盛岡市は、県中央部北寄り、北上盆地の北部に位置する。市街西部を北上川が南流し、北西方に奥羽山脈の主峰岩手山を望む。岩手県の県庁所在地で、東は宮古市、岩泉町、西は雫石町、滝沢市、南は矢巾町、紫波町、花巻市、北は八幡平市、岩手町、葛巻町と接する。
 JR東北本線、東北新幹線、JR田沢湖線、JR山田線(宮古―釜石間は三陸鉄道に移管)が通る。2002(平成14)年の東北新幹線の八戸までの延伸に伴い、第三セクターIGRいわて銀河鉄道(旧、JR東北本線盛岡―目時間)が開業。国道4号、46号、106号、282号、396号、455号、東北自動車道が通じ、盛岡南・盛岡インターチェンジがある。
 戦国時代、志和郡(紫波町)を拠点とする斯波氏と三戸(青森県三戸町)を拠点とする南部氏の二大勢力が覇権を争い、この戦いに勝利した南部家26代南部信直が豊臣秀吉から岩手郡を含む7郡の本領を安堵され、盛岡藩が誕生。以来幕末まで盛岡藩(南部藩)の藩政の中心として、北上川舟運の物資集散地として栄えた。
 南部鉄器(国の伝統的工芸品指定)、家具木工品、銘酒、菓子類のほか、酪農製品、機械器具、缶詰、紙工品などを生産する。農業は近郊農業で米作、リンゴ栽培などを行う。
 不来方城ともよばれた盛岡城跡(国の史跡)は岩手公園として開放されている。文化施設には県立博物館、県立美術館、原敬の生家と記念館、もりおか歴史文化館、子ども科学館、動物公園、石川啄木新婚の家などがある。西部の御所ダム築堤によってできた御所湖の近くには繋温泉がある。伝統的行事には国指定重要民俗文化財チャグチャグ馬コが6月に行われるほか、8月の盛岡サンサ踊り、北上川の舟っこ流し、9月の盛岡八幡宮の山車行列、真冬の裸行列などが行われる。

観光資源一覧

北上川の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

北上川 (岩手県 滝沢市 / 岩手県 盛岡市 )

北上川は源を岩手県岩手郡岩手町御堂に発し、岩手県の中央をほぼ北から南に流れ、一関市下流の狭窄部を経て宮城県に入り、登米市津山町付近で北上川と旧北上川に分流する。流域には東に北上山地、西に奥羽山脈の高峰が連なり、これらの山地から流入する数多い支川を合わせて北から南に流下する。幹川流路延長約249km(全国第5位)、流域面積...

チャグチャグ馬コの写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

チャグチャグ馬コ (岩手県 滝沢市 / 岩手県 盛岡市 )

農作業で農民と苦労を共にする農用馬を慰安する行事で、馬を沢山の鈴が付いた装束で飾り、神社詣をするもの。6月第2土曜日、滝沢市内にある馬の神様を祀る鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)へ詣でた数十頭の馬が、「チャグチャグ」と鈴を鳴らしながら盛岡市の盛岡八幡宮まで約14kmの道のりを約4時間30分かけて行進する。  岩手県内...

岩洞湖の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

岩洞湖 (岩手県 盛岡市 )

東北自動車道盛岡I.Cから自動車で約1時間、盛岡市藪川にある。標高約700mの北上山地に位置し、流域面積*48.6km2、湛水面積*6.23km2と広大な規模を誇る。  岩手山東麓の水田灌漑を主目的に水力発電の目的もあり、1960(昭和35)年に完成した人造湖(ダム湖)である。湖畔にはシラカバやナラなどの広葉樹が群生し、...

盛岡市のわんこそばの写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

盛岡市のわんこそば (岩手県 盛岡市 )

「盛岡じゃじゃ麺」「盛岡冷麺」と並び「盛岡三大麺」の一つとよばれる「わんこそば」は、掛け声とともに一口量のそばをテンポよく椀で供して食べた椀数を競う、岩手の名物そば料理。盛岡市、花巻市を中心に提供店が数多くある。  現在は、食したお椀の数を競い合う娯楽性をもつ食として有名だが、南部地方に伝わる、遠方からの客人にそば...

