糸魚川市は、新潟県の最西端に位置し、日本海に臨み、姫川の両岸に広がる西頸城地方の中心都市で、上越市、妙高市、西は富山県朝日町、南は長野県白馬村、小谷村に接する。
 JR北陸新幹線が通じ、大糸線を分岐する。また第三セクターえちごトキめき鉄道や北陸自動車道、国道8号、148号も走る。
 中心の旧糸魚川町は、古くは『延喜式』にもみえる北陸道の宿駅の一つであり、中世は上杉謙信が武田信玄に塩を送ったという塩の道の分岐点でもあった。近世は北陸街道と歩荷交通で有名な松本街道(千国街道)の要衝として賑わい、上杉氏の出城清崎城が築かれ、1717(享保2)年から定府大名松平氏一万石の城下町として栄えた。第二次世界大戦後は豊富な石灰岩原料に恵まれてセメントを中心に、化学工業都市に変わり、硬玉加工業も名物になっている。また、姫川港の築港も完成して、水陸交通の要衝にもあたっている。
 農業では、コシヒカリ、ヨモギ、 丸なす、トマト、きゅうり、メロン、わさび、しいたけなどを産する。
 中部山岳国立公園と妙高戸隠連山国立公園、親不知・子不知県立自然公園、久比岐・白馬山麓県立自然公園を有し、海岸、山岳、渓谷、温泉など変化に富んだ豊かな自然に恵まれている。
 姫川渓谷は、日本列島の継ぎ目といわれるフォッサマグナの西側の断層である「糸魚川-静岡構造線」の起点で、日本列島生誕の謎を秘めた世界的な学術資源となっている。支流小滝川上流には日本唯一のひすい産地があり、国の天然記念物(「小滝川硬玉産地」)に指定されている。長者ヶ原遺跡はそのひすいの勾玉がつくられたわが国硬玉文化の発祥地である。
 なお、糸魚川市はフォッサマグナに代表される貴重な地質や景観を見ることができる地域であり、糸魚川ジオパークは、2009(平成21年)年8月22日、北海道の洞爺湖有珠山、長崎県の島原半島と共に世界ジオパークとして認定されている。
 この他、観光資源には、親不知・子不知、塩の道、弁天岩、市振の関、長者ケ原考古館、糸魚川歴史民俗資料館、相馬御風宅、高浪の池、月不見の池、神道山公園、雨飾山麓しろ池の森、海谷三峡パーク、白池森林公園、不動滝いこいの里、 天津神社、能生白山神社(同神社宝物殿)、長者ケ原遺跡、寺地遺跡、海水浴場、スキー場、温泉、翡翠園、玉翠園・谷村美術館などがある。

観光資源一覧

親不知・子不知の写真

写真提供:一般社団法人糸魚川市観光協会

親不知・子不知 (新潟県 糸魚川市 )

市振から落水(おちりみず)までの15kmの海岸を親不知・子不知*と呼び、親不知駅の西10kmを親不知という。北アルプスの北端が日本海に落ち込み、400~500mの断崖絶壁を見せている景勝地。1883(明治16)年に国道が開通されるまでは、旧北陸街道の最大難所で、むかし旅人はこの崖下の狭い砂浜を大波が来ないうちに命がけで通過した。  北陸...

小滝川ヒスイ峡の写真

写真提供:一般社団法人糸魚川市観光協会

小滝川ヒスイ峡 (新潟県 糸魚川市 )

大糸線小滝駅の西方、姫川の支流・小滝川の、明星山*の大岩壁が落ち込んだ河原が国の天然記念物「小滝川硬玉産地」である。硬玉とはヒスイのことで、一帯は小滝川ヒスイ峡とよばれる。日本随一のヒスイ産地と知られ、150mほどの河床には白色・緑色・紫色の硬玉が散在する。  1938(昭和13)年、日本で初めてヒスイの原石がここで発見され...

