福岡市
印刷する福岡市は、福岡県西部に位置し、九州の政治・経済・文化・交通の中心をなす。博多湾沿岸と福岡平野の主要部を占め、志賀島(しかのしま)・能古島(のこのしま)・玄界島(げんかいじま)などを含む。
博多は古くは那ノ津(なのつ)、大津と呼ばれ、大陸への要港であった。律令時代にも太宰府の外港として発達し、遣隋使・遣唐使が出航した。15世紀末からは大内氏の治下で明交易が行われ、豊臣秀吉の楽市・楽座によって現在の博多の基盤ができ上がった。黒田長政が福岡城を築いてからは、市の中心を流れる那珂川を境に、東は博多商人の町として発達した「博多」、西は黒田氏五十二万石の城下町として栄えた「福岡」に分かれていたが、1889(明治22)年の市制施行の折り、合併して福岡市となり、JR(当時は国鉄)の駅名は博多となった。
天神や中洲などの繁華街、そして博多湾沿いには観光施設が揃っており、観光客で賑わう。また、毎年5月の博多どんたく、7月の博多祇園山笠、10月の博多くんちなどの祭りの時期には、多くの人出がみられる。
観光資源一覧
香椎宮 (福岡県 福岡市 )
福岡市北東部、香椎に鎮座する神社。筑紫国橿日宮(かしひのみや)で国造りの基礎を築いていた仲哀天皇が、3世紀ごろこの地で亡くなり、祀られたのが起源とされる。のちに神功皇后も合祀、香椎廟と称され、朝廷から格別の待遇を受けた。平安期ごろからは香椎宮とよばれるようになった。 本殿は724(神亀元)年に建立。現在の社殿は1801(...
マリンワールド海の中道 (福岡県 福岡市 )
玄界灘に突き出た海の中道の一角に位置する。博多湾に面し、対岸に福岡市街中心部を望む。2017(平成29)年4月にリニューアルオープンし、展示の進化、空間演出の強化、施設の快適性の向上により、“海をより身近に感じられるリゾート施設”へと生まれ変わった。 正面から空に向かって広がるような扇形の建物は3階建てで、館内には10のテー...
西公園のサクラ (福岡県 福岡市 )
福岡市のほぼ中央、丘陵地にあり、古くから博多湾を望む景勝地。展望台からは博多湾・志賀島などが一望に収められる。黒田長政の福岡移封と同時に、この地に東照権現を守護神として祭り、以降、霊山として知られた場所であり、敷地内には黒田孝高・長政を祭る光雲神社や、徳富蘇峰の詩碑など史跡もある。 園内は桜の名所で、福岡県で唯一...
筥崎宮 (福岡県 福岡市 )
筥崎八幡宮とも称され、宇佐、石清水八幡宮とともに、日本三大八幡宮の一つに数えられる。応神天皇が主祭神として祀られており、醍醐天皇が社殿を建立したと伝わる。創建時期は平安時代中頃とされているが諸説ある。 鎌倉時代中期、蒙古襲来(元寇)で勝利を収めたことを機に厄除け、勝運の神として知られるようになる。足利尊氏、大内義...
住吉神社 (福岡県 福岡市 )
博多駅の西、徒歩10分ほどの街なかに鎮座する。創立年代は不詳だが、伊弉諾大神(いざなぎおおかみ)にゆかりのある神を祀った神社と伝わる。ここが住吉神社の本社との説もある。御祭神は底筒男神(そこつつのをのみこと)、中筒男神(なかつつのをのみこと)、表筒男神(うわつつのをのみこと)の住吉三神で、航海安全・心身清浄の神とされ...
福岡城 (福岡県 福岡市 )
関ケ原の戦の功により、筑前52万3,000石を拝領した黒田長政が1601(慶長6)年から7年間かけて建立した城。壮大な平山城で、堀を含めた総面積110万m2、東西1km、南北700mの全国でも有数の規模である。現在残っているのは、天守台・多聞櫓・(伝)潮見櫓・下之橋御門・旧母里太兵衛邸長屋門・名島門など。城跡は舞鶴公園として公開...
大濠公園 (福岡県 福岡市 )
福岡市のほぼ中央、福岡城跡の西に立地。黒田長政が福岡城を築城する折、城の外堀として利用した博多湾の入江を、昭和初期に県営公園としたもの。総面積約39万8,000m2のうち、半分以上の約22万6,000m2を池が占める水の公園で、池畔には柳・ツツジが植えられ、中の島には観月橋が架かり、ボートが浮かぶ。池の周辺には...
