徳島市は県庁所在地で、県北東部、吉野川の河口に位置し、小松島市、勝浦町、松茂町、北島町、藍住町、石井町、神山町、佐那河内村と接する。
 市街地は吉野川とその支流がつくり育てた沖積平野の三角州上に立地。市内には吉野川をはじめ138もの川が流れ、小分流の間には「島」のつく地名が多く、水の都の感を強くしている。市のほぼ中央部にある眉山と城山は市のシンボル。
 JR高徳線、徳島線、牟岐線、国道11号、55号、192号、438号が通じる交通の要地。1995(平成7)年には徳島自動車道が開通。徳島小松島港徳島港区(徳島港フェリーターミナル)からは和歌山、東京、北九州などへの定期航路が就航。
 城下町としての発展は1585(天正13)年、蜂須賀家政の入国に始まり、以後、蜂須賀14代の治世のもと明治維新まで徳島藩の中心として繁栄した。明治以降も県庁、市役所は城山周辺に立地。藩政時代の地域区分、機能区分を継承している。現在は、神戸鳴門ルートと四国縦貫・横断道の結節点として、近代産業の育成や高速情報化時代に対応した都市づくりに取り組む。
 藩政時代から行われている木工品製造が中心で、明治以降は鏡台、たんす、仏壇等の製造が盛ん。この他、味噌、醤油の醸造業や、染色、織物業が行われている。吉野川北岸には化学、繊維などの大手企業の工場立地もみられる。耕地は減少しているが米作、サツマイモ、スダチ、イチゴなどの野菜・果樹栽培に加え、漁業ではハモ、太刀魚、イカなど小型底引網、機船船曳綱による沿岸漁業やノリ養殖がある。
 1875(明治8)年に徳島城が徳島中央公園となり、城跡は国の史跡、表御殿庭園が国の名勝に指定。1992(平成4)年に徳島城博物館が開設された。奈良時代に国衙が置かれた観音寺や四国八十八か所の寺等があり、丈六寺の三門は室町時代の和唐様折衷の建築で本堂、観音堂、経蔵が国重要文化財に指定。四国最大の行事である阿波踊(8月12~15日)や、1年を通して阿波踊をみることができる「阿波おどり会館」、文化の森総合公園(県立博物館、県立近代美術館、図書館や文書館等)、とくしま動物園、とくしま植物園等がある。市のシンボルである眉山へはロープウェーが通じ、頂上からは市街や淡路島を眺望できる。

観光資源一覧

四国八十八ヶ所・お接待の写真

四国八十八ヶ所・お接待 (徳島県 徳島市 / 香川県 高松市 / 愛媛県 松山市 / 高知県 高知市 )

四国八十八ケ所めぐりは弘法大師信仰の一つといわれる。  古代・中世の四国は、遍歴や巡礼を重ねる僧侶が修行を行う地であった。そのことは「今昔物語」(11世紀末から12世紀前半の成立)や歌謡集「梁塵秘抄」(12世紀後半に成立)に記されている。四国が修行の地であったのは、四国が仏教の後進地域であったため仏教を根付かせる必要性が...

徳島城跡の写真

徳島城跡 (徳島県 徳島市 )

JR徳島駅から徒歩10分足らずの場所にある徳島藩主蜂須賀氏の居城があったところで、徳島中央公園として市民に親しまれている。戦国時代、豊臣秀吉の四国攻めで戦功を上げた蜂須賀正勝の子、家政が入封。1585年(天正13)に築城を開始し、1586(天正14)年、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)や小早川隆景(こばやかわたかかげ)などの助...

阿波おどりの写真

阿波おどり (徳島県 徳島市 )

「踊る阿呆に見る阿呆・・・」で、全国的に知られる阿波おどり。県内では、8月9日に開催される鳴門市阿波おどりを皮切りに、各地で阿波おどりが開催されるが、最もにぎわいを見せるのが、徳島市の阿波おどりである。踊り手約10万人・人出約130万人にも達するという、四国最大の夏祭りである。  阿波おどりの起源は、1586(天正14)年、蜂須賀...

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷の写真

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷 (徳島県 徳島市 )

阿波十郎兵衛屋敷は、JR高徳線徳島駅の北東7kmの吉野川の河口付近にあり、徳島駅からのバスの本数は少ないが、屋敷前がバス停となっているため移動がしやすい。  近松半二ら5人の合作「傾城阿波の鳴門」*のモデルとなった庄屋板東十郎兵衛の屋敷跡である。現在はもとの屋敷の5分の1に縮小している。屋敷内の展示室には、阿波木偶(あわで...

新町川の写真

新町川 (徳島県 徳島市 )

徳島市は川と橋のまちで、寺島、出来島、福島など、島のつく地名も多い。徳島も美称の「徳」で、「すばらしい島」を意味する。助任川、田宮川、住吉島川などたくさんの河川に囲まれた「水の都・徳島」で、その中でも市民がもっとも愛する川が新町川である。  徳島駅や城山、市役所などがある市の中心部は、助任川と新町川が囲んだ川の中州...