北海道大学植物園ほっかいどうだいがくしょくぶつえん

札幌市の中央部、北海道庁の西側に隣接した、面積13万3,957m2の植物園。北海道自生植物を中心に約4,000種の植物が育成されており、また世界各地から移植した変わりだねの珍しい植物もある。園内には北方民族植物標本園・高山植物園、温室・冷室とともに北方民族資料室、北海道の動物・考古学の資料の博物館*もある。博物館は北海道最古のものであり、建物など重要文化財に指定されている。
 札幌の農学校の初代教頭クラーク博士が、植物学の教育には植物園が必要だと進言したのが始まりで、農学校構内に小さな樹木園が造られた。その後1884(明治17)年に現在の土地に植物園用地が移され、宮部金吾*が計画・設計をして1886(明治19)年に開園した。
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みどころ

都心部にあってビルが立ち並ぶ街中の緑のオアシスとなっている。植物園内は別世界、野鳥の声、緩やかな起伏に富む地形と豊かな緑と水、樹齢100年を越えるハルニレの巨木やイタヤカエデ、オオモミジの大木の林など札幌の開拓前の姿を伝えている。季節ごとに様々な魅力がある。春は雪解けとともに花々が一斉に咲きだし、夏は緑中の木陰と吹き抜ける風が心地よく、秋の紅葉と落ち葉が美しい。
 園内の中心部にある北海道考古学資料を展示する博物館を始めとして、博物館事務所、博物館倉庫、便所などの建造物も美しく明治時代の歴史的建造物として重要文化財に指定されている。正門付近にある北方民族資料室は先住民族の生活文化資料を展示しており、また宮部金吾記念館には、この植物園の初代園長である宮部の遺品や北海道大学植物園設立に関わる資料が展示されており、建設当時の事情が理解できる。
 札幌市の中心部にあり、大通公園、札幌市時計台、赤れんが庁舎、北海道大学植物園、札幌駅までの快適に歩いて巡る観光ルートが形成されており1日中楽しめる。
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補足情報

*博物館:北大植物園内にある。ヒグマ・タンチョウヅル・リスなど道内産の動物のはく製をおもに展示。
*宮部金吾:択捉島とウルップ島との間に植物分布の境界である「宮部線」を発見したほか、アポイ岳高山植物の調査なども行った。北海道帝国大学最初の名誉教授、日本植物学会会長などを歴任し、文化勲章を受章し、札幌市栄誉市民の第一号ともなった人物。北海道大学植物園初代園長。
関連リンク 北海道大学植物園(WEBサイト)
参考文献 北海道大学植物園(WEBサイト)

2023年12月現在

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