北海道開拓の村ほっかいどうかいたくのむら

札幌駅の東約15km札幌市厚別区の野幌森林公園*内にあり、地下鉄東西線新札幌駅からバスで20分の位置にある。北海道開拓の村の周辺には北海道博物館*もある。
 54.2万m2の区域に、1983(昭和58)年4月に開村した野外博物館。旧札幌停車場、旧小樽新聞社、旧浦河支庁庁舎など明治から昭和初期に建てられた道内の歴史的建築物52棟が移築復元、再現されている。美しい緑に囲まれた村内は市街地群、農村群、漁村群、山村群に分かれ、開拓当時の生活や暮らしを各建物内に再現している。
 動く展示物として村内を走る馬車鉄道、冬は馬そりがメインストリートを走り、訪れる人々を開拓時代へ導いている。
#

みどころ

村内のそれぞれの建物は昔ながらの姿で移築復元、再現されており、タイムスリップしたようである。入口の立派な旧札幌停車場や旧開拓使札幌本庁舎などの建物群から市街地群に進むと、各種公的や民間企業の建物、一般住宅が並ぶ。なかでも旧開拓使工業局庁舎は明治初期の洋風事務所建築の特徴を示し、開拓使関係庁舎としては現存する唯一のもので、国の重要文化財に指定されている。市街地群をさらに進むと理髪店、そば屋、酒造工場、写真館など日常生活に密着した商店も並び、ほのぼのとする。漁村群、農村群、山村群に入ると建物はまばらになるが、当時生活様式を再現した建物が続く。
 村内にはボランティアがおり、建物や村内全域の解説案内とわら細工、昔の巡査といった演示活動などを行い、来村者サービスにあたっている。
 入り口から農村群の手前までの間に線路が敷かれており、その上をゆっくり歩く馬が客車を引いている姿が魅力的である。馬車内では車掌さんが見どころをガイドしてくれるので興味ある建物をチェックしておくとよい。入り口から、行きは馬車で進み、帰りには散策しながら興味を引いた建物をゆっくり見学すると、より一層興味がわくだろう。
#

補足情報

*野幌森林公園:札幌市の東郊に位置し、江別市・北広島市・札幌市にまたがる約20km2の道立自然公園。広大な園内には特別天然記念物の原生林がうっそうと繁茂し、100種以上の鳥獣類や昆虫類が生息する。林内には30kmに及ぶ自然散策路が設けられ、夏はピクニック、冬は林間スキーを楽しむ人で賑わう。
*北海道博物館:開道百年を記念し、1971(昭和46)年に北海道開拓記念館として開館し、2015(平成27)年に大幅に改装し北海道立アイヌ民族文化研究センターを統合して北海道博物館と名称変更した。なお、北海道博物館、北海道開拓の村、野幌森林公園自然ふれあい交流館などの、野幌森林公園の北西部にある記念施設地区を総称して北海道立総合博物館と称している。これら3施設は徒歩で20~30分ほどかかる。
*野幌森林公園入口に大きな駐車場があるが、北海道開拓の村、北海道博物館にもそれぞれ駐車場がある。
関連リンク 野外博物館 北海道開拓の村(一般財団法人北海道歴史文化財団)(WEBサイト)
参考文献 野外博物館 北海道開拓の村(一般財団法人北海道歴史文化財団)(WEBサイト)
ようこそSAPPORO(札幌観光協会)(WEBサイト)
『北海道の歴史散歩』 北海道高等学校日本史教育研究会 山川出版社

2023年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。