美波町は、県南東部に位置し、北は阿南市、那賀町、西は牟岐町、海陽町に接し、南東は太平洋に望む。
 赤松川、北河内谷川、日和佐川が流れ、帯状に耕地が点在。平坦地は少なく、山地が海岸まで迫る。日和佐川河口に平地が開けて市街地を構成し、町の中心部をなしている。北西に御世山、鉢ノ山、八郎山、南西に胴切山、五剣山等がある。
 JR牟岐線、国道55号(土佐街道)が通り、南阿波サンライン(県道日和佐牟岐線)が海岸近くを走る。
 歴史は古く、東由岐の大池で宋銭などが発見され、大池南方の由宇には中世の九州型板碑がある。江戸時代には浜方で加子役を務める者も多く、土佐街道筋には徳島藩の川口役所が置かれた。江戸後期には郡代官所が移り幕末には郡行政の中心地だった。明治以降も漁業が盛んで阿部の潜水漁は世界にも知られ、大正期には遠洋漁業の基地にもなった。
 古くから漁業が中心で県立水産試験場(現、県立農林水産総合技術支援センター水産研究所美波庁舎)がある。
 風光明媚なリアス式海岸で千羽海崖やアカウミガメの産卵地である大浜海岸などを有し、室戸阿南海岸国定公園の中心。ウミガメ及びその産卵地は国の天然記念物に指定されており、うみがめ博物館「カレッタ」がある。奥河内の薬王寺は四国霊場八十八か所のひとつとなっている。

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大浜海岸のアカウミガメの写真

大浜海岸のアカウミガメ (徳島県 美波町 )

JR牟岐線日和佐駅から15分にある大浜海岸は、1967(昭和42)年に、日本のウミガメ産卵地の中で最初の国の天然記念物に指定されたアカウミガメ*の産卵地として知られる。大浜海岸は、約500mほど細かい砂粒の美しい砂浜がつづき、5月中旬から8月上旬までの間で、アカウミガメが産卵のために上陸する。カメは夜間の上陸が多く、産卵前のカメは...