができる。
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みどころ

アカウミガメ観察に日本で初めて取り組んだ日和佐海岸。町民がウミガメ産卵の環境を大切にしており、環境問題についても学べる観察用の施設カレッタはよくできている。ここでは屋外で飼育されているカメを間近にみることができる。町内を歩くと、橋、トイレの前、マンホール、電話ボックスなど、ウミガメをモチーフにしたものが見られる。
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補足情報

*アカウミガメ:ウミガメ科、甲羅が赤みを帯びているのでこの名がある。甲羅の長さは90~100cmにも達する。産卵は夜の10時から早朝にかけて砂に深さ40cmほどの穴を掘り、ピンポン玉大の卵、100個前後を産む。6~7月がもっとも多く見られる。
*ウミガメ上陸減少の背景:全国的には減っていないので、海水温の上昇ではなくて、大浜海岸の砂浜が狭くなり、石も多くなっていることや、気を付けているが、明かりが以前より増しているのが原因でないか(博物館職員談)。
関連リンク 日和佐うみがめ博物館カレッタ(WEBサイト)
参考文献 日和佐うみがめ博物館カレッタ(WEBサイト)

2023年02月現在

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