札幌市は、道南西部に位置し、西は江別市、北広島市、南は恵庭市、千歳市、伊達市、喜茂別町、西は京極町、赤井川村、北は小樽市、石狩市、当別町に接している。石狩平野の西部を包括する近代的総合都市。道庁・石狩振興局所在地。
 JR函館本線、千歳線、札沼線が走る。国道5号(函館方面)、12号(旭川方面)、36号(室蘭方面)、230号(洞爺湖方面)、231号(留萌方面)、274号(夕張方面)、275号(雨竜方面)、453号(支笏湖方面)が通じる他、札樽自動車道(小樽方面)、道央自動車道(千歳、苫小牧方面、および岩見沢、旭川方面)が通じ、当市がターミナルとなっている。市電は1系統を残すのみで、市営地下鉄東西線、南北線、東豊線が通じる。札幌飛行場(丘珠空港)は道内のローカル空路の起点となっている。
 手稲山(1024m)、藻岩山(531m)円山(225m)など市街に接する山、背後の余市岳、無意根山など1000m級の山々がある。これらの山地を切って流れる豊平川、発寒川などが形成する扇状地群と、それに続く沖積平野が市の生活舞台になっている。
 1922年(大正11)市制施行。その後の変遷があり、1967年(昭和42)に手稲町を編入して現在の市域となる。1972年(昭和47)に政令指定都市となり、現在10区からなる。市名のサッポロはアイヌ語の「サト・ポロ」(乾いた広い土地)に由来する。1869年(明治2)開拓使が置かれるようになって本格的に町づくりが始まり、開拓判の官島義勇により碁盤目状の市街地が設計された。1875年(明治8)に防衛と開拓のため、琴似と山鼻に屯田兵2個中隊が駐屯し開拓が進み、翌年には開拓指導者育成機関である札幌農学校(現、北海道大学)が設置されたほか、札幌麦酒醸造所など食品、木材、亜麻に関する官営工場が創設された。1886年(明治19)に北海道庁が置かれ、1927年(昭和2)市電、1930年(昭和5)市バス運行、ガスや水道事業も図られ、他方、企業誘致や公共施設の整備などが進み、都市化が進んだ。
 水田や畑地の減少が著しい。北区・東区でタマネギ、手稲区の砂丘地帯でスイカ・メロン、南区でサクランボ栽培がおこなわれる。ほかにホウレンソウ、レタス、カボチャなどの野菜や花卉などの都市型農業が盛んで都市向けの牛乳・鶏卵の生産地もある。工業では、木工、家具、機械修理、鉄工団地、サッポロビール(株)、雪印メグミルク(株)などの食品工業、JR工場とその関連工場等がある。厚別には札幌テクノパークがある。その他、繊維、機械業、小売業が盛んである。
 北海道大学構内を中心とする一帯で4世紀の続縄文時代後半の遺物、擦文時代9世紀後半の竪穴式住居跡が検出されている。国指定重要文化財に北海道庁旧本庁舎(通称赤れんが)、旧札幌農学校演武場(時計台)、豊平館(開拓使による洋式迎賓館)、北海道大学農学部第二農場、国指定史跡に開拓使札幌本庁舎跡および旧北海道庁本庁舎、琴似屯田兵村兵屋跡がある。また北海道博物館に開拓の歩みが保存公開されている。1972年冬季オリンピック開催時の会場となった手稲山、大倉山、宮の森シャンツェ、真駒内公園屋外競技場(現、真駒内セキスイハイムスタジアム)などは現在も利用されている。文化施設として、北大附属施設の植物園や園内の博物館、三岸好太郎美術館、近代美術館、札幌彫刻美術館、札幌市資料館、札幌市交通資料館、冬のスポーツ博物館、円山総合運動場、札幌ウィンタースポーツミュージアム、札幌芸術の森などがある。円山、中島、大通、月寒の公園は雪まつり、北海道神宮例大祭、ライラックまつりなども開催されている。この他、市街西方の藻岩山原始林、円山原始林(いずれも国の天然記念物)、江別市との境界に野幌原始林(特別天然記念物)、南区滝野に国営滝野すずらん丘陵公園がある。円山山麓には定山渓温泉がある。

観光資源一覧

北海道のカニ料理の写真

北海道のカニ料理 (北海道 札幌市 / 北海道 函館市 / 北海道 稚内市 / 北海道 小樽市 / 北海道 紋別市 )

カニの漁獲量は北海道が1位で全国の20%を占めている。  北海道産のカニといえばタラバガニ、花咲ガニ、毛ガニ、ズワイガニなどがある。かつては豊富に獲れたカニも、今では高級品である。  ゆでたての肉をそのまま食べるのがポピュラーだが、ほかにも本場北海道ならではのさまざまなカニ料理がある。  人気のタラバガニは、北海道では...

