奈良市
印刷する観光資源一覧
奈良のシカ (奈良県 奈良市 )
奈良のシカは春日大社の神の使い*1とされ古く*2から大切にされてきた。現在は奈良公園に1,300頭(2024年7月現在)ほどが生息、国の天然記念物として保護されている。春日大社の参道脇に鹿苑があり、シカの保護育成にあたっている。公園内の売店で販売している「鹿せんべい」*3は観光客がシカに与えることができるが、それ以外は一切与えられ...
春日山原始林 (奈良県 奈良市 )
奈良市の中心部から東に位置し、稜線を形作っているのが春日山で、奈良の市街から手前に見えるのが、春日大社の神山である御蓋山*1(標高297m)、その奥に標高498mの花山があるが、この両方、または一方を「春日山」と呼ぶ。この春日山を中心として北側に若草山(標高342m)、南側に高円山(432m)を見る面積298万m2の森が春日...
平城宮跡 (奈良県 奈良市 )
平城宮跡は、近鉄奈良線大和西大寺駅と同新大宮駅の間、佐紀路*1の南側に広々とした平地に遺された平城京*2の中心地であった史跡。現在は広大な遺跡公園となっている。平城京は710(和銅元)年に元明天皇により藤原京から遷都*3され、784(延暦3)年に桓武天皇により長岡京に遷されるまでの8代74年間の都であったが、延暦の遷都後は荒墟*4と...
東大寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から東大寺南大門まで東へ約1.2km、若草山の麓に広大な寺域を占める巨刹。仏教文化が最高潮に達した8世紀半ばに、国力を傾けて造営された。寺号は平城京の東方にある大寺ということに由来する。正式には金光明四天王護国之寺*1とも称し、南都七大寺*2の一つであった。天災や兵火でたびたび伽藍を失いながらも、本尊の「奈良の...
春日大社 (奈良県 奈良市 )
御蓋山(みかさやま)*1の麓、春日山原始林から続く深い杜の中に鎮座する古社。近鉄奈良線奈良駅から800mほどの興福寺境内のすぐ東に立つ一之鳥居*2から本社までさらに1300mほど続く表参道は、浅茅(あさじ)ヶ原、飛火野を通って行く。参道に燈籠が徐々に増え、二之鳥居を過ぎれば、両側に石燈籠が林立して、本社の南門*3へと導かれる。本殿...
興福寺 (奈良県 奈良市 )
境内の南側から入るのならば、近鉄奈良線奈良駅からアーケードの東向商店街を南下し、三条通りを西へ。駅から約500mで五重塔のたもとに着く。北側からならば、近鉄奈良駅から大宮通り(登大路)を東へ300mのところが北参道の入口になる。 約2万5,000坪(約8万2,500m2)に及ぶ境内には、仕切りの塀もない松林の中に、中金堂*1・...
薬師寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄橿原線西ノ京駅のすぐ南東にあり、境内に立つ三重塔は西ノ京のシンボルになっている。西ノ京駅から道を左にとれば、與楽門からすぐ境内に入れるが、正面は南側の南門となる。伽藍配置は、南門*1、中門、本尊の薬師三尊像(国宝)を祀る金堂*2、教学の中心となる大講堂*3、僧侶が食事をする食堂*4が南北に一直線に並び、金堂の左右(東西...
唐招提寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄橿原線西ノ京駅から北へ約600m、閑静な五条町の集落の一角に、木立の深い境内が広がっている。南大門*1をくぐると、正面に「天平の甍」の金堂*2が建ち、その背後に平城宮から移された講堂*3が構えている。奈良に遺る古代寺院のほとんどが兵火にかかっているなかで、創建時からの姿を維持しつつ、奈良時代から近世までの各時代の伽藍*4をよ...
元興寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から南へ約1km、「ならまち」の古い街並みのなかに元興寺は建つ。この寺は、蘇我馬子が飛鳥に建立した日本初の本格的寺院、法興寺(飛鳥寺*1)を前身とする。平城遷都によって現在地に移転し、新しい伽藍*2を建立、大いに栄えた。しかし、都が京都へ遷り、平安時代も後期になると寺勢は衰退、東大寺や興福寺の傘下に組み込ま...
