モエレ沼公園もえれぬまこうえん

ゴミ処理場の跡地を、イサム・ノグチ*の設計で札幌市の総合公園として造成・再生したもの。札幌駅から北東に約10km、面積約190万m2、1982(昭和57)年に工事着工し、イサム・ノグチの死後も工事を続け23年かけて2005(平成17)年に完成している。
 イサム・ノグチは「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもと、広大な敷地に、緩やかな斜面のピラミッドの山や海の噴水、様々な造形物や遊具を計画した。完成後の現在、それらの施設やエリアが整然と配置され、美しい景観をかもしだしている。
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みどころ

約40年前にゴミ集積場を美しい公園としてよみがえらせた計画の斬新さと、イサム・ノグチの発想のすばらしさに感動を覚える。個々の作品もさることながら、小さな山の上から望む札幌市の景観もすばらしい。
 主な作品やエリアはガラスのピラミッド、モエレ山、海の噴水などがあり、その他様々なエリアと遊具*が備えられて一日中楽しめる公園となっている。
 ガラスのピラミッドはモエレ沼のシンボルで、イサム・ノグチを紹介したギャラリーやレストラン、ショップなどがある。モエレ山は標高62mで札幌北東部唯一の山として地域のランドマークであり、冬にはそり遊びも楽しめる。
 海の噴水は直径48mで噴水の高さが25mにもなる公園全体の核である。冬期を除き噴水のショーが1日3~4回行われており、夏の夜にはライトアップされてロマンチックな姿を作り出す。
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補足情報

*イサム・ノグチ:1904~1988年。日本名「野口 勇」。アメリカ合衆国ロサンゼルス生まれの彫刻家 、画家 、インテリアデザイナー 、造園家 ・ 作庭家 、舞台芸術の演出など各分野で活躍したユニークな芸術家。日本でも制作拠点を香川県の牟礼町に設け、地元の庵治石で作品を残した。1999(平成11)年に高松市牟礼町にイサム・ノグチ庭園美術館が開館されている。
*様々なエリアと遊具:プレイマウンテン(高さ30m、古代遺跡を思わせる石段が並ぶ山)、サクラの森(イサム・ノグチのデザインによる遊具と緑豊かなエリア)、モエレビーチ(美しい海辺をイメージした浅い池)、テトラマウンド(ステンレス柱の組み合わせによる三角錐と芝生広場)、ミュージックシェル(半球型の建物とステージ)、アクアプラザ(水の吹き出しから流れる水の遊び場)など。
関連リンク モエレ沼公園(公益財団法人札幌市公園緑化協会)(WEBサイト)
参考文献 モエレ沼公園(公益財団法人札幌市公園緑化協会)(WEBサイト)
『モエレ沼公園』パンフレット
『るるぶ札幌』JTBパブリッシング

2024年02月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。