JR奈良駅旧駅舎(奈良市総合観光案内所)
JR関西本線(大和路線)奈良駅東口の北側、駅前広場に面して建つ。現在は奈良市総合観光案内所として利用されている。奈良駅は1890(明治23)年、大阪鉄道王寺駅~奈良駅間の開通とともに木造駅舎で開業。1907(明治40)に国有化され国有鉄道の駅となった。さらに1934(昭和9)年に2代目の駅舎が竣工、第二次世界大戦後増築も行われた。2004(平成16)年の関西本線(大和路線)、桜井線(万葉まほろば線)の高架化に伴い、同駅舎の本体部分を曳家によって18m北に移築し現在の敷地で保存されることになった。2009(平成21)年には奈良市総合観光案内所として利用されることになった。現在はカフェなども併設されている。
現存の建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造、幅25m、奥行き24.5mとほぼ正方形で、正面には本瓦葺寄棟屋根の車寄せを構え4本の列柱がこれを支える。宝形造の屋根の頭頂部には相輪のような棟飾が設置され、屋根の四隅には青銅製の風鐸が吊るされている。いわゆる和洋折衷の帝冠様式*1である。吹き抜け部の天井は折上格天井で中央部は天窓。広々とした室内は、白い内装に、壁面、柱など唐草模様などの装飾がなされている。中央のホールには、白い内装とは対照的に、復元された朱色の「平城宮跡第1次大極殿正殿」の柱と組物が設置されている。
現存の建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造、幅25m、奥行き24.5mとほぼ正方形で、正面には本瓦葺寄棟屋根の車寄せを構え4本の列柱がこれを支える。宝形造の屋根の頭頂部には相輪のような棟飾が設置され、屋根の四隅には青銅製の風鐸が吊るされている。いわゆる和洋折衷の帝冠様式*1である。吹き抜け部の天井は折上格天井で中央部は天窓。広々とした室内は、白い内装に、壁面、柱など唐草模様などの装飾がなされている。中央のホールには、白い内装とは対照的に、復元された朱色の「平城宮跡第1次大極殿正殿」の柱と組物が設置されている。
みどころ
JR奈良駅の東口を出て、左手に向かうと、ベージュのスクラッチタイル張り(タイル表面に細かい筋が入っている)と上下に開く細長い窓が印象的な建物が見える。これが奈良駅の旧駅舎。駅前広場に回って正面からみると、宝形造の屋根の上に寺院のような相輪が立てられており、さらに屋根の四隅には風鐸まで吊るされ、古都奈良の景観を意識した意匠になっている。室内に入ると多言語対応の観光案内カウンター、パンフレットコーナー、手荷物預かり、外貨両替機に授乳室や祈祷室まであり、充実した観光情報のセンターになっている。天井が高く、白い内装に天窓からの柔らかな外光を感じ、気持ちが良い。右手奥には、カフェもあり、落ち着いて奈良観光のプランを考えるのに格好の場所だ。
補足情報
*1 帝冠様式:近代的な鉄筋コンクリートビルの頂部に、和風の瓦屋根を載せる建築様式。1930年代に主として日本国内や満州国などの公共機関の庁舎で用いられた。
関連リンク | 奈良市観光戦略課(WEBサイト) |
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参考文献 |
奈良市観光戦略課(WEBサイト) 土木学会選奨土木遺産(WEBサイト) 黒沼善博「曳家による近代建築の保存活用と都市基盤整備一旧JR奈良駅舎木星本屋を事例としてー」駒澤大学地域学研究25 2012-03 「大和モダン建築」(WEBサイト) 「ええ古都なら」南都銀行 公務・地域共創部(WEBサイト) |
2024年12月現在
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