チャグチャグ馬コちゃぐちゃぐうまこ

農作業で農民と苦労を共にする農用馬を慰安する行事で、馬を沢山の鈴が付いた装束で飾り、神社詣をするもの。6月第2土曜日、滝沢市内にある馬の神様を祀る鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)へ詣でた数十頭の馬が、「チャグチャグ」と鈴を鳴らしながら盛岡市の盛岡八幡宮まで約14kmの道のりを約4時間30分かけて行進する。
 岩手県内では、馬を愛し大切にする素朴な気持ちから「馬」にちなんだ端午の節句に、農耕に疲れた愛馬を癒やし、馬の守り神である「蒼前神社」や「駒形神社」にお参りする「蒼前参り」の風習があり、小荷駄装束を着せた馬を引くのが流行し、チャグチャグ馬コの原型が芽生えたといわれている。また、農用馬に鳴り輪という熊よけのドーナツ型の大鈴を付けて歩く際の鈴の音から「チャグチャグ馬コ」と呼ばれるようになった。
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みどころ

チャグチャグ馬コの最大の魅力は、名称の由来にもなっている鈴が奏でる音。なんと、馬コが着る色鮮やかな装束には、1頭当たり700個ともいわれる鈴がつけられている。「チャグチャグ」と響く涼やかな鈴の音は、1996(平成8)年には環境庁(現・環境省)の「残したい日本の音風景100選」に選定されている。衣装を着飾った馬がとにかく美しく、愛らしい。引き手・乗り手の昔ながらの素朴な衣装も相まって、馬への愛情が感じられる心温まる祭である。