博多祇園山笠はかたぎおんやまかさ

博多最大級の祭礼。博多祇園山笠の起源は諸説あるが、鎌倉時代、承天寺の聖一国師が博多に流行った病魔退散を祈願し、施餓鬼棚を町人にかつがせて町々を回り、疫病を封じたことが始まりとするのが通説である。むかしは約五十尺の山笠をそのままかついだが、電線などの障害物のため、明治の末ごろから飾り山笠とかき山笠に分かれた。飾り山笠は高さ約16m、歴史・伝説などに題材を得て創られる絢爛豪華なもの。7月1日から15日午前零時まで、各町々に立てられる。
 祭事は、7月1日に神主が道を清める辻祈祷にはじまり、山笠の飾り付け、神霊を山笠に移すオカミイレの儀礼、海岸での浄めの神事であるお汐井とり、それぞれの流の区域内を舁き回る流舁きなど、祭りの期間中はさまざまなイベントが続く。
 圧巻は最終日の追い山笠。15日午前4時59分、櫛田神社を各流のかき山笠が5分毎に出発し、須崎町の回り止め(ゴール)まで約5kmの道を一気に走ってタイムを競う。1,000㎏のかき山笠を28人でかつぐが、相当の体力を要するので、時々かつぎ手が入れ替わる。このタイミングが非常に難しいという。追い山笠に先がけて12日午後3時59分から追い山ならしと称するリハーサルがあり、13日午後3時30分から呉服町交差点と天神町間で集団山見せが行われる。
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みどころ

メインは7月15日に行われる「七流(ななながれ)」と呼ばれる7つの流によるタイムレース「追い山」。オッショイ、オッショイのかけ声とともに地響きをたててかき山笠が通るのは豪快である。地元テレビ局が生中継を行っているが、実際に間近で見る迫力はまったく違う。荒々しいかけ声と勢い水が飛び交うなか、揃いの法被に締め込み、ねじり鉢巻姿の男たちが約1tもの舁き山笠を交代でかつぎ、地響きたてて疾走する姿に圧倒される。
 ただし、早朝なのでなかなか見ることが叶わない。そんな人には12日に行われる「追い山ならし」をお勧めしたい。午後の時間帯に行われる追い山の予行練習で、実際の追い山に近い迫力を楽しめる。
 もう一つのみどころが「飾り山」。追い山で使用する山笠と異なり、装飾を競う山笠で、こちらは、祭りの期間中(7月1〜15日)町のいたるところに飾られるので、飾り山巡りができる。装飾は博多人形師が担うもので、毎年テーマや趣向を凝らした飾りで、人形師たちが腕を競う。
関連リンク 博多祇園山笠(WEBサイト)
参考文献 博多祇園山笠(WEBサイト)

2020年04月現在

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