都道府県のたびれぽ

 前回は安曇野の地形、地名、伝説と神々の奥行きについてレポートしたが、今回は歴史が生む奥行きや安曇野の楽しみ方について触れてみたい。   〇歴史が生む奥行き ① 荘園の形成  この地の耕作地として相応しい平坦部・・・ 続きを読む

〇はじめに  安曇野は、西側に迫る峻厳な北アルプスの山並みと東の筑摩山地に挟まれた盆地状の平坦地が北に向かって奥深く伸びている。その盆地状の地形に北アルプスから流れ出した、数多くの川が扇状地や沖積地を造り、西から東に向か・・・ 続きを読む

 大和路には東大寺、法隆寺、興福寺、薬師寺、唐招提寺など、歴史を積み重ねてきた数多の大寺があり、こうした大寺でじっくり建築技術の粋を集めた建造物や天平文化を反映した仏像群と向き合うのは、大変興味深く面白い。しかし一方では・・・ 続きを読む

 奈良南部、吉野山や高見山は、古くから神聖な山々として信仰を集めてきたが、その根源には奈良盆地の水源地だったこともあったのではないだろうか。そのため、これらの山々の山懐や山里には水に関する神々を祭る神社、史跡が多い。例え・・・ 続きを読む

 日本の川は、大陸の大河と異なり、どの川も山岳地帯から海に一気に流れ出す急流だと言っても言い過ぎではない。李白の「孤帆の遠影碧空に尽き 唯だ見る長江の天際に流るるを」という揚子江を詠んだ漢詩のような大河は見当たらない。当・・・ 続きを読む

 数年前に国の無形重要文化財となっている「毛馬内の盆踊り」を見た。毛馬内は、現在は秋田県鹿角市となっているが、明治以前は長く南部藩の所領で、米代川に沿って立地し、西に向えば大館を抜け能代や男鹿の日本海側、東にたどれば八戸・・・ 続きを読む

 東京23区のどの区においても経済政策および都市計画において、観光が重要なテーマのひとつになっている。そのなかで、墨田区では、景観まちづくり像として「水辺と歴史に彩られ、下町情緒あふれる“すみだ風景づくり”」の実現を目指・・・ 続きを読む

 東北を旅していると「奥の細道」に関連する句碑や案内板に頻繁に出合う。観光振興のツール、ストーリー作りにもよく使われている。世界に誇る俳句、古典文学なのだから、当然のことだろう。   芭蕉が「奥の細道」に出掛けたのは、古・・・ 続きを読む

 自然資源は“見る”ことでその美しさや規模の大きさがわかるので、個人差による評価のブレが少ない。人文資源も美しさや規模の大きさから評価できるが、それ以外に、対象資源の歴史的背景などを旅行者がどの程度理解しているかも関係す・・・ 続きを読む

 8月下旬、東京・上野にある国立西洋美術館で開催中の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(会期:6月18日~10月18日、東京展終了後は大阪・国立国際美術館で開催)を訪ねた。  イギリス・ロンドンのトラファルガー広場に・・・ 続きを読む