白馬三山はくばさんざん

北アルプス北東部、主峰白馬岳(しろうまだけ)(2,932m)とその南に杓子岳(しゃくしだけ)(2,812m)、白馬鑓ケ岳(はくばやりがたけ)(2,903m)の3つのピークが並び、白馬三山と呼ばれている。白馬岳(しろうま岳)の名前の由来は、春になると雪解けで岩が露出し、黒い「代掻き馬」の雪形が現れることから「代掻き馬」→「代馬」→「しろうま」となったものである。白馬は語源的には「はくば」でなく「しろうま」である。
 山頂からは日本海が見えることもある。稜線は長野県側が断崖となって切れ落ち、富山県側はなだらかな線を描く、非対称山稜の典型を示している。東面には白馬大雪渓*が形成され、周辺一帯は高山植物の宝庫として知られている。標高差はあるものの、雪渓を歩くことに慣れると比較的楽に登れる。
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みどころ

見る方向で違う顔をみせる。南側からは東側が鋭く落ち込み、西側は緩やかな斜面が長くつながっている、非対称性山稜の特異な山容である。
 白馬の大雪渓が魅力であり、しかも直登できる爽快さ、また白馬の名前でも人気がある。白馬の高山植物は種類が豊富なこと、また南限を示すものが多いことで、特別天然記念物の指定をうけている。シロウマナズナ・シロウマリンドウ・シロウマヒメスゲなどシロウマの名の付くもの20種ほどと多く、7月中旬~8月中旬にいっせいに咲き、白馬大池や清水平付近が特にみごと。また、高山蝶の宝庫でもある。
 安曇野から白馬村にかけては前衛の山がないためいきなり主峰が立ち上がるので、迫力ある姿が望める。白馬村の町中のスーパー駐車場からや、周辺の田畑からも美しい姿を見せる。特に大出の吊り橋、大出公園からの白馬三山は、写真撮影スポットとしてお薦めの場所。(林 清)
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補足情報

*白馬大雪渓:白馬岳と杓子岳の間の東面、北股沢の上流で、7~8月は普通白馬尻から荵平まで雪渓が残り、あたり一面に冷気が漂い、雪が解けた岩場では高山植物の花畑となる。

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