轟九十九滝とどろきくじゅうくたき

JR牟岐線・阿佐海岸鉄道 阿波海南駅からおよそ1時間かけて轟神社まで行く町営バスがある。轟九十九滝とは海部川上流の王余魚谷川(かれいたにがわ)の渓谷にかかる大小無数の滝の総称。本滝の轟の滝、別称王余魚(かれい)滝*は落差約58m、さらに本滝の上流の間には二重ノ滝、横見ノ滝などが連続し、最上部の鍋割の滝まで約1,500m、遊歩道が整備されていて、往復2時間でゆっくりと散策を楽しめる。また、本滝の近くには滝を御神体とする轟神社*と龍王寺*がある。7月第2日曜日に夏祭り*、11月第2日曜日に秋祭り*が行われる。
#

みどころ

うっそうとした樹木に覆われ薄暗いなか、滝の上部は逆光に照らされ輝き、水量は豊富で、轟音とともに豪快な滝が岩壁を流れ落ちる。この様は修行の場にふさわしい神秘的な雰囲気で、滝壷は古くから修験者の行場となっている。
#

補足情報

*王余魚滝:難読地名で知られる。王余魚とは、中国の故事に「王が鰈(かれい)を食べたとき、半身を余した魚」から付けられたとされる。王余魚川からとった滝名であるが、王余魚とは、「海部郡誌」による、「カレイは涸れ樋の意味と思ふ、即ち此谷より放水を引いて居つたが其樋(井出)の水が涸れたから涸れ樋谷の名が起りカレイと轉訛したものであろう」とある。
*轟神社:桃山時代、近国において抜群の験者として知られた大越家(だいおつか)四世吉祥院興榮がこの地に籠もり、本瀧に祈願して数々の霊験を得て1591(天正19)年11月13日に創建された。
*龍王寺:轟神社の登り口にあり、院号を龍瀑院と称する。蜂須賀信濃守が海上で釣りをしていた時に、厨子が流れ寄り拾って城内に祀ったところ、那智山に祀られていた観音で、王余魚滝に祀れとの夢お告げがあったので、ここに観音の堂を建てたという。夏の祭礼時には、当寺から神輿の渡御があり、秋の祭礼時には、焼けた護摩の上をはだしで歩く火祭りが行われる。
*夏祭り:龍王寺から神輿がでる珍しい祭り。神輿は龍王寺から滝まで行き、神輿を担いだまま滝壺に入る”滝渡御”が行われる。
*秋季例大祭:白装束に身を包んだ男達が轟神社から御輿を担ぎ140段の急な石段を駆け下り、龍王寺の境内を通り滝に向かい、神輿とともに滝壺に入る。
関連リンク 海陽町観光協会(WEBサイト)
参考文献 海陽町観光協会(WEBサイト)
『徳島県の歴史散歩』

2023年02月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。