新薬師寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良駅から東南へ約2.3km、天平建築の本堂*1と本尊の薬師如来坐像*2、天平期の塑造彩色像の十二神将立像*3で知られている。草創については、聖武(しょうむ)天皇の病気平癒を祈って、747(天平19)年に光明(こうみょう)皇后が建立し、7躯の薬師如来像を安置したという。当時、天皇の発願による東大寺の大仏が造立されていたが、そのさ...
秋篠寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線大和西大寺駅から北西に約1.2km、秋篠の里にあり、境内に入ると苔むした前庭が広がる。創建については諸説ある。当地の豪族・秋篠氏の氏寺だったともいわれるが、寺伝では780(宝亀11)年頃*1、光仁天皇の勅願により法相宗の六祖*2のひとり善珠が開いたとされる。奈良時代最後の官寺であり、造営は次の桓武天皇の代まで続いたと伝...
圓成寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から東へ約12km、忍辱山(にんにくせん)*1の山号をもつ柳生街道沿いの第一の古刹。赤松や杉が茂り、苑池の広がる浄土式庭園*2と一段高く立つ瀟洒な楼門*3、さらに奥の本堂*4や本堂左手にある丹塗(にぬり)の白山堂・春日堂と宇賀神本殿*5が背後の森に包まれる幽邃境となっている。同寺の縁起*6では、756(天平勝宝8)年に...
般若寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から北東へ約2.2km、京都に向かう奈良街道の奈良坂に面し、軒の低い二階屋の民家が並ぶなかに楼門が立つ。舒明天皇(593~641)のころ、高句麗の僧慧灌*1がここに一宇を建て、654(白雉5)年、孝徳天皇の病気全快を祈って蘇我日向臣(そがのひむかのおみ)が伽藍を創建したと伝えられる。さらに735(天平7)年、聖武天皇が平...
不退寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線新大宮駅から北へ約1km、木立に囲まれた参道の先にある。正式な山号寺号は金龍山不退転法輪寺である。「大和国金龍山不退寺縁起」によると、平城天皇は809(大同4)年譲位後に、この地に茅葺(かやぶき)の仮殿(宮)を営み*1、第1皇子阿保(あぼ)親王、その子在原業平*2も引きつづいてここに住んだと伝えている。この地での寺院...
法華寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線新大宮駅から北西へ約1.3km、東大寺転害門から西へたどる佐保路(平城京の一条南大路)の突き当たりにある尼寺。天平時代に光明皇后*1が藤原不比等*2の邸宅を喜捨して寺を建て、総国分尼寺となり、法華滅罪之寺*3と称した。七堂伽藍を備えた大寺であったと推定されるが、平安遷都後は衰え、鎌倉時代に西大寺の僧叡尊が再興したが、...
正暦寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から南東へ約9km、JR桜井線(万葉まほろば線)帯解駅から東へ5km。高円山の南、菩提仙川を遡った沢沿いに堂宇が建つ。一条天皇の発願によって992(正暦3)年、藤原兼家の子・兼俊僧正が創建し、当初は堂塔伽藍86宇を数える大寺であったといい、北大和五山*1に数えられていた。1180(治承4)年、平重衡の南都焼き討ちの際に全...
帯解寺 (奈良県 奈良市 )
JR桜井線(万葉まほろば線)帯解駅から北200mほどのところにある。寺伝では勤操を開基とする巖渕千坊*1の一院で霊松庵であったとされ、文徳天皇の皇后藤原明子が子がなく悩んでいた折、同庵の地蔵菩薩に祈願をしたところ、見事懐妊し、無事にのちの清和天皇を安産したことから、858(天安2)年に伽藍を建立し、寺号を「無事安産し、腹帯が安...
大安寺 (奈良県 奈良市 )
JR関西本線(大和路線)奈良駅から南へ約2km、JR桜井線(万葉まほろば線)京終駅から西へ約1.7km、奈良市街南西部のはずれに見える小さな森が現在の大安寺境内である。もともとは、聖徳太子が平群郡に建立したという熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)が草創*1と伝えられ、その後、舒明天皇の発願により寺地を遷し、十市郡(百済)で百済大寺と...
