阿波おどりあわおどり

「踊る阿呆に見る阿呆・・・」で、全国的に知られる阿波おどり。県内では、8月9日に開催される鳴門市阿波おどりを皮切りに、各地で阿波おどりが開催されるが、最もにぎわいを見せるのが、徳島市の阿波おどりである。踊り手約10万人・人出約130万人にも達するという、四国最大の夏祭りである。
 阿波おどりの起源は、1586(天正14)年、蜂須賀家政が徳島城完成を祝って無礼講を許し、町人たちが城内を踊り回ったのが始まりという説が、明治時代末期以降長い間有力であったが、いまは歴史学者の間で俗説となっている。起源に関しては、その他に、鎌倉時代の念仏踊りから続く先祖供養の盆踊りを起源とする説、あるいは戦国末期の勝端城で行われていた風流踊りを起源とする説もあるが、定説はない。いずれにしても、畿内などで踊られていた風流踊りなどのさまざまな踊りが城下の踊りとして取り入れられ、城下の発展につれ町衆に支えられ発展してきた400年の歴史を持つ。
 例年*、徳島市の阿波おどりの期間は、毎年8月12~15 日の4日間で、本番前日11日の「選抜阿波踊り大会前夜祭」から始まり、本番期間中の昼間は「選抜阿波おどり大会」が行われ、夜は「阿波おどり」を、徳島市内の南内町・藍場浜の有料演舞場を中心に、おどり広場や無料演舞場で見て楽しむことができる。当日、実際に踊りたい場合は、にわか連として参加できる。
 祭りの期間以外の日でも、阿波おどり会館*で、いつでも阿波おどりを見ることができるし、一緒に踊ることもできる。
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みどころ

踊りは、踊り手と、三味線・太鼓・鉦などの鳴り物連中からなり、30~50人の「連」と呼ばれるグループを作って、踊り歩く。男性は浴衣の尻をはしょり、女性は鳥追い笠に赤い蹴出しのいでたちで、二拍子の軽快なテンポと独特の「はやし」に合わせて踊る。「手をあげて、足をはこべば阿波おどり」といわれるほど、その踊りは簡潔で、踊り手の個性も豊かに表現できるのが特徴。本番前日の11日は、アスティとくしまで前夜祭が開催され、有名連*から選抜された踊り子・鳴り物が披露される。阿波おどりの期間は、例年8月12~15日である。
 市内を歩くと、信号機の横に取り付けられた「ステンドグラスの踊り子」、男踊り・女踊りのブロンズ像が据えられた「両国橋」、郵便ポストの上に立つ「小さな踊り子の銅像」などが、阿波おどりの雰囲気を醸し出している。
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補足情報

*例年:2020(令和2)年、新型コロナウイルスの影響で、戦後初めて中止となった。
*阿波おどり会館:一年中阿波おどりに親しむことができる施設で、見学者も一緒になって踊ることができる。2階の阿波おどりコーナーではいつでも阿波踊りを見ることができる。昼は4回、会館専属連が昔から現代までの変化してきた踊りを披露し、夜は1回、34連の有名連が毎日交替で出演する。ただし、時期、曜日によって、昼間の公演回数が2~4回と異なったり、夜の有名連が出演しないこともあるので、事前に出演状況を調べてから見に行くとよい。各公演には、観客に阿波おどりの踊り方を教えてくれる体験がある。会館の1階は、徳島の名産品と情報案内コーナー、3階は阿波おどりミュージアム(有料)、4階 貸室、5階で阿波おどりや観光などの情報発信をしている。会館5階が眉山ロープウエイの山麓駅になっている。
*有名連:阿波おどり振興協会、徳島県阿波踊り協会等に加盟する阿波踊り連34連を「有名連」と呼ぶ。卓越した技量で観客を魅了するこれらの連は、前夜祭や選抜阿波おどり大会といった夏の大型イベントや、阿波おどり会館の夜間公演への出演、県外・海外の観光イベントへ参加など、一年をとおして活動している。
関連リンク 徳島市(WEBサイト)
参考文献 徳島市(WEBサイト)
阿波おどり会館(WEBサイト)
『徳島市観光ガイドブック』徳島市役所
『新風土記 徳島県阿波おどり①~⑮1974.9.24-10.11』 朝日新聞
『阿波おどりの世界』朝日新聞徳島支局 朝日新聞社

2023年02月現在

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