博多祇園山笠 (福岡県 福岡市 )
博多最大級の祭礼。博多祇園山笠の起源は諸説あるが、鎌倉時代、承天寺の聖一国師が博多に流行った病魔退散を祈願し、施餓鬼棚を町人にかつがせて町々を回り、疫病を封じたことが始まりとするのが通説である。むかしは約五十尺の山笠をそのままかついだが、電線などの障害物のため、明治の末ごろから飾り山笠とかき山笠に分かれた。飾り山笠...
福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり (福岡県 福岡市 )
毎年5月3・4日に開催される日本有数の祭り。多くの見物客であふれ、福岡市内は祭り一色に染まる。正式名は「博多どんたく港まつり」だが、「博多どんたく」の名で全国に知られている。「どんたく」の名称はオランダ語で休日を表す「Zontag」が由来。市内30数箇所に設けられたステージでは次々とどんたく隊の演技が披露され、お年寄りも子ども...
生の松原 (福岡県 福岡市 )
博多湾の南西隅を占める今津湾岸の弓状の浜に約3kmにわたって見られる美しい松原である。目の前には能古島が浮かび、東方からのびた海の中道につづいて志賀島が望める。松原の中には鎌倉時代に築かれた元寇防塁の一部が残っており、西の長垂海岸との間には国の天然記念物の含紅雲母ペグマタイト*岩脈がある。波静かな海岸は海水浴場となって...
玉せせり (福岡県 福岡市 )
筥崎宮の全国的に知られた祭りで、玉取祭、別名「玉せせり」という。起源は定かではないが、室町時代に始まったとされる。 1月3日の午後1時、陰陽2つの木玉は玉洗い式で清められ、その後末社玉取恵比須神社へ移動、祭典の後、いよいよ玉せせりがスタートとなる。直径28cmの陽玉は、ふれると悪事災難を逃れ幸運を授かるといわれ、裸に締込...
福岡市博物館 (福岡県 福岡市 )
福岡タワーの南にある歴史民俗博物館。「Fukuoka アジアに生きた都市と人びと」をテーマに、福岡の歴史と人々のくらしを紹介する。特に、大陸文化の玄関口であった福岡ならではの、対外交流に重点を置いた構成になっている。 国宝の「金印*」をはじめ、黒田家の家臣「黒田二十四騎」のひとり、母里太兵衛が福島正則から”呑み取った”とさ...
承天寺 (福岡県 福岡市 )
臨済宗東福寺派の寺院で、1242(仁治3)年に謝国明が創建し、開山は後に京都の東福寺を開いた聖一国師による。博多での聖一国師との結びつきから、承天寺は臨済宗東福寺派で中心的役割をなし大いに栄え、盛時には塔頭が43寺もあったと伝わる。第二次世界大戦で山門、勅使門、塔頭二寺を焼失、さらに戦後の都市計画により、境内の規模は大幅に...
福岡市動植物園 (福岡県 福岡市 )
1933(昭和8)年、昭和天皇御即位記念事業として整備された御大典記念・福岡市動植物園が前身。戦時中の閉鎖を経て、1953(昭和28)年に現在の場所に動物園が開園。2018(平成30)年に開園65周年を迎えた。 ほ乳類38種210点、鳥類57種210点、は虫類12種49点を展示(2020年4月末現在)。 現在、一部老朽化が目立つ園内はエリアごとにリ...
大濠公園能楽堂 (福岡県 福岡市 )
福岡市の景勝地・大濠公園内に立地。伊勢神宮の神楽殿や国立能楽堂を手がけた大江宏が設計。日本伝統文化の能楽や邦楽などを広く公演し、後世に末永く保存、継承、伝導されることを目的として、1986(昭和61)年に設立された。
博多座 (福岡県 福岡市 )
1999(平成11)年オープンした博多座は、歌舞伎を中心に、演劇、ミュージカルなど、全国的に話題となっている大型の公演を毎月替わりで上演する。舞台は幅20m、奥行21mで、客席は3層で計約1,500席。舞台周りの設備も充実しており、歌舞伎上演の際に、舞台に向かって左側(下手側)から客席を貫いて伸びる「花道」や、ワイヤーやフックを利用...