海陽町は、県の最南端に位置し、南東の海岸線は太平洋を臨む。北は那賀町、東は牟岐町、美波町、西は高知県東洋町、北川村、馬路村と接する。
 北部と西部には標高1,000mを超す山々が連なる。これらの山々を水源として、海部川、南部を宍喰川が流れ、太平洋に注ぐ。海部川下流には沖積平野が広がる。JR牟岐線、阿佐海岸鉄道が走る。海岸沿いに国道55号(土佐浜街道)が通じ、海部川に沿って国道193号に分岐する。
 鞆浦には土佐藩の押さえの役割をした海部城が築かれ、川口番所、遠見番所が置かれていた。北宋銭を中心に7万枚に及ぶ銭貨が出土した大里は徳島藩時代には海部城に付属する鉄砲組が置かれ、現在も槙囲いの家並が残る。海部川流域は海部刀の産地としても知られていた。奥浦は商業の町として発展。宍喰町地域は宍咋荘の地とされた。
 産業は林業のほかに、キュウリ、イチゴ、花卉栽培が盛ん。沿岸漁業も行われている。
 沿岸はリアス式海岸が続き、室戸阿南海岸国定公園に含まれ、八坂八浜や大里松原、竹ヶ島などの景勝地がある他、四国一の大滝といわれる轟ノ滝、四国霊場別格札所鯖大師、総合文化施設の阿波海南文化村、日本三祇園の一つとされる八坂神社などがある。また、母川のオオウナギ生息地、鈴が峯のヤッコソウ発生地、宍喰浦の化石漣痕は国指定天然記念物、八坂神社の祇園祭は県指定無形民俗文化財となっている。東端に県下最大の汽水池である海老ヶ池と、海岸に大松原がある。

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轟九十九滝の写真

轟九十九滝 (徳島県 海陽町 )

JR牟岐線・阿佐海岸鉄道 阿波海南駅からおよそ1時間かけて轟神社まで行く町営バスがある。轟九十九滝とは海部川上流の王余魚谷川(かれいたにがわ)の渓谷にかかる大小無数の滝の総称。本滝の轟の滝、別称王余魚(かれい)滝*は落差約58m、さらに本滝の上流の間には二重ノ滝、横見ノ滝などが連続し、最上部の鍋割の滝まで約1,500m、遊歩道が...