神山町は、県東部に位置し、東は南行者野を境にして徳島市に、鬼籠野を境にして佐那河内村に接し、西は川井峠を経て美馬市に隣接し、南は剣山山系を境として那賀町、上勝町に、北は吉野川市、石井町に接している。国道193号、438号が通じる。
 町の中央を吉野川に注ぐ鮎喰川が流れ、上中流域に農地と集落が点在。その周囲を町域の約 86%を占める300~1,500m級の山々が囲む。山林は植林された杉、檜が多いものの、ミツバツツジやシャクナゲなどの自然植生群落もみられ、南西部にある柴小屋自然林や最高峰雲早山の頂上付近に広がるブナ、カエデ類の高木、ヒメシャラなどの自然林は清流鮎喰川の源となっている。
 古来、阿波の語源ともいわれる「粟生の里」と呼ばれ、多くの人が交流する拠点として栄えてきた。江戸時代から明治にかけては、農民の娯楽として阿波人形浄瑠璃が盛んに上演されていた。その舞台を飾った襖絵が今も1,400点余り残されているほか、一時休止していた人形浄瑠璃座寄井座も町民と関係者の熱意で復活し、当時の息吹を現代に蘇らせている。
 スダチ、ハッサク、ウメ、花卉(かき)、シイタケの栽培が盛ん。
 中部山渓県立自然公園に焼山寺(四国八十八か所札所)、雨乞の滝、神通滝等がある。この他、北東部に県立神山森林公園、中央部に神山温泉や、下分出土の平型銅剣(国指定重要美術品)、江戸中期の農家建築である粟飯原家住宅(国指定重要文化財)等がある。上一宮大粟神社は粟(阿波)国の開祖神大宜都比売命を祀っている。

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