札幌のライラックの写真

札幌のライラック (北海道 札幌市 )

大通公園をはじめ個人の庭にも植えられる札幌の市木。花色は、基本的にホワイト、ヴァイオレット、ブルー、ライラック、ピンク、マゼンダ、パープルの7系統がある。ライラックは英名、フランス名はリラ、和名はムラサキハシドイ。名前の響きがいいのでライラックが定着したものと思われる。札幌市には大通公園以外にも見どころの公園*が数多...

すすきのの写真

すすきの (北海道 札幌市 )

地下鉄すすきの駅周辺の南5条西2丁目から4丁目あたりが中心で、かつては遊廓があったところ。付近には地下街やデパートもあり、昼間もショッピング客で賑わう。夜の歓楽街としては、東京新宿の歌舞伎町、福岡博多の中州と並び、全国にも知れわたっており、小料理店やバー、キャバレーなど約3,500軒もの飲食店がネオンを輝かせている。地元の...

札幌市中央卸売市場の写真

札幌市中央卸売市場 (北海道 札幌市 )

札幌駅の西、地下鉄東西線の二十四軒駅から北東徒歩7分に位置した道内最大の市場。1959(昭和34)年に全国で17番目の中央卸売市場として札幌市が開設。12月に青果部、 翌年4月に水産物部が営業を始めた。  敷地面積は約13万m2で札幌ドームの建築面積の約2.5倍。 荷の流れを考えて売り場を配置している。卸売専門の市営施設。水...

札幌二条市場の写真

札幌二条市場 (北海道 札幌市 )

狸小路の東、創成川沿いに魚店・乾物店・青果店など約50店が軒を並べる。狸小路や大通公園など、札幌の繁華街から徒歩でアクセスできるので立ち寄りやすい。  1901(明治34)年に創成川の西側路上で石狩浜の漁師が新鮮な魚を売り始めたのが始まりといい、小屋掛けの魚市場となったのは1909(明治42)年頃、魚町(さかなまち)と呼ばれてい...

大通公園の写真

大通公園 (北海道 札幌市 )

札幌駅から南に約800m、市の中心街に位置する。大通西1丁目から西12丁目までの長さ約1.5km、幅員約60mの公園。1869(明治2)年、札幌にいた開拓判官の島義勇(しまよしたけ)が札幌を2つに分け、北を官庁街、南を住宅・商店街とする計画を立てた。その後1909(明治42)年、長岡安平(ながおかやすへい)*の設計で、逍遥*地としての形態が整...

モエレ沼公園の写真

写真提供:モエレ沼公園

モエレ沼公園 (北海道 札幌市 )

ゴミ処理場の跡地を、イサム・ノグチ*の設計で札幌市の総合公園として造成・再生したもの。札幌駅から北東に約10km、面積約190万m2、1982(昭和57)年に工事着工し、イサム・ノグチの死後も工事を続け23年かけて2005(平成17)年に完成している。  イサム・ノグチは「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもと、...

豊平館の写真

豊平館 (北海道 札幌市 )

豊平館は、札幌駅から南に約2.5km、地下鉄南北線「中島公園駅」から徒歩5分、中島公園*の中にある。北海道開拓の礎を築いた開拓使が、開拓使直営の洋風ホテルとして1880(明治13)年11月に建築した。2階建、亜鉛引鉄板葺で、現存する木造ホテルとしては我が国最古の建物であるが、ホテルとしてはほとんど使用されなかったという。しかし明治...

札幌市時計台(旧札幌農学校演武場)の写真

札幌市時計台(旧札幌農学校演武場) (北海道 札幌市 )

札幌市の中心部地下鉄大通駅の北、札幌市役所と道路を挟み斜め向かいにある。建物は北海道大学の前身である札幌農学校の演武場*として1878(明治11)年に建設された洋館である。  明治政府は「兵農一如」の考えのもと北海道内の各地に屯田兵村を開き、北海道の開拓と軍事的防備の役割を担わせた。このような北海道開拓の事情を背景に、札...

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の写真

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎) (北海道 札幌市 )

JR札幌駅の南西約500mに位置し、札幌駅前通りを大通り側に向かう途中、北三条交差点の右西側に銀杏並木越しに赤レンガの旧庁舎が目に入る。  1888(明治21)年、北海道庁の本庁舎として道庁技師の設計で建てられたレンガ造、ネオ・バロック建築様式の建物。通称「赤れんが庁舎」の名で道民に親しまれている。建物の塔頂部まで高さは33m、現...

さっぽろ雪まつりの写真

写真提供:©HTB

さっぽろ雪まつり (北海道 札幌市 )

さっぽろ雪まつりは、2月上旬~中旬に開催される雪と氷をテーマにしたまつり。雪まつりの象徴である大雪像5基を中心として、中小雪像、ウインターアトラクションなどが展開される大通会場*、雪や氷のすべり台と全天候型ドームで様々な雪遊びが楽しめるつどーむ会場*、氷を楽しむ・触れるをテーマに、すすきののネオンに輝く60基の氷像を展...

