岩洞湖がんどうこ

東北自動車道盛岡I.Cから自動車で約1時間、盛岡市藪川にある。標高約700mの北上山地に位置し、流域面積*48.6km2、湛水面積*6.23km2と広大な規模を誇る。
 岩手山東麓の水田灌漑を主目的に水力発電の目的もあり、1960(昭和35)年に完成した人造湖(ダム湖)である。湖畔にはシラカバやナラなどの広葉樹が群生し、新緑や紅葉による四季折々の美しい景色を見ることができる。
 周辺にアウトドア施設が充実しており、岩洞湖家族旅行村ではキャンプ場やピクニック広場、おまつり広場などが整備されており、また、1月中旬から3月中旬ごろまでは氷上のワカサギ釣りが人気で、東北地方を代表する氷上ワカサギ釣りのメッカとなっている。
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みどころ

白樺林に囲まれた神秘的な景色などで日本一美しい人造湖ともいわれているダム湖で、四季折々の美しい情景が見どころである。ダムの型式は岩石や土砂を積み上げたロックフィルダム*だが、「傾斜心壁型ロックフィルダム」という稀少な型式であり、堤高が約40mと低いのが特徴。全国のダム湖の中で堆砂の進行が最も遅いダムの一つともいわれており、湖岸が入り組んだ面白い形も相まって、希少性の高さはダムマニア必見といえる。
 法面の傾斜が緩やかなので、湖水面と周囲のバランスが良く、親しみが持てるダム湖である。水をたたえた5、6月の頃が特に美しい。
 キャンプなどのアウトドアを楽しむのに適しているが、特に注目は本州一のマイナス35℃を記録したことがある寒さを体感できる氷上のドーム船でのワカサギ釣り。必要な道具はレンタルできるので、大人も子ども気軽にチャレンジできるのが嬉しい。
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補足情報

*流域面積:ダム上流で降った雨がダムに流れてくると想定される範囲の面積をさし、集水面積ともいう。
*湛水面積:ダム等により川の水を貯めた際に、水面が土地に接する線によって囲まれる面積をさす。この面積は、ダム等により貯めることができる水の最高の水位の値になる。
*ロックフィルダム:岩塊を台形に積み上げ、上流面または堤体内部に不透水性の遮水壁を設けたダム。このうち「傾斜心壁型ロックフィルダム」は、主に粘土質で形成され水を遮断するコア材の位置が基礎岩盤より斜めに建設されている型式である。