姫神山の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

姫神山 (岩手県 盛岡市 )

いわて銀河鉄道(IGR)渋民駅の東8km、登山口まで自動車で約25分、北上川をはさんで岩手山と相対して位置する。岩手山、早池峰山と並び、霊山として知られている。外山早坂高原県立自然公園内にあり、姫神自然観察教育林になっている。  標高は1,123.8m、なだらかな裾野を引く円錐形の山容で、登山が容易で日帰りのハイキング地として人気...

盛岡舟っこ流しの写真

写真提供:盛岡舟っこ流し協賛会

盛岡舟っこ流し (岩手県 盛岡市 )

東北自動車道盛岡ICから約15分・JR盛岡駅から徒歩約40分・仙北町駅から徒歩7分。北上川の明治橋上流右岸河川敷の辺りで行われる。  8月16日、提灯や盆の供物で飾った舟に火を放ち、川に流す。祖先の霊を送り、無病息災を祈る送り盆の行事である。舟の船首は龍頭を模したものが多く、大きさは概ね5m程度である。  およそ300年前、南部藩主...

岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館 (岩手県 盛岡市 )

盛岡市中ノ橋通の交差点に位置する。1911(明治44)年に盛岡銀行の本店行舎として落成し、1936(昭和11)年に岩手殖産銀行(のちに行名を岩手銀行に変更)がこの建物を譲り受け、本店として利用しはじめた。その後、1983(昭和58)年に岩手銀行新社屋完成に伴い中ノ橋支店となった。  設計は東京駅丸の内口の赤煉瓦駅舎で有名な辰野金吾*...

旧第九十銀行本店本館の写真

写真提供:盛岡市観光課

旧第九十銀行本店本館 (岩手県 盛岡市 )

旧第九十銀行本店本館は、盛岡市中心部にあり、1910(明治43)年12月に完成した。設計は東京帝国大学を卒業して間もない、盛岡出身の建築家横濱勉によるもの。  構造は、煉瓦造2階建(一部地下1階)、建物面積264.61m2、正面から見て非対称の建物で、屋根はドーマー窓*により飾られ、天然スレートおよび銅板で葺かれたマンサー...

紺屋町番屋の写真

写真提供:盛岡市

紺屋町番屋 (岩手県 盛岡市 )

盛岡市の中心部に位置する。1891(明治24)年に盛岡消防よ組番屋として現在地に建てられた建物を1913(大正2)年に消防組第四部事務所として改築されたものが現在の建物といわれる。  昔ながらの望楼が目をひく木造洋風建築の典型といわれる建造物で、2018(平成30)年に盛岡市の景観重要建造物、2020(令和2)年に盛岡市の歴史的風致形成...

盛岡さんさ踊りの写真

写真提供:盛岡さんさ踊り実行委員会

盛岡さんさ踊り (岩手県 盛岡市 )

発祥は近世初期の城下盛岡の都市形成期の頃と言われている。さんさ踊りの発祥として多く語られているのは、盛岡市名須川町の三ツ石神社にまつわる「三ツ石伝説」に由来する。その昔、南部盛岡城下に羅刹(らせつ)という鬼が現れ、悪さをして暴れており、困り果てた里人たちは、三ツ石神社の神様に悪鬼の退治を祈願した。その願いを聞き入れ...

盛岡冷麺の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

盛岡冷麺 (岩手県 盛岡市 )

盛岡冷麺は、盛岡市に数多くの提供店があり、ご当地の食として有名。冷麺はもともと朝鮮半島の北西部・平壌(ピョンヤン)で生まれたもので、朝鮮半島出身の移住者が1954(昭和29)年ごろ、故郷を懐かしみ盛岡市の店で冷麺を出したのが始まりといわれる。「盛岡わんこそば」、「盛岡じゃじゃ麺」と並び、「盛岡三大麺」とよばれる。  提供...

早坂高原の写真

写真提供:岩泉町役場

早坂高原 (岩手県 岩泉町 / 岩手県 盛岡市 )

JR東北本線・東北新幹線の盛岡駅から東北東へ約37km。岩泉町と盛岡市の境、標高916mの早坂峠を中心に広がる穏やかな大平原で、ゆるやかに起伏する草原に白樺林や赤松の林が点在する自然公園。  北上山地のなだらかな高原に、ブナ、ダケカンバ、シラカンバ、ミズナラ、ドイツトウヒ、アカマツが生育する景勝地。4月下旬~5月中旬のカタクリ...