わらべ館の童謡・唱歌わらべかんのどうよう・しょうか

わらべ館は鳥取市にある童謡・唱歌とおもちゃをテーマとしたミュージアムである。
 唱歌「ふるさと」「春の小川」「朧月夜」の作曲で知られる岡野貞一*をはじめ、田村虎蔵*、永井幸次*らの出身地であったことから、県は「童謡・唱歌のふるさと鳥取」を推進している。その拠点施設としての鳥取県立童謡館と、鳥取市が1989(平成元)年に開催した‘89鳥取・世界おもちゃ博覧会の顕彰施設としての鳥取市立鳥取世界おもちゃ館が、1995(平成7)年に開館した。両者をまとめた愛称が「わらべ館」である。
 建物は1930(昭和5)年に建築された旧鳥取県立鳥取図書館の外観を復元したものである。この図書館は昭和初期のレトロなデザインが特徴であり、鳥取県の文化拠点として県民に親しまれてきたこと、そして鳥取市の歴史的街並みを記憶に残すために建築当時と同じ材料を使って復元された。
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みどころ

1階では童謡・唱歌をテーマに、わらべうたから始まる子どものうたの歴史を展示するとともに、岡野貞一、田村虎蔵、永井幸次ら鳥取県出身の音楽家の活動を紹介している。音楽という無形のモノを展示するための工夫として、茅葺き民家で影絵とわらべ歌を流す演出や、昭和初期の小学校を再現した教室で、羽織袴の先生が演奏する足踏みオルガンに合わせて合唱をするイベントの開催などを行っている(団体向けには臨時の開催も可能)。またカラオケやトイ楽器で遊べるドレミランドは、子ども連れに人気のコーナーである。
2階には実際に触って遊ぶことができるおもちゃの体験スペースや木工のおもちゃを作ることができる工房があり、3階には世界中のさまざまなおもちゃが、江戸時代のものから現代のものまで幅広く展示されている。
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補足情報

*岡野貞一:1878(明治11)年〜1941(昭和16)年。多くの唱歌を作った作曲家。主な作品「ふるさと」「春が来た」「春の小川」「おぼろ月夜」「もみじ」等。
*田村虎蔵:1873(明治6)年~1943(昭和18)年。日本の音楽教育家、作曲家。主な作品「大こくさま」「きんたろう」「はなさかじじい」「うらしまたろう」等。
*永井幸次:1874(明治7)年~1965(昭和40)年。日本の音楽教育者。大阪音楽学校(現大阪音楽大学)を設立。主な作品「五一じいさん」「かみなりさま」「ささ舟」その他学校校歌多数。
関連リンク 公益財団法人 鳥取童謡・おもちゃ館 わらべ館
参考文献 公益財団法人 鳥取童謡・おもちゃ館 わらべ館

2024年06月現在

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