白毫寺 (奈良県 奈良市 )
JR桜井線(万葉まほろば線)京終駅から高円山に向って約2.2km、高円山の西麓、奈良盆地の眺望が開ける高台にある。境内は広くはないが、本堂と宝蔵などが建ち、本堂右手の池の奥には多宝塔跡や石仏を巡る「石仏の道」がある。創建は、諸説*1あり不詳だが、一説には天智天皇の本願により勤操*2が開基したともいわれ、高円山にあったとされる勤...
西大寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄大和西大寺駅の南出口から徒歩3分。765(天平神護元)年、称徳天皇の勅願*1によって東の大寺(東大寺)に対する西の大寺として創建され、官大寺の一つとして大伽藍を誇った。平安遷都、そして数度の火災によって衰えたが、鎌倉時代に叡尊*2が出て復興に努め、真言律宗の道場として再興した。現在は、江戸時代に再建された本堂*3・愛染堂*...
東大寺二月堂修二会(お水取り) (奈良県 奈良市 )
二月堂の本尊の前で罪障を懴悔し、国家の安泰と万民の快楽(けらく)などを祈る十一面悔過(けか)*1の法要。3月1日から14日まで行われる。752(天平勝宝4)年、実忠*2が笠置山の竜穴で菩薩たちの行法を見て創始*3したと伝えられ、もとは旧暦2月に行われたので修二会*4と呼ぶ。 現在の日程は次のとおりである。まず、前年の12月16日に翌年...
春日若宮おん祭 (奈良県 奈良市 )
春日大社の摂社で、本社の南東に鎮座する若宮の例祭。若宮は春日大社の本殿の祭神、天児屋根命*1と比売神*2の御子神である天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)を祭神とする。祭神は1003(長保5)年に出現したといわれ、水徳の神と仰がれた。長承年間(1132~1135年)の大雨洪水などによる飢饉・疫病蔓延に対し、関白藤原忠通*3が終息を祈...
若草山焼き行事 (奈良県 奈良市 )
東大寺の東、春日大社の北東にある標高342mの若草山*1で毎年1月第4土曜日に行われる。若草山の麓までは近鉄奈良線奈良駅から東へ約1.8km。18時15分に花火が打ち上げられ、18時半頃から山麓中央の大かがり火から松明に火を移し、法螺貝、ラッパの合図により若草山各所で一斉に山焼きの点火が行われる。山焼きの面積は約33万m2で30...
奈良国立博物館 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から東へ800mほどのところにある。日本で2番目にできた国立博物館で、仏教美術に関する文化財を中心に収蔵しており、展示も仏教美術の鑑賞と研究に役立つように考えられている。ギャラリーは「なら仏像館」*1・「青銅器館」*2・「東新館」*3・「西新館」*4の4つ。また、仏教美術関連の調査研究資料の作成・収集などを行い、...
大和文華館 (奈良県 奈良市 )
1960(昭和35)年、近畿日本鉄道の創立50周年記念事業の一つとして開館された。蛙股池*1畔の松林に囲まれた小高い所にあり、美術館の建物は日本建築の特色に近代美を生かしている。日本と中国、朝鮮を中心とする東洋古美術をテーマとする展示のほか、講演会などの行われる講堂がある。絵画・書跡・陶磁・彫刻・工芸・染織品など、収蔵の美術...
奈良女子大学 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から北へ約500m、佐保川の南岸にある国立の女子大学。1908(明治41)年に奈良女子高等師範学校として創立され、1949(昭和24)年に新制大学となった。現在は、奈良国立大学機構(2022年4月から)傘下の大学として文学部、理学部、生活環境学部、工学部の4学部が設置されている。明治期から近代女子教育の中心的な学校であっ...
霊山寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線富雄駅から南へ約2.6km、富雄川に臨んで朱塗の大鳥居*1が立ち、境内は矢田丘陵を背後に控えて木立が多い。創建については諸説*2あり、不分明だが、寺伝の略縁起では、聖武天皇の勅願によって、天平時代に行基が開基となったという伝承が記されている。本尊の薬師如来像*3の胎内からは「治暦二年」(1066年)の紀年銘が記された紙片...