YOSAKOIソーラン祭りの写真

写真提供:YOSAKOIソーラン祭り組織委員会

YOSAKOIソーラン祭り (北海道 札幌市 )

YOSAKOIソーラン祭りは、6月上・中旬の5日間、札幌の大通公園をメイン会場として開催され、高知よさこい祭りの「鳴子*」と北海道の民謡「ソーラン節*」を融合させた演舞で、全国各地から集まったチームが競い合う祭り。 演舞の基本的なルールは、1手に鳴子を持って踊ること、2曲にソーラン節のフレーズを入れることの2つで、踊り・曲・...

札幌市円山動物園の写真

写真提供:札幌市円山動物園

札幌市円山動物園 (北海道 札幌市 )

札幌駅の南西部の円山公園内にあり、地下鉄東西線円山公園駅からバス約5分で動物園前下車。敷地面積22万4,780m2とスケールの大きさでは北海道で最大である。約150種、750点もの動物を飼育する。  戦後の1950(昭和25)年、札幌市は上野動物園(東京)から移動動物園を招き会場の円山坂下グラウンドで開催、空前の人出で賑わい、...

北海道開拓の村の写真

北海道開拓の村 (北海道 札幌市 )

札幌駅の東約15km札幌市厚別区の野幌森林公園*内にあり、地下鉄東西線新札幌駅からバスで20分の位置にある。北海道開拓の村の周辺には北海道博物館*もある。  54.2万m2の区域に、1983(昭和58)年4月に開村した野外博物館。旧札幌停車場、旧小樽新聞社、旧浦河支庁庁舎など明治から昭和初期に建てられた道内の歴史的建築物52...

ビール園のビールとジンギスカンの写真

写真提供:サッポロビール園

ビール園のビールとジンギスカン (北海道 札幌市 )

JR札幌駅の東約1.5km、札幌駅北口から路線バスで10分程度でサッポロビール園まで到達できる。  サッポロビール敷地内のビール博物館とサッポロビール園の各種レストランに加え、周辺の大型ショッピングセンターと野球の屋内練習所を含めて全体でサッポロガーデンパークと地元では称している。  ビール博物館は明治のレンガ建築で、前身は...

札幌ラーメンの写真

札幌ラーメン (北海道 札幌市 )

札幌市内に2,000軒以上のラーメン店がある。札幌ラーメンは第2次世界大戦後、満州からの引揚者人たちが、札幌の繁華街すすきのあたりに屋台を出し工夫されたのが始まりといわれている。中でも味噌ラーメンは札幌が発祥の地である。「味の三平」の大宮守人が味噌のスープを考案し、西山製麺の西山孝之によってつるりとした喉越しの多加水熟成...

無意根山の写真

無意根山 (北海道 札幌市 / 北海道 京極町 )

札幌市の西側京極町との境界に位置する標高1,464mの山。アイヌ語の「ムイ・ネ・シリ」(箕・のような・山)が語源である。奥深い森林の上にやわらかく緩やかな楕円形の稜線を描き、椀状に見えるため「箕」の名前になったと思われる。  比較的古い火山による山岳地形で、高山植物が生育し展望にも優れているため、札幌市方面からの格好の日...

北海道神宮の写真

北海道神宮 (北海道 札幌市 )

札幌駅の南西部の円山公園に隣接しており、地下鉄東西線円山公園駅から徒歩約15分、境内は約18万m2と広く緑に包まれている。1869(明治2)年明治天皇の思し召しにより、北海道開拓の守護神として大国魂神*(おおくにたまのかみ)・大那牟遅神*(おおなむちのかみ)・少彦名神*(すくなひこなのかみ)の三神を祀って北海道の総...

北海道大学の写真

写真提供:国立大学法人北海道大学 広報課

北海道大学 (北海道 札幌市 )

札幌駅の北西側500m~2.5kmに位置する177万m2の広大なキャンパスで、この中に11の学部*が分散している。  北海道大学は、1876(明治9)年に設立された札幌農学校がその前身であり、当時の初代教頭のクラーク博士*は、わずか1年弱という短期であったが、キリスト教的フロンティア精神を残していった。札幌を去る際に言ったとい...

北海道大学植物園の写真

写真提供:北海道大学植物園

北海道大学植物園 (北海道 札幌市 )

札幌市の中央部、北海道庁の西側に隣接した、面積13万3,957m2の植物園。北海道自生植物を中心に約4,000種の植物が育成されており、また世界各地から移植した変わりだねの珍しい植物もある。園内には北方民族植物標本園・高山植物園、温室・冷室とともに北方民族資料室、北海道の動物・考古学の資料の博物館*もある。博物館は北海...