立山町
印刷する県南東部にあり、東は長野県大町市、南から西は富山市、北は舟橋村、上市町、黒部市に接する。
北陸自動車道の立山インターチェンジがある。千寿ヶ原(立山駅)は富山地方鉄道立山線の終点にあたり、ここから長野県大町市へ至る立山黒部アルペンルートの主要部分を占める。
立山連峰の西麓、常願寺川右岸を占める。町の西側に平野部があり、標高12m~180mの間に、広大な扇状地が広がっている。町の東側には中部山岳国立公園となっており、標高3000mに達する立山連峰がそびえ、立山黒部アルペンルートが通っている。町域南東部は中部山岳国立公園域で、立山連峰のほか、黒部峡谷の下廊下(しもろうか)、黒部ダム、地獄谷温泉、称名滝などを町域に含む。
1954年(昭和29)雄山町と5村が合併して成立。同年、新川村を編入して現在の町域となる。中心地区の五百石は江戸時代には松本開といい、高野原の開拓が進むにつれて市場町として発達した。芦峅寺、岩峅寺集落は中世から立山信仰を背景に発展し、とくに芦峅寺は江戸時代には33坊5社人の宿坊があり、立山登拝を全国に勧進、登山者を集めて栄えた。現在も山小屋経営者が多い。
製紙、金属、機業などの工場が立地する。農産物では米作の他、ラ・フランスや和牛、ラズベリー栽培やひょうたん、ミネラルウォーターなどを特産する。
雄山神社は立山頂上に峰の本社、芦峅寺に中宮、岩峅寺に前立社壇(本殿は国の重要文化財)が置かれている。芦峅寺の立山風土記の丘には立山信仰用具(国の重要有形民俗文化財)を保管する富山県立山博物館や豪農の嶋家住宅(国の重要文化財)などがある。立山の山崎圏谷は国指定の天然記念物。雄大な立山連峰を望める「立山町総合公園」、富山平野から富山湾を一望できる「大観峰自然公園」、カブトムシとの触れ合い体験や年間を通して様々なイベントや体験が楽しめる「昆虫王国」、アウトドアブランド・モンベルの大型複合施設、岩室の滝などがある。また、新瀬戸地区は「越中瀬戸焼の里」として知られ、「陶農館」では陶芸体験が楽しめるほか、各種イベントが行われている。他に、日本有数のグミの群生地である常願寺川などがある。祭りやイベントでは、立山黒部・雪の大谷フェスティバル、立山夏山開き、たてやまドンドン祭り、立山黒部・山の 日ウィーク、とやま鍋自慢大会、布橋灌頂会などがある。
観光資源一覧
剱岳 (富山県 上市町 / 富山県 立山町 )
飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にある標高2,999mの山で、富山県の上市町と立山町にまたがる。山名の文字は2003(平成15)年に現在の「剱岳」に登録された。山頂から東側に、長次郎谷、三ノ窓、小窓、大窓とU字谷が並ぶ。山頂のわずかに西より、背骨のような早月尾根が登山拠点となる上市町馬場島との2,200m以上の高低差を急角度で結ん...
雄山神社(峰本社・祈願殿・前立社壇) (富山県 立山町 )
雄山神社は、701(大宝元)年の立山開山*1にはじまる立山信仰*2を今に伝える神社で、祭神は、伊邪那岐神(いざなぎ)・立山大権現雄山神(本地・阿弥陀如来)、天手力雄神・刀尾天神剱岳神(本地・不動明王)である。立山の主峰である雄山に峰本社(奥社)をもち、麓の芦峅寺(あしくらじ)の祈願殿、さらに下った岩峅寺(いわくらじ)にあ...
黒部ダム(黒部湖) (富山県 立山町 )
黒部ダムは、富山県東部を流れる黒部川の標高1,454mの地点に、関西電力が建設した水力発電専用のダムである。堤高186mは日本一の高さで、アーチ式ダムとしては世界でもトップクラス。通称「くろよん」と呼ばれている*1。 1956(昭和31)年に着工、7年の歳月をかけて1963年(昭和38年)6月5日に完成した。工費は513億円、1,000万人もの人...
五色ヶ原 (富山県 立山町 )
立山の南側の標高2,400~2,500mに広がる高原で、北アルプスでは弥陀ヶ原に次ぐ広さをもつ。立山から薬師岳に続く縦走路の途中にある。立山火山(弥陀ヶ原火山)の噴火により流れ出した溶岩によって形成されたといわれている。北西側は立山カルデラ*と呼ばれる巨大な崩壊地があり、カルデラ壁には鷲岳、鳶山といった山がある。 高山植物で...
称名滝 (富山県 立山町 )
室堂平周辺の水を集めて流れる称名川が弥陀ヶ原にはいると、ほぼ垂直にその北端を削りとり、150m以上の深さに切れ込んだ峡谷の中を流れる。称名滝は、この立山の大噴火による溶結凝灰岩の台地を浸食してできたV字峡谷「称名廊下」の末端から、標高差350mの高さを落下する瀑布である。称名滝は、上から70m、58m、96m、126mの4段からなり、それ...
立山 (富山県 立山町 )
飛騨山脈(北アルプス)の北部に位置する。立山という独立峰はなく、狭義には雄山神社峰本社のある「立山山頂」または「雄山(おやま、標高3,003m)」と「大汝山(おおなんじやま、標高3,015 m)」と「富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)」の3つのピークを総称して立山と呼んでいる。古くは立山連峰全体を指していたと思われ、今でも...
立山地獄谷の温泉 (富山県 立山町 )
立山地獄谷は、立山・室堂平の北方約1km、標高2,300mに位置する高所の噴気地帯として知られている。弥陀ヶ原火山の約4万年前以降の火山活動によってみくりが池などと共に形成された。以前は谷の内側に山小屋があったが、火山性ガスの危険のために閉鎖された。現在は周囲にある「みくりが池温泉」、「らいちょう温泉雷鳥荘」、「雷鳥沢温泉(2...