月ヶ瀬梅林 (奈良県 奈良市 )
JR関西本線月ヶ瀬口駅から南へ約8km、奈良市街からは柳生経由で約30km、木津川の支流五月(名張)川の渓谷とダム湖の月ヶ瀬湖に沿い、両岸の岸辺から山腹へ約4kmにわたって梅林がつづく。その数1万本ともいわれ、両側から山が迫り、V字型をした渓谷は、2月下旬になると白い花に埋まり、芳香に包まれる。 梅林の起源*1は明らかではないが、...
「ならまち」の街並み (奈良県 奈良市 )
「ならまち」は、奈良市の旧市街地の一部であり、近鉄奈良駅の南、元興寺*1の旧境内やその周辺一帯をいう。古い街並みが残り、町家を改装したおしゃれな飲食店やショップが多く、人気の観光エリアとなっている。 この「ならまち」を含む奈良の旧市街は、平城京の「外京」とよばれる東の張り出し部に形成されたのが始まり。784(延暦3)年...
三枝祭 (奈良県 奈良市 )
「ゆりまつり」とも呼ばれる。近鉄奈良線奈良駅から南へ約400m、大神神社の境外摂社、率川(いさがわ)神社*1で例年6月16~18日に行われる。17日には、三枝(さいくさ)の花(三輪山に自生するササユリ)を酒樽に飾って神前に捧げ、4人の巫女がユリをかざして舞を奉納、神話時代を再現する。また、午後からは七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・...
奈良ホテル (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から南東へ約1.2km、JR関西本線(大和路線)奈良駅から東へ約2km。興福寺の南にあたり、旧大乗院庭園を南側に、東側は荒池に臨む奈良公園の高台に建つ。奈良ホテルは、日露戦争後、訪日外国人の増加に伴い、奈良にも洋式のホテル建設の気運が高まるなかで、鉄道会社やホテル事業者が中心になり、1909(明治42)年に開業した...
JR奈良駅旧駅舎(奈良市総合観光案内所) (奈良県 奈良市 )
JR関西本線(大和路線)奈良駅東口の北側、駅前広場に面して建つ。現在は奈良市総合観光案内所として利用されている。奈良駅は1890(明治23)年、大阪鉄道王寺駅~奈良駅間の開通とともに木造駅舎で開業。1907(明治40)に国有化され国有鉄道の駅となった。さらに1934(昭和9)年に2代目の駅舎が竣工、第二次世界大戦後増築も行われた。2004...
入江泰吉記念奈良市写真美術館 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から南東へ約2.2km、新薬師寺に隣接する。奈良大和路の風物を生涯、撮り続けた写真家・入江泰吉*1の作品を中心に、写真芸術を鑑賞できる写真専門美術館。入江泰吉の全作品(約80,000点)を所蔵するほか、近代美術写真の先駆者・工藤利三郎*2のガラス原板1,025点や奈良出身の風景写真家などの作品も所蔵している。 展示室で...
海龍王寺 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線新大宮駅から北西へ1.3km、平城宮跡の北東近くにある。710(和銅3)年、平城遷都の際、藤原不比等がこの地を土師氏から譲り受け邸宅を構え、北東隅にあった堂宇を引き継いだのが前身といわれる。731(天平3)年に藤原不比等の娘である光明皇后がこの地を皇后宮とし、伽藍を整備した上で、唐から帰朝した玄昉*1を住持に任じ開基とし...
依水園・寧楽美術館 (奈良県 奈良市 )
近鉄奈良線奈良駅から東へ約1km、東大寺南大門の西にある。依水園は1万3,481m2の敷地にかつては吉城川をひき入れ、若草山・春日山を借景とした庭園。前園と後園に分かれている。前園は、奈良晒*1を業とする清須美道清*2が延宝年間(1673~~1681年)に造園したもので、池泉回遊式の庭園内に三秀亭・挺秀軒・清秀庵などがある。東側...
山の辺の道 (奈良県 奈良市 / 奈良県 桜井市 / 奈良県 天理市 )
現在の桜井市金屋の海柘榴市*1に始まり、大神神社(三輪明神)、景行、崇神陵を経て、石上神宮から奈良の旧市街へ北上する、奈良時代以前からあったとされる古道。大和の「青垣」*2と称されてきた三輪山、龍王山、高円山、春日山など奈良盆地の東縁部をなす山並みの山麓を縫う約26km余りの道で、「古事記」*3や「日本書紀」*4にも記述がみら...