常願寺川
常願寺川は富山県と岐阜県の県境にある北ノ俣岳(標高2,661m)から流れる真川と、立山カルデラを源とする湯川があわさり常願寺川となり、さらに千寿ヶ原で称名川と合流して富山県の中央部を北流し、富山湾に注いでいる。流路延長約56km、河床勾配は山地部で約1/30、扇状地部で約1/100の、日本有数の急流河川である*1。古くは「新川(にいかわ)」と呼ばれ、越中国新川郡の名前の由来とされる。急流であることに加え、流域面積368km2の約4割を森林限界より高いエリアとするため保水力が小さく、雨量によって川の水量の増減が激しい。水源が立山連峰という世界有数の豪雪地帯であるため、融雪時期の水量は極めて多い。
また、最上流域の立山カルデラの中には周囲より崩れ込んだ不安定な土砂が大量に堆積しており、土砂の流出が激しい。河川が山間部から平野に出るところに土砂が堆積して、比較的勾配の急な扇状地が発達した。また、流域では古くから土砂・洪水氾濫が多発し、富山平野の暮らしを脅かしてきた。
また、最上流域の立山カルデラの中には周囲より崩れ込んだ不安定な土砂が大量に堆積しており、土砂の流出が激しい。河川が山間部から平野に出るところに土砂が堆積して、比較的勾配の急な扇状地が発達した。また、流域では古くから土砂・洪水氾濫が多発し、富山平野の暮らしを脅かしてきた。

みどころ
北陸新幹線や、幹線道路の北陸自動車道や国道8号線を通って常願寺川を渡るとき、山川を望むと、北アルプスの山々が近くに迫り、立山連峰の雪解け水が急勾配を下ってくる姿が容易に想像できる。上流部の川幅は狭く、V字谷の姿がよくわかる。とりわけ富山地方鉄道立山駅近くで本流に合流する立山を源流とする支流の称名川は、称名滝からも水を集め、「悪城の壁」*2と称される急峻な崖を形成しており圧倒される。常願寺川の勢いを身近に感じられるスポットの一つである。
一方、平野部では、渇水期には河原は広く川の流れはそれほどでもないが、川原には急流によって流されてきたことを示す角のとれた数多くの大きな石が見られる。川に沿って車を走らせ、川の流れや周辺地形の移り変わりを楽しむこともできる。
富山地方鉄道立山駅近くにある富山県立山カルデラ砂防博物館では、常願寺川の氾濫と砂防の歴史などを学ぶことができる。
一方、平野部では、渇水期には河原は広く川の流れはそれほどでもないが、川原には急流によって流されてきたことを示す角のとれた数多くの大きな石が見られる。川に沿って車を走らせ、川の流れや周辺地形の移り変わりを楽しむこともできる。
富山地方鉄道立山駅近くにある富山県立山カルデラ砂防博物館では、常願寺川の氾濫と砂防の歴史などを学ぶことができる。

補足情報
*1 明治時代、常願寺川の改修工事のために政府から派遣されたオランダ人の技師のヨハネス・デ・レーケが、「これは川ではない。滝である」と言ったと伝えられている。実際には、彼が来日するより前に早月川を指して発言されたものということが、過去の富山県会議事録に記録されている。
*2 悪城の壁:称名滝の下流、称名川の左岸にある長さ2km、高さ500mに達する切り立った大岩壁。称名滝の後退によってできた称名渓谷の岸壁を全層雪崩がさらに浸食してできたといわれている。
*2 悪城の壁:称名滝の下流、称名川の左岸にある長さ2km、高さ500mに達する切り立った大岩壁。称名滝の後退によってできた称名渓谷の岸壁を全層雪崩がさらに浸食してできたといわれている。
関連リンク | 常願寺川(国土交通省)(WEBサイト) |
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参考文献 |
常願寺川(国土交通省)(WEBサイト) 『常願寺川水系河川整備計画(2010)』国土交通省北陸地方整備局 常願寺川の特徴(国土交通省北陸地方整備局立山砂防事務所)(WEBサイト) 『立山カルデラ砂防博物館 常設展示総合解説』立山カルデラ砂防博物館 |
2025年03月現在
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