立山のライチョウ (富山県 立山町 )
ライチョウは立山の自然環境を象徴する動物である。 日本のライチョウは、世界中のライチョウ(学名:Lagopus muta)の中で一番南に生息する亜種であり、氷河期に大陸から来た生き残りともいわれる。 本州中部の北アルプス、南アルプスなど標高2,200m以上の高山帯に生息。現在生息数は、生息環境の変化などにより2000羽を下回っている...
美女平の立山杉 (富山県 立山町 )
美女平は立山・黒部アルペンルートの玄関口で、麓の立山駅と立山ケーブルカーで結ばれ、標高977mに位置する。ここから標高1460mの上ノ小平上部にかけての美女平溶岩台地は、タテヤマスギとブナの巨木が集団で生育する森林となっている。このうちタテヤマスギは杉の変種のアシウスギの一種で、枝が垂れ、雪に耐える性質が特徴である。 富...
弥陀ヶ原 (富山県 立山町 )
立山の西側山腹の標高1,500mから2,400mに広がる立山の火山活動で形成された火砕流台地。河川による浸食等で成立し、現在では東西4km、南北2kmの東西に長細い形状の起伏に富んだ高層湿地*1である。広義では、美女平・下ノ子平・弘法平・追分平・天狗平・室堂平などを含めることもあるが、一般には室堂平などとは区別して、丸山台から追分平を...

雪の大谷 (富山県 立山町 )
雪の大谷とは、立山有料道路を除雪した際に現れる巨大な雪壁である。 立山黒部アルペンルートの室堂は標高2,450mの豪雪地帯で、室堂ターミナル付近にある「大谷」は吹き溜まりとなっているので特に積雪が多い。春先、この「大谷」を通る道路をGPSで確認しながら慎重に雪を削り取りながら掘り進めていく。除雪された道路の両側には深さ最...
大日岳 (富山県 立山町 / 富山県 上市町 )
弥陀ヶ原の北側に連なりを見せる山塊で標高は2,501m。大日岳・中大日岳(2,500m)・奥大日岳(2,606m)をもって大日三山とする記述を多くの登山書で見かけるが、富山県山名録では早乙女岳(2,093m)・大日岳・奥大日岳を大日連山としている。大日という名から分かるように、信仰の対象になっていた山で、大日如来体現の聖地であった。 189...
常願寺川 (富山県 富山市 / 富山県 立山町 )
常願寺川は富山県と岐阜県の県境にある北ノ俣岳(標高2,661m)から流れる真川と、立山カルデラを源とする湯川があわさり常願寺川となり、さらに千寿ヶ原で称名川と合流して富山県の中央部を北流し、富山湾に注いでいる。流路延長約56km、河床勾配は山地部で約1/30、扇状地部で約1/100の、日本有数の急流河川である*1。古くは「新川(にいか...

写真提供:富山県 立山カルデラ砂防博物館
立山カルデラの山体崩壊 (富山県 富山市 / 富山県 立山町 )
立山カルデラは立山連峰の南西、室堂平から弥陀ヶ原の南に位置する東西6.5km、南北4.5kmの楕円形の大規模なくぼ地である。この地形は4万年前頃まで活動した弥陀ヶ原火山などが地震や大雨などにより侵食されてできた「侵食カルデラ」と考えられており、日本有数の巨大崩壊地形である。 周辺には跡津川断層をはじめいくつもの活断層が分布し...

爺ケ岳 (長野県 大町市 / 富山県 立山町 )
長野県大町市と富山県立山町の県境にあり、鹿島槍ヶ岳の南に3つのピークを持つ山。春、種まき爺さんの雪形*が現れるところから爺ケ岳と呼ばれ、大町付近からその姿が望める。安曇野の人々はこの雪形が現れると種まきを行ったといわれる。 山頂部は北峰、三角点2,670mの中央峰と南峰が立ち、稜線はハイマツでおおわれている。 登山は大...

針ノ木岳 (長野県 大町市 / 富山県 立山町 )
後立山連峰*の南端にあり標高2,821m、重量感のある整ったピラミッド型の山容である。山頂の東にはかつて信州と越中を結んだ針ノ木道*が通る針ノ木峠があり、北面は大雪渓で東に蓮華岳がそびえている。 黒部湖を隔てて立山連峰や五色ケ原と対峙する。 登山ルートは扇沢から針ノ木雪渓を登り、針ノ木峠経由の東側ルートと、黒部湖から...