雪倉岳の写真

写真提供:一般社団法人糸魚川市観光協会

雪倉岳 (新潟県 糸魚川市 / 富山県 朝日町 )

新潟県と富山県との境界にある飛騨山脈後立山連峰にある標高2,611mの山。大きく根を張り、おおらかな山体を横たえる。山名は、積雪期に雪の間にところどころ岩が見え、その岩を地元猟師らは「倉」と呼んでいたことから、雪*と倉の山という意味で「雪倉岳」と呼ばれるようになったという。

焼山の写真

写真提供:一般社団法人糸魚川市観光協会

焼山 (新潟県 糸魚川市 / 新潟県 妙高市 )

糸魚川市と旧妙高村にまたがる、釣鐘状のトロイデ型、標高2,400m。約3000年前に活動が始まった若い火山で、新潟県唯一で活火山で、長い間、登山禁止であったが、2018(平成30)年11月15日付けで、立入り規制は解除された。山の大部分は火山体でなくフォッサマグナ由来の第三紀層である。山頂部は森林限界の高山帯で、日本におけるライチョウ...

火打山の写真

写真提供:一般社団法人糸魚川市観光協会

火打山 (新潟県 糸魚川市 / 新潟県 妙高市 )

妙高山の北西に連なり、標高2,462mは妙高火山群では最高峰で、長い稜線を引く不整三角形のやさしい感じの山容を見せる。しかし、高田平野以外、山容を山麓から望むところがないので、あまり知られていない山である。  一般的な笹ヶ峰から山頂へのルートは変化があり、楽しい。ブナ林、岩塊が露出する十二曲がり、オオシラビソの樹林帯を過...

フォッサマグナパークの写真

写真提供:糸魚川市教育委員会文化振興課 フォッサマグナミュージアム

フォッサマグナパーク (新潟県 糸魚川市 )

フォッサマグナパークは、日本列島がアジア大陸から離れる時にできた「フォッサマグナ」*の西端にあたる「糸魚川―静岡構造線」を見ることができる公園。  屋外施設(無人)のため見学できる期間は、4月下旬から11月下旬までと限られる。

雨飾山の写真

写真提供:一般社団法人 小谷村観光連盟

雨飾山 (長野県 小谷村 / 新潟県 糸魚川市 )

長野・新潟の県境にあり、妙高火山群につづく頚城(くびき)山塊に属している。雨飾山は「猫の耳」と呼ばれる双耳峰が特徴である。  2,000m弱の高くはない山だが、好天の日には日本海が望まれ、布団菱(ふとんびし)とよばれる大岩壁が美しい姿を見せる。また山頂には石仏があり、羅漢上人(らかんしょうにん)*が石を刻みそれをコツコツ...

白馬三山の写真

白馬三山 (長野県 白馬村 / 富山県 朝日町 / 富山県 黒部市 / 新潟県 糸魚川市 )

北アルプス北東部、主峰白馬岳(しろうまだけ)(2,932m)とその南に杓子岳(しゃくしだけ)(2,812m)、白馬鑓ケ岳(はくばやりがたけ)(2,903m)の3つのピークが並び、白馬三山と呼ばれている。白馬岳(しろうま岳)の名前の由来は、春になると雪解けで岩が露出し、黒い「代掻き馬」の雪形が現れることから「代掻き馬」→「代馬」→「しろう...

白馬連山高山植物帯の写真

白馬連山高山植物帯 (長野県 白馬村 / 富山県 朝日町 / 富山県 黒部市 / 新潟県 糸魚川市 )

北アルプス北東部、主峰白馬岳(しろうまだけ)(2932m)とその南に杓子岳(しゃくしだけ)(2812m)、白馬鑓ケ岳(はくばやりがたけ)(2903m)の3つのピークが並び、白馬三山と呼ばれている。白馬の名は山頂北部の三国境の南東面に黒く馬の雪形が現れ、これをめやすに苗代を作るところから、苗代馬(なわしろうま)、代馬(しろうま)といわ...