鳥取県
印刷するJR山陰本線から伯備線、因美線、境線各線が分岐。他に若桜鉄道、智頭鉄道が通じる。国道は9号線、29号線、180号線などのほか、鳥取自動車道、米子自動車道が通じる。また、鳥取・米子の2空港がある。鞍部には峠道が設置されており、山陰と山陽の交通路としての役目を果している地域もある。
東西に細長い地形で、南部は大山を最高峰とする中国山地の山々が連なる。日本海に面する北部海岸には、鳥取砂丘、北条砂丘が発達。白砂青松の海岸線が続く。北西部には弓ヶ浜がある。河川はいずれも中国山地を源とする千代川、天神川、日野川が主要河川で、多くの支流を集めながら日本海に注いでおり、それぞれ下流に鳥取・倉吉・米子平野を形成している。面積は都道府県順位では第41位。県総面積の約85%以上が山地面積となっており、平野部は海岸部と主要河川流域に限られる。
1871 年(明治4)の廃藩置県により隠岐を含めてかつての因幡、伯耆の二国を管轄する鳥取県が成立。1876年(明治5)に島根県に併合されたが 1881年(明治14)に分離して再置され、現在に至る。その際に隠岐は島根県に属することになり、現在の県域が確定。奈良時代には広範囲にわたって条里制が施行された。中世は佐々木高綱、名和長年らが守護となり、のち山名氏、尼子氏、毛利氏らが勢力をもった。江戸時代は池田氏32万石の領として栄えた。
農林業、水産業が盛ん。農林業では、米作のほか二十世紀梨などの果樹、タバコ、スイカ、ブロッコリー、長芋などの野菜の栽培、肉牛の因伯牛、乳牛、鶏、豚の飼育が盛ん。水産業では境港、鳥取市以東の漁港などを基地に、イワシ、サバ、イカ、カレイ、マツバガニ(ズワイガニ) などを漁獲。沿岸漁業が中心である。東部の若桜、智頭を中心に林郷がおこなわれ杉材を産する。南部の人形峠付近にはウランの鉱床がある。工業は電機、機械、金属、縫製、木工、製紙、食品加工業が行われる。県花は二十世紀梨の花。
縄文前期から弥生期の遺跡が大山北麓や沿岸部に多く分布し、内陸平野の丘陵地には多くの古墳が分布。銅鐸出土地もあり、畿内文化と大陸ないし北九州文化の波及がみられる。大山隠岐、山陰海岸の2つの国立公園と、氷ノ山後山那岐山、比婆道後帝釈の2つの国定公園、三朝東郷湖、奥日野、西因幡の3つの県立自然公園がある。 鳥取砂丘、浦富海岸などの日本海の景勝地や、はわい温泉、浜村温泉、三朝温泉などの温泉、大山をはじめとする山地の景勝地が多い。また、水木しげるや青山正剛等の漫画家の出身県としても知られ、観光資源となっている。