三好市は、四国のほぼ中央部、県の西端に位置し、美馬市、つるぎ町、東みよし町、那賀町、香川県観音寺市、三豊市、まんのう町、愛媛県四国中央市、高知県香美市、大豊町と接する。
 北部は讃岐山脈、南部は四国山地で、東南端に県下最高峰の剣山がそびえる。南の高知県境に三嶺、天狗塚、綱附森、東の美馬郡境には丸笹山、矢筈山などの高山が連なり、市域の大半が山地で占められる。四国山地を南北に横断する吉野川が市の中央部を流れており、市の池田町でほぼ直角に曲がり東進し、河口部でくさび形の徳島平野を形成している。
  JR徳島線、土讃線、国道32号、192号、319号、439号が通り、徳島自動車道の井川池田ICがある。
 古くから交通の要衝として、また、県西部での社会、経済、文化、観光の中心として発展。旧石器時代、縄文時代の遺跡は大部分が吉野川沿いに分布。古代には東大寺、山城石清水八幡宮など中央の大社寺の荘園が設定された。鎌倉時代に小笠原氏によって池田地区に築城された大西城(池田城)は1585(天正13)年に阿波国の領主となった蜂須賀氏により阿波九城の一つとなり、廃城後も宿場町として繁栄した。
 現在は林業のほか、米、ジャガイモ、サツマイモや茶、ハッサク、カキ、ナシ、ブドウなどの果樹の栽培、クリ、シイタケ、ミツマタ、コウゾなどの林産物がある。
 三嶺・天狗塚のミヤマクマザサ及びコメツツジ群落は国の天然記念物に指定。吉野川がつくる深い峡谷は大歩危・小歩危とよばれる美しい景観で知られ、剣山国定公園の一部をなす。この他、黒沢湿原、紅葉の名所・竜ヶ岳、四国第二の高峰・剣山や、四国八十八カ所札所の雲辺寺、平家落人伝説の残る祖谷のかずら橋、国の伝統的建造物群保存地区選定「落合地区」等がある。また、明治期に反映した刻みたばこ業者の家屋を利用した「阿波池田うだつの家」の一画に「阿波池田たばこ資料館」がある。

観光資源一覧

祖谷渓の写真

祖谷渓 (徳島県 三好市 )

剣山に源を発して西流する祖谷川は、松尾川などの支流を集めて吉野川に合流する。この祖谷川の下流部に発達した渓谷が祖谷渓である。一番の難所の約200mの七曲りの断崖、祖谷渓を見渡せるところに小便小僧がある。その昔、子どもや旅人がここで度胸試しをしたという逸話があるところ。近年、注目されているのが「ひの字渓谷」。蛇行する祖谷...

大歩危小歩危の写真

大歩危小歩危 (徳島県 三好市 )

石鎚山の東に源を発する吉野川が、石鎚・剣の山脈を横ぎる8kmのわが国の代表的な峡谷をつくりだす。大昔、四国山地が隆起する以前に流れていた吉野川が、山地が隆起するに従ってどんどん下刻をし、四国山地を横切るような峡谷となったのである。  「ボケ」は、切り立った崖を表す自然地形名称「ホケ」が地名化したものである。今から約200...

箸蔵寺の写真

箸蔵寺 (徳島県 三好市 )

JR土讃線阿波池田駅から北東4kmほどに箸蔵寺がある。吉野川北岸にそびえる箸蔵山(約720m)の南斜面、中腹から山頂付近を占める広大な寺域である。  高野山金剛峰寺の『由来略記』によれば、828(天長5)年、当山で修行中の空海が金毘羅神からの託宣*を受けて七堂伽藍を建立したと伝え、俗に金刀比羅奥ノ院ともいう。慶長年間(1596~1615...

祖谷のかずら橋の写真

祖谷のかずら橋 (徳島県 三好市 )

JR土讃線大歩危駅からバスで約25分。祖谷渓の上流にかかる吊り橋で、その名のとおり野生のカズラ、シラクチカズラ(学名 サルナシ)*を主材料にして作られている。長さ約45m、幅2mで、中央の水面からの高さ14mの所にかかっている。  カズラを編んだ敷綱(しきづな)に、栗の木を割ったサナギと呼ぶ丸太をくくりつけて床部を造り、橋の手す...

雲辺寺の写真

写真提供:雲辺寺

雲辺寺 (徳島県 三好市 )

香川県と徳島県の県境、雲辺寺山(標高927m)にある、四国霊場八十八ケ所第66番札所。四国霊場では最も標高が高い。寺の住所は徳島県三好市だが、霊場としては古くから讃岐の打ち始めの札所として扱われ、最後の「関所寺」*である。歩き遍路では一つ前の三角寺(愛媛県四国中央市)から峠を越えて進み、徳島県側から雲辺寺山に登る。次の大...

剣山の写真

剣山 (徳島県 三好市 / 徳島県 那賀町 / 徳島県 美馬市 )

徳島県西部に位置し、四国の屋根といわれる剣山地の主峰。標高1,955mは四国では石鎚山(いしづちさん)に次ぐ高峰であり、西日本で2番目に高い山である。古くから山岳信仰の山として昭和初期まで女人禁制が堅守されていた。名前の由来*は壇ノ浦の戦に敗れた平家の落武者が、祖谷にのがれる際、安徳天皇の剣を隠したことによるという。山名に...