盛岡舟っこ流しもりおかふねっこながし

東北自動車道盛岡ICから約15分・JR盛岡駅から徒歩約40分・仙北町駅から徒歩7分。北上川の明治橋上流右岸河川敷の辺りで行われる。
 8月16日、提灯や盆の供物で飾った舟に火を放ち、川に流す。祖先の霊を送り、無病息災を祈る送り盆の行事である。舟の船首は龍頭を模したものが多く、大きさは概ね5m程度である。
 およそ300年前、南部藩主・行信の娘が水灯の大法事を行ったのが始まりで、その後北上川で溺れ死んだ遊女の霊を慰めるため、舟に位牌と供物を乗せて流したことと合わせて、以後町の人々の間で盛んに行われるようになった。祭の最後に花火大会も実施される。
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みどころ

盆の行事として日本各地に伝わる盆の送り火・精霊舟の一種だが、赤いふんどし姿の男衆が龍の舟を担ぎ入水し、舟に火をつけて勢いよく燃やす様子は、他に例を見ない独特な情景である。完成度の高い龍の舟の造形に感心する。水の上で炎に包まれて一切を燃やす様子は、迫力があり美しくもあるが、もの悲しさも感じる。
 舟っこ流しの後、麦わらであんだ「蜂の巣」と呼ばれる籠を載せた高さ8mもある竿めがけ、松明(たいまつ)をくるくるとまわしながら投げる「投げ松明」という行事があり、こちらも見どころの一つ。幻想的な光がくるくる周り蜂の巣に当たると燃え上がり、一気に空へと放たれる非常に美しい光景が見れられる。
 祭のクライマックスに花火大会が行わる地方の盆らしい行事である。